今日は1月28日
1986(昭和61)年1月28日に
アメリカのスペースシャトル「チャレンジャー号」が
打ち上げ後、わずか74秒で大爆発を起こし
乗務員7人全員が死亡する事故がありました。
当時、私は16歳で高校生
かなり衝撃的な映像で当時のことはよく覚えています。
「チャレンジャー」は最初に宇宙空間を飛行した
「コロンビア」に続く機体で
既に10回目の飛行だったのですよね
この頃になるとスペースシャトル飛行のニュースも
比較的慣れてきた頃で
「普通に飛んで帰ってくるのが当たり前」みたいな雰囲気もあっただけに
世界的にも大ニュースとなりました。
ちなみに「コロンビア」も2003年に大気圏再突入時に
空中分解する事故を起こしています。
宇宙に飛ぶような宇宙船やロケットはもちろんのこと
空を飛ぶ飛行機、1tを超える重量で道路を走り回る自動車
もっといえば自転車だって命に関わるトラブルはありえます。
機械モノ全てに言えますが特に乗り物は
命を乗せているとも言えますので
そう考えるとちょっと怖いですよねぇ…
まぁ、あまり考えすぎや心配し過ぎも良くないと思いますが…
話がそれましたが
そんな風にいろいろ考えさせられる
ショッキングな事故でした。
さてさて
本日は「リコーフレックスミリオン」のカメラ修理を行っています。
1950年代のいわゆる「二眼レフブーム」で
最も売れた二眼レフがこの「リコーフレックスシリーズ」かと思います。
特にギアによる前玉回転式焦点調節となり
いわゆる「リコーフレックス」らしい仕様となった「Ⅲ」から
今回の「ミリオン」までのプレスボディーモデルは
シンプルな構造に二眼レフとしては軽量コンパクトで
生産方式もかなり合理的にされ価格も
それまでの多くの本格的カメラの半額以下に抑えられ
爆発的に売れました。
一時期の日本全体のカメラ生産量の50%以上を
リコーフレックスが占めるほどのベストセラーとなったと言われています。
今回お預かりしているのは「リコーフレックスミリオン」ですが
おそらく1958年にマイナーチェンジされた
「ニューミリオン」かと思われます。
裏蓋赤窓部が変更されていて通常の6x6判のみならず
6x4.5や4x4の窓に切り替えることが可能となっています。
ただし本当に別フォーマットを使うためには
中枠も専用のモノに入れ替えないとなりません。
それ以外は通常の「ミリオン」とほぼ同様です。
さらに「ミリオン」は基本的には「Ⅶ」とほぼ同様の仕様です。
シャッターユニットにはヴァージョン違いもありますが
今回のミリオンはリケンシャッター搭載で
B・1秒~1/300をカバーします。
レンズは3群3枚リコーアナスチグマット80mmF3.5です。
まずレンズシャッター機の定番で
シャッター羽根に若干の粘りが見られます。
動作できないほどではないですが
明らかにシャッタスピードは全体的にオーバー気味です。
加えて絞り羽根にも油滲みがみられ
こちらは動きにも支障が出ています。
いつも書きますが絞り羽根に油滲みのある場合
動きに支障をきたしているものが多く
それを無理に動かしていると絞り羽根の破損に繋がります。
今回もかなり怪しい状況だったので
動作確認は最小限にとどめておいて清掃整備を早急に行います。
さらにスローガバナにも粘りが見られます。
やはりシャッターを中心にいろいろいと動作不良が見られる状態です。
画像は一通りの整備が完了した段階でのモノです。
これも定番ですがファインダーミラーは
劣化がかなり進んでいて激しく曇っています。
スクリーンもできる限り清掃しますが
ミラーは交換で対処します。
リコフレ最大の特徴の前玉ギアも整備を行い
非常に滑らかに動作すようになりました。
もちろんシャッター・絞りの動作も全く問題なくなっています。
レンズもできる限りの清掃を行っています。
詳しい資料がないので概算ですが
当時のそれなりの使用に耐える本格的カメラは
ざっくり2万円ほどのものが多かったのですが
リコーフレックスは「Ⅲ」デビュー時に6,800円で発売されました。
このニューミリオンもケース付きで6,800円だったそうです。
圧倒的にお安かったのですね…
確かに機能的にはシンプルで最小限ですが
造り自体はしっかりとしていて
どこにも安っぽさがありません。
レンズ周りの造形なんて見とれてしまうぐらいの高級感があります。
そのあたりの質感の高さも大ヒットした要因なのでしょうね。
昨日も書きましたがこの時代の国産カメラは
どれも個性的で質感高いモノが多く
見ると欲しくなってしまうようなものが多いですね。
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