ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「カクテルの日」だそうですよ。
若い頃はカッコつけてショットバーでよく飲んでたし
ショート・ロング問わずいろんな種類を試して
話のネタにもしてましたねぇ…もうずいぶん昔の話です(笑
今やお酒は日本酒・焼酎・ビール・ウイスキーですものねぇ
あまりややこしいものは飲まなくなりました…
でもカクテルはあまーいジュースのようなものから
キリッとしたものまで本当に千差万別で
いろいろ飲み始めると奥が深くて楽しいですよね。
簡単なものだとある程度の材料と道具があれば
家で作ってそこそこ美味しくいただくこともできますが
やっぱりカクテルはちゃんとしたバーで
手慣れたバーテンダーさんに作ってもらうのが最高です。
お店の雰囲気とかも合わせて存分に楽しみたいものです。
…なんてことを考えてたら…ヒサビサにふらっとショットバーにでも
行ってみたくなりますね…
そういえばトム・クルーズの「カクテル」にもハマったなぁ…
世代ですね(笑
トム・クルーズといえば…今日は「トップガンの日」でもあるそうです。

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
「ME」が発売される1ヶ月前に「MX」が発売され
「ペンタックスMシリーズ」がスタートするわけですが
「MX」よりも「ME」のほうが
「Mシリーズ」の核をなすカメラです。
シリーズのコンセプトでもある
「小型軽量化」、「電子化による自動化」、「システム拡張性」に
忠実に沿った機種でもあります。
機能的には「絞り優先オート」専用のエントリークラスのカメラですが
「ME」登場以降の「Mシリーズ」のカメラは
全てこの「ME」を基本として成り立っています。
後に1/2000シャッターやマニュアル露出にも対応した
「MEスーパー」も「ME」をベースとして発売されます。
反対によりより販売競争が激化するエントリークラスに
競争力を高めよりシンプルなものとした「MV1」も発売され
なかなかのヒット作になっています。
これも設計のベースはこの「ME」です。
シリーズの中核となるカメラだけあって
かなりよくできたカメラだと思います。
電子制御機ではありますが内部は整然とまとまっており
整備性も良好なカメラです。
ただしコストの面でいろいろ制約もあったのだと思われますが
経年劣化で明らかに問題となる箇所もあったりするので
登場から50年近く経過した現在では
それなりにメンテナンスの必要なカメラだとも言えます。

MEといえばミラー駆動部のゴムブッシュ溶解による
固着が代表的なトラブルですが
今回、お預かりしている「ME」はそこに関しては対策済みの個体で
ミラーの動きは非常に快調です。
ただシャッターには積年の汚れ等で動きに少し問題があるようです。
加えて電池が入ったままになっていた時期がかなり長かったとみられ
電池室に緑青が見られ電池室裏の端子のハンダは完全に劣化して
配線は断線しています。リード線自体も腐食して通電しない状態です。
当然ながら露出計及び電気回路に電源は入らず
機械的にシャッターは切れるものの全く制御されない状態です。
電源入らなくてもとりあえずシャッターがちゃんと切れるところは
このカメラの良いところではありますが
未制御のみとなれば実質撮影には使えません。

先程も書きましたが電子制御機としては
整備性はかなり良好で比較的かゆいところにも手が届く設計です。
シャッターはセイコー製の縦走り金属羽根ユニットシャッターです。
電子基板も差し込み式となっており非常によく考えられています。
ただし、電池室の腐食が酷いとこの基盤の差込口まで
腐食している場合がありそうなってくると
修理のハードルがかなり上がってしまうのですが
今回は腐食もそこまでは広がっておらず少し安心です。
それでも配線を伝って基盤の一部に腐食が広がってはいるので
入念に清掃してしっかり導通を確認しながら整備を行っていきます。

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