ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「春分の日」で祝日ですね。
太陽が真東から昇って真西に沈み
昼と夜の長さがほぼ同じになる日とされています。
また、この日を境に昼の時間が長くなり
夜の時間が短くなります。
ただ、実際には「春分」では平均すると昼の方が14分ほど長いのだそうです。
二十四節気のひとつでもありますね。
加えて「春分」を中日とする前後7日間は「春の彼岸(ひがん)」であり
農事始めをする時期にあたります。
また、この日の前後に家族でご先祖様のお墓参りに行く習慣や
野遊びや山登りを行う地方も多いですね。
子供の頃は彼岸は必ずお墓参りでしたが
大人になってからはなかなかそうも言ってられないですねぇ
いまや墓所からはずいぶん離れてしまいましたし…
でもこの時期に墓参りで山に登ると
(うちの墓所は登山道の脇にある)
山には春の香りが立ち込めていて
何とも気持ち良いのですよねぇ…
たまにはこの時期や秋の彼岸に墓参り行ってみるかな…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
何だか今年に入ってから定番のOM-1より
SPのほうが修理依頼が多いのではないかと思うほど
コンスタントに依頼がありますね。
M42マウント搭載で使用できるレンズの多さは一眼レフとしては
圧倒的なため現在でも非常に人気が高いカメラです。
現行モデルだった1960年代半ばでは
現在よりもさらに圧倒的人気で大ヒット商品であり
フォトコンテストの入選作品のほとんどが
SPで撮られた写真だった…ということもよくあったようです。
世界で2番目に発売されたTTL露出計内蔵型カメラでもあります。
開発時にはスポット測光の搭載やバヨネットマウントも
検討されたそうですが
この発売時期であればM42マウント+絞込み測光で正解だったようですね。
この組み合わせでないとこれほどまでのヒットになっていないと思われます。
開放測光に慣れているとちょっと煩わしい部分がありますが
本来、絞り伝達機構を一切持たないねじ込みマウントでは
いたしかたなく、逆にこのシンプルなユニバーサルマウントだからこそ
楽しめるレンズもたくさん存在します。

基本的にはシンプルなカメラですが
製造されて60年近く経過するカメラです。
当然その状態の個体差はかなり激しく
使いっぱなしで未整備の個体はそれなりに
トラブルを抱えているものがほとんどです。
お預かりしているSPはシャッターチャージ状態ではあるものの
レリーズできない状態になってしまっています。
調べてみるとシャッターはチャージされているのに
ミラーチャージができていない状態です。
こうなるとレリーズしてもまずはミラーが動かないことには
シャッターは動作できませんから
後にも先にも行けない状態になってしまいます。
本来は巻上レバーで巻き上げることによって
フィルム巻き上げ・シャッターチャージ・ミラーチャージを
同時に行うわけですが
ミラー駆動部の動作不良でミラーチャージができなかったものと思われます。
分解して確認してみるとチャージ時の動作が確かに粘っていました。
この個体自体はおそらく以前にも整備はされているものと思われ
巻上フィールとかは良い感じです。
しかしそれも随分以前のことと思われ
シャッター精度にも狂いが出ていて幕軸の動きもいま一つです。
露出計の精度も1.5段以上狂っています。
やはり全体的に整備が必要な状態です。

この時代のカメラですからそれほどコンパクトでもありませんが
無駄に大きなわけでもなく上手くまとまられています。
それでいて整備性も悪くありません。
分解して整備することを前提に考えられている設計です。
絞込測光のためTTL露出計といえどもマウント周りは非常にシンプルです。
これが開放測光対応のSPFになると
かなりややこしくなってきます。
これから本格的にシャッター、ミラー駆動部、巻上機構の
整備に取り掛かっていきます。

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