今日は「バッテリーの日」だそうですよ。
バッテリーと聞いてついつい「野球かな?」と思ったのですが
ここでいうバッテリーは電池のことですね。
でも日付の由来は野球のバッテリーの守備位置が
数字で「1」と「2」と表されることからだそうです。
もともとこの日は「カーバッテリーの日」だったのだそうです。
ちなみに約1ヶ月前の11月11日も「電池の日」だったりします。
カーバッテリーもそうですし
カメラ用の電池もそうですが
この季節になると低温になる影響で電圧が落ち
本来の性能を発揮できなくなることが多くなります。
特に厳冬期に屋外で使用する際には注意が必要です。
クルマのバッテリーの場合は本格的に寒くなる前に
バッテリーの点検を行っておいたほうが良いかと思います。
街中で少しの距離しか乗らずにエンジンを切るような使い方を
繰り返しているとバッテリーに十分な充電もされず
かなり負荷がかかってしまいますものね。
カメラのバッテリーも特に電子制御機だと
安定した電圧が供給されないと動作不良を起こします。
厳冬期の屋外だと完全に防ぐのは難しい場合もありますが
なるべく新しくて高性能な電池を使用することをお勧めします。
そういえば今日は「漢字の日」でもありますね。
…ということは午後には「今年の漢字」が発表されるのですね
もう「流行語大賞」と「今年の漢字」は
あまり意味がないような気が…(苦笑)
さてさて
本日は「キヤノンVL」のカメラ修理を行っています。
キヤノンのレンジファインダー搭載のフォーカルプレーン機は
「Ⅳ型」までがいわゆる「バルナックタイプ」で
ライカM3の登場に触発されてダイキャストを一新して造られたのが
「VT」を最初とする「Vシリーズ」です。
「VT」、「L1」、「L2」、「VT Deluxe」、「L3」
「VL」、「VL2」と普及型も含めていろいろなモデルが発売されました。
今回の「VL」は「VL2」と同時に1958年に発売され
「V型」の中では最終機となるモデルです。
「VT Deluxe」からさらに進化したファインダーはよりクリアになり
「VT」ではないので巻上は一般的なレバー式となり
シャッタ最高速は「VT Deluxe」同様に1/1000です。
キヤノンお家芸の3段階変倍ファインダーを装備します。
「VT」以降のモデルの特徴として変倍ファインダーに
35mmフレームが内蔵されています。
また「L1」以降のモデルはこれもキヤノンお得意の
ステンレス幕が採用されています。
確実に年々進化していることがよくわかります。
使い心地や使用感もよく
実用性を考えても明らかに使いやすいカメラに仕上がっています。
お預かりしている「VL」は
何はともあれシャッターが全く切れない状態です。
もちろん巻上もできません。
金属幕機なのでシャッター幕関連のトラブルではなく
何かしら巻上機構が固着しているか
噛み合わせのタイミングがおかしくなっているものと予想しますが
分解してみるとやはりまずは巻上ロック機構が固着
よくあるレバーのロックがかかったまま…というわけではなく
巻上完了後に幕ドラムのロックがうまくかからず
正しく巻上完了とならないようです。
さらにやはり固着した関連で巻上のかみ合わせタイミングが
おかしな位置関係になっていてレリーズもできない状態です。
元々の原因は汚れと油切れによる固着で
それに関連してタイミング等がおかしくなってしまっているようです。
まずは分解して各部品を清掃・必要最小限の注油を行い
組立の際に正しい位置関係に修復していきます。
それで何とかシャッターは切れるようになり
幕軸等他部分の清掃・注油を行った上で各部調整を行っていきます。
シャッターは精度も含めて非常に快調な状態に復活しています。
ファインダーもできる限りの清掃と調整を行っています。
組み合わせてあるレンズは当時セットで販売されていた
50mmF1.2の大口径レンズです。
こちらも絞り羽根に油滲みがかなりあったため
絞り羽根の清掃を行い、レンズもできる限り清掃を行いました。
絞り羽根はもちろんのこと
レンズも実用に問題ないレベルにクリアになっています。
非常に気持ちよく使える状態に仕上がっていると思います。
これから最終チェックを行って問題なければ完成となります。
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