オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「ウルトラマンの日」らしいですよ。
1966(昭和41)年のこの日に
TBSテレビで『ウルトラマン』の放送が
開始されたことに由来しています。
さすがに私でもリアルタイムでは見ていませんよ。
私が生まれる3年前ですね。
でも私が子供の頃に何度も再放送されているので
テレビで見てはいるはずですが…
セブンの再放送は結構記憶にあるのですが
初代はほとんど覚えていないなぁ…
リアタイで見たのを覚えているのはエースの後期から
タロウ、レオあたりまでですねぇ
タロウの頃が一番ハマっていたと思います。
毎週出てくる新しい怪獣がやたら楽しみでしたねぇ
今や「シン・ウルトラマン」としてブームも再燃しています。
何だか面白そうなのですよねぇ
見に行けばよかったかな…まだやってるのかな…

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフ「ペンF」の改良版で
第三反射面のミラーをハーフミラーに変更し
そのハーフミラーの裏側にCdSと電流計を配置し
露出計内蔵としたカメラです。
それに加えセルフタイマーを装備し
巻上もダブルストロークからシングルストロークに変更されています。
シングルストロークになったため
巻上角はかなり大きくなっています。
少し余談ですがペンFTは巻上角が大きいため
ストラップをつけているとストラップやストラップ金具に
巻上レバーが引っかかり巻上が上手く完了できないことも多く
巻上トラブルだと勘違いしてしまうことも多いので
そこは要注意かと思います。
露出計はSS設定とASA感度設定に連動しファインダー内に
適正絞りを表示し、その絞り値を手動でレンズ側で設定するという方法ですが
ファインダー内に表示されるのは絞り値そのものではなく
TTLナンバーという独自の数字です
レンズ側にもペンFT対応のレンズにはTTLナンバーがあり
(個々のレンズごとに絞り値と一定の法則で対応している)
それを合わせて設定します。
このTTLナンバーを使用することで
レンズごとに異なる開放時と絞り込み時の
対応F値の補正なども行なっています。

お預かりしている「ペンFT」はちょっとレアなブラック塗装です。
ファインダー内にシミが多数見えている状態です。
たまにミラーアップしたままにもなるようで
各部の動きもあまり良くないようです。
ファインダー内のシミはプリズム腐食の可能性もありますが
「ペンFT」の場合は大抵の場合、ハーフミラー部の腐食です。
今回の個体は明らかな分解品で
不用意にハーフミラーを拭いた跡があり
それが原因で蒸着が所々剥がれてしまっている状態です。
これはハーフミラーを交換するしかありません。
それ以外にも以前の分解時に問題を数多く起こしているようで
カウンター窓や採光窓には削ったような跡があり
一部はクラックが入っていたりします。
さらに交換する傷んだハーフミラーの背後に鎮座する
CdS受光体は一部が割れて欠けている状態です。
こういう分解品は中で何が起こっているか読めないので
通常以上に入念に各部をチェックする必要があります。

画像は一通り整備が完了した状態です。
いろいろ細かい部分で問題の多い個体でしたが
何とか問題ない状態に仕上がっていると思います。
露出計やシャッターは精度も含めて全く問題なくなり
非常にスムーズに動作するようになりました。
動きの悪かったミラー駆動部も良好な状態です。
ファインダーも接眼プリズムにわずかにシミが残りましたが
通常覗いている分には全く問題なく
非常にクリアな状態です。
安心してお使いいただける状態になったと思います。
見慣れないせいもあり
ブラックのFTはなかなか新鮮に映りますね。
背間なイメージでカッコ良いです!

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