ニコンEMのカメラ修理

今日は「ボウリングの日」だそうですよ。
楽しいですよねぇ~
子供の頃にはじいさんに頻繁に連れて行ってもらいましたし
高校生くらいから20代まではかなりハマって
せっせとボウリング場に通いましたが
もう10年以上はやってないなぁ…
まぁ今の私の身体ではあの重いボールを持っただけで
バランスを失って倒れそうですが…(苦笑)
私が生まれてすぐくらいが空前のボウリングブームで
生まれ育ったあの小さな町にさえ(広島県呉市)
私が覚えているだけでも
6ヶ所のボウリング場があってどこも盛況でした。
じいさんが当時めちゃくちゃ上手くって
アマチュアの大会に出ては優勝争いをしていました…(笑
家にたくさんトロフィーがありましたねぇ…
じいさんが晩年…80歳になったかの頃…
「もう1回投げてみたいのー」なんて言ってるので
何回かその頃にも一緒にボウリングにいきました。
さすがに1ゲーム投げるのが精いっぱいで
「あとは二人分全部投げてくれー」なんて調子でしたが…
それもいい思い出です。写真撮っておけばよかったなぁ…

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売の絞り優先オート露出専用機です。
当時は各メーカー「絞り優先オート専用」の
エントリーモデルの一眼レフをラインナップしていて
価格も物品税の関係もあり押し並べて「4万円」で
熾烈なシェア争いを繰り広げていました。
ニコンとしては初のエントリークラスへの参戦で
前年に先行して海外発売し
その売り上げも上々だったので満を持しての国内デビューでした。
ただ…意外と国内での販売は苦戦だったようです。
それまでのニコンのラインアップはトップにF一桁機
その下に「FM/FE」というシンプルなもので
中級機以上の一眼レフしかない状況で
コストの関係もありプラスチックを多用し
機能もシンプルな「EM」は「ニコンらしくない」ということで
なかなか市場に受け入れられなかったようです。
今見ると電子制御の絞り優先オート専用機ながら
電池がなくても常に動く1/90機械制御シャッターを装備していたり
「B」も電池不要で長時間露光に使えたりと
非常にニコンらしい部分がいろいろと垣間見えるのですが
なかなか当時はそのあたりが上手く伝わらなかったようです。
ジウジアーロデザインでデザイン的にも全く安っぽさがなく
非常に良いカメラだと思います。

お預かりしている「EM」はご依頼者様が
長らく愛用されている個体とのことです。
大きなトラブルはないのですが
最近、落としてしまったようでそれ以来
なかなかレリーズできないことが頻繁にあるようです。
分解前にざっくり見た感じでは落下の悪影響は特になさそうで
レリーズの不調は落下のせいというより
経年劣化や汚れもあって
レリーズSW周りの接触不良ではないかと思われます。
外装にも大きなダメージはないようです。
ただレリーズも含めてオート制御も少々不安定なようなので
内部モルトの交換等も含みリフレッシュが必要だとは思います。

これから一通りの分解整備を行い
各部の調整も入念い行っていきます。
装着されているレンズは同時発売された
「EM」用の「シリーズE」レンズではなく
Ai-Sニッコールの50mmF1.8レンズです。
いわゆるパンケーキレンズで
非常に薄くコンパクトでEMにもぴったりです。
現在でも非常に人気の高いレンズです。
ただこのレンズ、ニッコールレンズにしてはめずらしく
絞り羽根への油滲みや粘りが非常に多いレンズです。
今回のレンズも大きな動作不良まではないものの
絞り羽根に油がねっとりと滲んでいます。
今は若干粘っている程度ですが
放置しておくとそのうち羽根が動かなくなると思います。
今回、レンズ側の分解清掃を行い
絞り羽根の洗浄清掃を行います。

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