今日は「電気記念日」だそうですよ。
この記念日、前置きを書くと
長い上にややこしいので割愛しますが
要は1878年のこの日に「日本で初めて電灯が灯された日」と
いうことになっています。
グローブ電池50個を用いて
講堂の天井に設置されたこれまた50個のアーク灯を点灯したそうです。
(白熱電球がエジソンによって実用的に改良されたのはこの翌年です)
点灯の瞬間には目もくらむような青白い光がほとばしり
講堂をくまなく照らし出し
その場にいた来賓たちは
「不夜城に遊ぶ思い」と驚嘆の声を上げたといわれています。
現代こそ当たり前のようにいたるところで
昼間であろうが灯りがともります。
こうしてこのブログを書いている当店の天井にも
煌々と明かりが灯っていますし
作業机にもLEDスタンドが手元を明るく照らしています。
数日前に電力逼迫の心配がされましたが
電気って今の私たちの生活に欠かせない要素で
もっと電気が当たり前に供給されることに
感謝しなければいけませんね
とはいえ…電気代が上がるものも困るのですが…(苦笑)
電気だけではなくいろいろなインフラの整備に支えられて
今日もこうして普通に生活ができることに感謝です。
あ、昨日から当店の前で水道工事が始まっていて
道路は車両通行止めですが(歩行者は通行可)
当店は通常営業しています。
さてさて
本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売のニコン初のエントリークラスのカメラです。
そのコンパクトさと小粋なデザインに加え
絞り優先オート専用のシンプルな使い勝手の良さで
現在でも非常に人気のあるカメラです。
しかしながら前回のEMのブログでも書きましたが
発売当時にはそれまでの「高級機」主体のニコンのイメージにそぐわず
国内市場では販売的にかなり苦戦したそうです。
それに反して先行発売された海外では
かなり好評で好調なセールスを記録したのだそうです。
日本国内でEM人気に火が付いたのは
皮肉なことに生産が終了した後の話になってしまいました…
…とはいえ販売ボリュームのあるエントリー機なので
現存している台数はそれなりに豊富です。
お預かりしている「EM]は
写真の一部に黒い影が出てしまうということです。
整備に取り掛かる前に測定器で現状をチェックしたところ
どうやら高速シャッター時に
シャッターが開き切らないことがあるようです。
電子制御シャッター機ですが
今回はシャッター制御の問題ではなくて
シャッター羽根の動きが悪く
うまく高速で作動できないようです。
メカニカル制御のM90で測定しても
シャッターは開くものの妙に先幕・後幕の
バランスが崩れてしまっています。
シャッター羽根基部に汚れやモルト屑が
入り込んでしまっていることが原因かと思われます。
エントリー機とは言え80年代の電子制御機です。
ニコン機なのでそれなりに整備性に配慮されてはいますが
分解整備の難易度は比較的高いほうです。
これも毎度言いますが作業中の静電気には
細心の注意が必要です。
一つ間違えれば電子回路が全てパーとなってしまいます。
画像は上カバーを外しただけの状態ですが
まずはシャッターユニットの整備ができるところまで
分解を進めていきます。
カメラ本体はもちろんですが
装着されていたAiニッコール50mmF1.4sも絞り羽根に油滲みがあり
絞り羽根の動作に粘りがありますので
ボディ側整備後にそちらの清掃整備も行います。
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