ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「ボウリングの日」だそうですよ
1861(文久元)年のこの日付の英字新聞
「ザ・ナガサキ・ショッピングリスト・アンド・アドバタイザー」に
長崎出島の外国人居留地に日本初のボウリング場が開設されたと
掲載されたことにちなんだものだそうです。
私が生まれたばかりの頃に(昭和40年代)
いわゆる「ボウリングブーム」があって
私が幼いころにはまだボウリング場が街のあちこちにありました。
私が生まれ育ったのは広島県の呉市ですが
今の寂れようからは想像もできませんが
私が覚えているだけで
市内に7か所もボウリング場がありました。
私が小学校卒業するころには大半が潰れてしまい
今現在では2ヶ所のみになってしまっています。
じいさんがめちゃくちゃ上手くって
セミプロの大会とかに出てよく商品持って帰ってたなぁ…
だから私も小さいころからじいさんに
よくボウリング場に連れて行ってもらいました。
5歳の頃には両手で投げさせてもらってたなぁ…
もちろんガーターばかりですが…(笑
その頃はスコアも鉛筆で手書きです!
ちゃんとスコアを書く机もレーンごとに設置されていました
まぁ古き良き時代ですねぇ…

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
1960年代~70年代にかけて
ニコンの中級機クラスを担ったブランドが「ニコマート」です。
フラッグシップとして「F」や「F2」の時代ですね。
「ニコマート」には機械制御シャッターでマニュアル露出機の
FT系と電子制御シャッターで絞り優先オートも可能な
EL系に大きく分かれます。
これが後の「FM・FE」になるわけですね。
機械制御系のFTは最初に出た「FT」
露出計を省略した「FS」と続き
1967年に今回、取り上げている「FTN」が発売となります。
「FT」をベースに測光方式が中央部重点測光となり
開放F値補正操作を取り入れ、絞り環を往復させるだけで
開放F値の設定が完了するようになりました。
この時代のニコン機でお馴染みの「ガチャガチャ」ですね。
搭載されるコパルスクエアSシャッターも
巻上やミラー駆動部も正に当時のニコン品質で
非常に丈夫に造られています。
ちょっと作動音が騒々しいともいえますが
その堅牢性の高さは非常に評価の高いものです。

そんな丈夫さがウリのニコマートFTnですが
さすがに登場から50年以上経過するカメラです。
今回、お預かりの個体もいろいろとトラブルを抱えてしまっています。
まず裏蓋のロック部カバーのネジが緩んでしまっていて
それによって生じたロック部の隙間から
押さえのバネが欠落してしまい
裏蓋ロックがかからない状態になってしまっています。
要は裏蓋が閉められない状態です。
加えて露出計は不動、高速域シャッターの精度は出ておらず
さらにダイヤル部のSS設定と
ファインダー内表示のSSが1段分ズレてしまっている状態です。
装着されているニッコールオートS 50mmF1.4も
かなりカビやクモリがあり撮影に影響のある状態です。

いろいろ動きの悪い部分や接触不良等もあるので
一通りの分解整備を行いつつ、問題のある個所の修理も行います。
この時代のニコン機はいろいろな部分の調整が
比較的簡単にできるように非常に考えられて造られており
先述したSS表示のズレ等もギアをひとつ台ごと抜くことで
調整が可能です。
しかしながらボディ(シャッターユニット本体)側と
SSダイヤル・ファインダー表示がズレることは
前板を抜くとあり得るのですが
SSダイヤルとファインダー表示がずれることはそうそうありません…
分解品とも思えないし何故だろう???と思って確認すると
ふぁいんだーSS表示用の連動糸が一部プーリーから外れて
おかしなところに引っかかっていました。
これは使用しているうちに何かの拍子に外れたのでしょうね…
しかしながらちょっと厄介なところに挟まってしまっており
修復に少々苦労しました。無理をして連動糸を切ってしまうと
非常に面倒なことになるのでかなり慎重に糸を救出しました。
他部分に関しては一通りの整備で問題なく改善できそうです。
かなり使いにくい状態で一度は使ってみられたのだとは思いますが
これからは快適に気持ちよく使っていただけると思います。
存分に撮影を楽しんでいただければと思います。

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