オリンパスペンFのカメラ修理

今日…というか今夜は「十三夜」ですね。
旧暦9月13日~14日の夜「九月十三夜」を意味します。
旧暦8月15日~16日の夜「八月十五夜」の月
「中秋の名月」に次いで月が美しいとされ
「後の月(のちのつき)」とも呼ばれます。
個人的にはまだ夏の空気が残る「十五夜」より
すっかり秋の空気で澄んだ空となる「十三夜」のほうが
美しい月夜を楽しめるような気がします。
ひんやりとした空気も気持ち良いですよね。
八月十五夜の月は「芋名月(いもめいげつ)」と呼ばれるのに対して
九月十三夜は季節の風物として豆(枝豆)や栗を供えることから
この夜の月は「豆名月(まめめいげつ)」や
「栗名月(くりめいげつ)」と呼ばれるのだそうです。
十五夜と十三夜の両方の月を祝いますが
どちらか片方の月見しかしないことを
「片月見(かたつきみ)」や「片見月(かたみつき)」と呼び
縁起が悪いとも言われています。
また、旧暦10月10日~11日の夜「十日夜(とおかんや)」と合わせて
計三回の月見ができると、とても縁起が良いと言われています。
ちなみに今年の「十日夜」は11月22日(水)です。
さすがにその頃にはしっかり防寒しておかないと
夜は寒そうですね。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
「ペンF」も修理依頼の多いカメラです。
ハーフカメラは「オリンパスペンシリーズ」を筆頭に
各メーカーからもいろんなカメラが出ていますが
ハーフ判で一眼レフとなると
非常に種類は少なくなり
ハーフ判であることのメリットを最大限に生かした
一眼レフとなると「ペンFシリーズ」のみかと思われます。
そういう意味でも「孤高の存在」と言えるカメラです。
ハーフ判でコンパクトにできることを生かすために
既存の一眼レフの考えではなく
非常に独自性の強い構造で造られています。
それが採用されたロータリーシャッターでもあり
ポロプリズムを使った独特のファインダー光路であったりします。
そうした構造もありデザイン的にも
ペンタプリズムの出っ張りがなく
巻き戻し側にレンズが大きくオフセットされた
独特のスタイルになっています。
この特異な機械的構造とデザインだけでも
非常に魅力的なカメラだと思います。

ペンFは機械的構造自体は
それほどややこしいことはないのですが
その独特の構造のため
年月の経過した現在では未整備の個体だと
いろいろと動作不良が起きやすいカメラだと言わざるを得ません。
中でもミラー駆動部関連の動作不良は多く
今回お預かりしている「ペンF」も
ミラーアップしたまま固着してしまっています。
シャッターは走行完了後の状態かと思われ
最後のミラーダウンができない状態かと思われます。
ペンF系では非常に多くみられるトラブルです。

原因はやはり積年の汚れや古い油脂類による
動作不良だと思われます。
ミラー駆動部以外にも動きの粘っている箇所は
あちこちに散見され特に1/500以外の全SSを制御する
ガバナ―も動きが悪く
低速時には明らかな粘りでシャッターが
固着しそうになっています。
ミラー駆動部、シャッター駆動部、ガバナ、巻上機構
機械的な駆動部分を入念に清掃して
必要な部分委は最小限の注油を行っていきます。
その上で微調整を行って
各部の精度と安定sした動きを確保していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。