ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「バザー記念日」だそうですよ。
1884(明治17)年のこの日に
鹿鳴館で第1回婦人慈善市という
日本初のバザーが開催されたことに由来しています。
上流階級の女性たちが手工芸品を持ち寄って開いたもので
3日間の入場者は1万2千人に上ったそうです。
鹿鳴館は外国からの賓客や外交官を接待するために
明治政府によって建てられた社交場で
舞踏会や夜会などが行われていましたた。
国内最初のバザーはこんな感じだったそうですが
本来バザーは学校や教会の資金調達のために
家から自らにとっては不用品ではあるが
金銭的価値が有る物を持ち寄って競売にかけ
販売益を寄付するというものなのだそうです。
いわれてみれば私も高校のときに学校でバザーがあって
もう要らないかな…というレコードやブロマイドとかを
売りに出した記憶があります。
確か全部あっという間に売れたと思います。
今だとバザーよりもいろいろなところで行われている
フリーマーケットとかのほうが身近ですかね…
意外なものがお手頃な価格で売られたりしていて
見て回っていると楽しいですよね。
明らかに怪しいものも多いですがそれもまた魅力かも…
フリー負けっとに限りませんが
実際に手に取れて品定めできるのはやはりいいですよね。
でも思わず衝動買いしてしまい
持ち帰ってから「なんでこんなもの買ったのだろう…」と
後悔することもよくありますが…(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
先代の「Fフォトミック」はあくまでも追加モデルで
機能的にもデザイン的にも「とってつけた感」がかなりありましたが
F2になると時代の流れもあって露出計内蔵の「フォトミック」のほうを
メインに考えられて設計されていると思われます。
まだまだこの時代のニコンは無骨さが目立ちますが
それでも「Fフォトミック」に比べると「F2フォトミック」は
一体感もあってその無骨さも逆に魅力に見えてきます。
「F2フォトミック」が見慣れてくると
アイレベルがなんだか少し寂しいとすら感じるようになってきます(笑
露出計内蔵はもちろん便利ですが
フォトミックファインダーは設定SSや設定絞りを
ファインダー内で確認することができこれがかなり実際には便利です。
個人的には露出計よりこちらのほうが魅力です。

お預かりしている「F2フォトミック」はまず露出計が動きません。
そして巻上の途中で巻上が固着していてそれ以上動かすことも
戻すこともできません。当然シャッターは切れません。
露出計不動はいつもの電池室のマイナス端子基部の破損と思われます。
巻上は何か引っかかっているような様子に見えるので
電池室で破損した破片か何かが巻上に巻き込まれて
ひっかかっているのでは?と予想していたのですが
現実はそうあまくはありませんでした。(苦笑)

破片が入っていきそうな巻上ギア部からチェックしたのですが
そこには何も問題がなくそもそも破片が飛ぶほど
電池室は破損はしていませんでした。
(ステーは真っ二つに折れていましたがそこに留まっていました)
では何が巻上の動きを妨げているのかといろいろ調べていると
レリーズ軸が曲がっていることに気づきました。
それが巻上に引っかかっているうえに巻上側にも
それなりのダメージが出ています。
ということでカウンター部を含む巻上機構の一部と
レリーズ軸を中古良品と交換したうえで調整して修理を行いました。
レリーズ軸は相当丈夫な部品でレリーズボタンも通常は
さして出っ張っているわけではないので
なんでこんなことになったのかは不明です。
ただここからは憶測ですがおそらくAR-1等のソフトシャッターレリーズとがが
着いた状態で落下したものと思われます。
それであればレリーズ軸にまでダメージが出る可能性は高いかと思われます。
改めてよく見るとレリーズボタンの外周にわずかに凹みもみられます。
いずれにせよ、修理可能な部分だったのが不幸中の幸いでした。

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