今日は6月9日で「ロックの日」だそうですよ。
音楽の「Rock」と鍵の「Lock」とそれぞれが
記念日制定されています。
私だけかもしれませんが
音楽の「Rock」って今では
いったいどんなものを指すのか
よくわからなくなってしまいましたね。
それだけ現在の音楽が多様性に富んでいて
面白いものになってるからこそだと思いますが…
私はクラシックから昭和歌謡、ダンスポップ、ヘヴィメタまで
気分によってかなりの雑食性なので
あまりジャンルとか枠組みは気にしませんが…
鍵の「Lock」は最近、昔の実家の玄関引き戸にあった
外からだと鍵を指してドライバーのように
くるくる回して開け閉めする召し合わせ錠が
やたら懐かしく感じることがあるのですよねぇ(笑
まぁ既に実家はないですしあのタイプのカギを触ることは
もうないかもしれませんねぇ
さてさて
本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
最近、「AE-1」の修理多いですね。
あれだけ大ヒットしたカメラですし
現存してる台数は多いので当たり前といえば当たり前ですが
ここ最近は月に2,3台「AE-1」の修理をしている気もします。
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラです。
とはいえ、70年代のカメラなので
後の80年代のカメラほど完全電子化とはなっておらず
良い意味でアナログ的部分がブレンドされた
バランスの良いカメラです。
一眼レフカメラの電子化高機能化低価格化を進めたカメラですが
機能的にはそれまでに既に存在しポピュラーだった
シャッタースピード優先オート搭載機です。
ただコンピュータ搭載の恩恵もあり
部品や生産の効率化を一気に進めたカメラであることが
大ヒットの要因かと思います。
同様の機能を搭載する他メーカのカメラに比べて
2万円近く安価に発売することに成功しています。
そして意外にトラブルの少ないカメラです。
「Aシリーズ」の基本形なのでお馴染みのシャッター鳴きは
経年が進むと当然のように発生しますが
定期的に整備を行って無茶な使い方をしなければ
かなり安定して長く使えるカメラだと思います。
お預かりしている「AE-1」はご依頼者様が
長年にわたって使い続けているカメラとのことです。
しかしながら近年はかなり使うことも少なく
しまいこんだままになっていたものと思われます。
これからも撮影に使いたいということで
一通りの点検整備を行いたいということで当店にやってきました。
しっかりと電池は外して保管されていたらしく
電池を入れると一通りの動作は行えます。
持病ともいえるシャッター鳴きもほとんどありません。
ただモルトはフィルム室を見てもわかりやすく全滅です。
加えて露出計はかなりオーバー目にズレてしまっています。
「Aシリーズ」は古くなるとこの傾向が多いですね。
原因もある程度は把握していますが…
受付時に目視のみの確認では気が付いていなかったのですが
分解整備前に測定器でチェックを行うと
シャッタースピードにかなり問題がありました。
高速シャッターは1/1000~1/125あたりまで
ほとんど開かずに閉じたままシャッターが切れるようです。
スローになると開きますがそれも閉じるのは速く
1秒時にも0.2秒くらいで閉じてしまいます。
おそらく汚れ等によりマグネットの吸着が悪いようです。
電子制御機は各接点と制御マグネットの吸着が肝なので
そのあたりの整備を入念に行っていきます。
フレキもあり連動糸も存在するので
それなりに手間がかかる部分はありますが
それでも整備性はこの類のカメラとしては
相当良好なカメラです。
後から分解整備する場合のこともよく考えられているカメラです。
最近、依頼が多いこともあって
分解した中身もすっかり見慣れた光景ですが
少々ややこしい部分も多いカメラではあるので
集中して丁寧に整備を行っていきます。
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