ミノルタXD-sのカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
「3×9(さくら)=27」の語呂合わせと
七十二候の一つ「桜始開」(さくらはじめてひらく)が
重なる時期であることからだそうです。
ここでいう「さくら」はおそらくソメイヨシノのことを
主に指すのだと思いますが
昨年や一昨年であれば既に満開だったのですが
今年は3月半ばから気温の低い日が多く
ずいぶん遅れていてまだ都内では開花宣言も出ていない状況です。
予想では本日当たり開花宣言が出そうなのですが…
さてどうでしょうね???
週末あたりからぐんぐん気温も上がりそうなので
開花し始めると一気に万回へと進みそうです。
今のところの都内の万回予想は4/5となっていますね。
ここ数年、4月には散ってしまっていることが多いのですが
今年は新年度に桜が楽しめそうですね!

さてさて

本日は「ミノルタXD-s」のカメラ修理を行っております。
「XD」は1977年に発売された
世界初の両優先オート(絞り優先、SS優先)搭載のカメラです。
それまでは絞り優先オート搭載機、SS優先オート搭載機が
それぞれ存在し、どちらがより良いのか?が論争になったりしたのですが
XDの登場以降、両方を搭載するマルチモード機が
より一般化していくようになっていきます。
現在のデジタルだともちろん当たり前の機能ではあるのですが…
ボディも小型化され非常に凝縮感があり質感も高いデザインで
ミノルタ機らしく非常に使い心地の良いカメラです。
今回の「XD-s」はその「XD」に視度補正機能が追加されたモデルです。
視度補正機能搭載がカメラ本体に搭載されるのも
この「XD-s」が世界初なのだそうです。
ファインダーの見えやキレにこだわるミノルタらしい機能追加ですね。
視度があってないとマニュアルフォーカスが合わせにくいのも大問題ですし
ファインダー内表示も見えにくくなってしまいます。
とはいえ眼鏡をかけるとファインダー内全体が見渡しにくくなってしまいます。
それを解消するために視度補正レンズを接眼レンズに追加するのが
この頃は定番でしたがその機能をダイヤルで調整式にして
接眼レンズ部に内蔵したのがこのカメラです。
それ以外の部分は基本的にはほぼ通常の「XD」と変わりません。

お預かりしている「XD-s」は露出計の動きが不安定です。
特にSS優先時にファインダー表示が一番上の▲に振り切ってしまい
全く制御ができなることが常にではないのですが多々あります。
おそらくブラシ接点で接触する摺動抵抗の汚れが原因かと思われます。
XD…というよりXシリーズには比較的多いトラブルです。
XDやXD-sは現行モデルだった当時から
比較的電気回路のトラブルが多いカメラで
電子基板内でトラブルが出ると現在では修理不可能な場合も多いカメラです。
シャッター制御がままならないような状態のモノは
当店でも残念ながら修理不可能です。
ただ今回のように接点や摺動抵抗のトラブルも多く
その場合には通常の清掃整備の上での調整で
修理可能な場合もございます。
ケースバイケースなので一概に言えませんが
手も足も出ないパターンは現存している個体では
比較的少ないのではないかとも思います。
電気的な問題もそうですがやはりシャッター羽根等にも汚れがあり
機械的動作にも問題がありそうです。
メカニカルで動作する「B」や「O」でも
動きが少々不安定なのでそのあたりの整備も合わせて行っていきます。

この時代の電子制御機なので
当然ながら分解整備には手間も神経も使います。
静電気の対処もしっかり行いつつ
慎重にこれから分解整備に取り掛かっていきます。

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