ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「冥王星の日」だそうですよ。
1930(昭和5)年のこの日に
アメリカの天文学者クライド・トンボーが
太陽系第9惑星「冥王星」を発見したことに由来しています。
発見された当時から長らく太陽系9番目の惑星といった位置づけでしたが
2006(平成18)年にそれまで明確でなかった
「惑星」の定義が定められ、冥王星は「惑星」ではなく
新たに設けられた「準惑星」に分類されることとなりました。
冥王星の発見から76年後のことでした。
冥王星は月の2/3程の大きさしかなく
その軌道も太陽系の惑星と比較すると異質です。
惑星は黄道面と呼ばれる仮想の平面にかなり近い面を公転していて
軌道の形は真円に近いのですが
冥王星の軌道は黄道面から約17°ほど傾いていて
軌道の形も楕円です。
近日点の近くでは、冥王星は海王星よりも太陽に近くなります。
直近でこの現象が起こったのは1979年2月7日から1999年2月11日までです。
「水金地火木どっ天海冥」が「水金地火木どっ天冥海」になったって
私が10歳の頃ですが当時もよく話題になったし
しむけんさんがドリフでもギャグにしててよく覚えています(笑
太陽からの距離がおおよそ40天文単位(1天文単位=太陽から地球の距離)
地球からの距離はおおよそ48億km…とてつもなく遠くの話ですねぇ

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズは当時のニコンの中級機クラスのカメラで
後のニコンFM/FE系に繋がるシリーズです。
ニコマートFT系の中でも「FTN」は最も販売台数も多く
現在でもよく見かけるカメラです。
それだけ売れているということは
やはり当時から非常に優れたカメラだったと言う事ですね。
1967年の発売です。前モデルの「FT」と比べると
開放F値補正操作が採用され
絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了します。
加えて露出計の測光方式は中央重点測光が採用されました。
ファインダー内に設定SSが表示されるのもFTNからですね。
基本的な構造はFT系共通で
コパル製の縦走り金属羽根シャッターユニットを搭載し
レンズマウント部にSS設定リングがあることが大きな特徴です。
フラッグシップのF一桁機ほどではないですが
ニコマート特にFT系シリ―ズは非常に丈夫にできているところも
評価が高いポイントです。
登場から50年以上経過するカメラですが
余程劣悪な状況で保管されていない限り
致命的なトラブルは少ないかと思います。

お預かりしている「ニコマートFTN」も
一通りシャッターは動作していて
露出計も一応は動くのですが
細かく精度も含めてみていくといくつか問題も抱えています。
まずシャッタースピードの精度に難があり
単に精度が多少狂っている…程度の問題ではなく
1/1000では視野の2/3でシャッターが開かず
1/500でも1/3は開いていません。
つまりそのまま写真緒2/3、1/3が真っ黒になるということです。
1/250でようやく開ききりますが
それでも写真の端は少し暗くなるものと思われます。
シャッター先幕の動きが非常に悪いことが原因で
後幕が比較的正常な幕速で動作しているため
シャッターが走っている間に後幕が先幕に追いついて
閉じてしまうという状態です。
先幕を目視でチェックしてみてもかなり汚れが確認できますので
汚れ等が原因で先幕の動きが悪いためと思われます。
露出計の精度も多少オーバー気味なので
調整が必要な状態です。

他、巻上機構やミラー駆動部にも油切れの兆候が見られるので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
この時代のニコン機なので整備性は非常に良好です。
分解整備が行われることを前提にしっかり造られています。

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