今日は7月1日でたくさんの記念日が制定されています。
そんな中から毎年ついついこれを取り上げてしまうのですが
「ウォークマンの日」ですね。
1979(昭和54)年のこの日に
ソニーが携帯式ヘッドホンステレオ「ウォークマン」の第1号機
「TPS-L2」を発売したことが由来となっています。
そしてこれも毎年書きますが
私がこの少し後に持っていたのは「ウォークマン」ではなく
「東芝ウォーキー(Walky)」でした。
チューナーパックをカセットのようにセットすることで
ラジオも聴ける優れもので鮮やかな真っ赤なモデルを持っていました。
当時中学生でしたがどこに行くにもお気に入りのカセットと
一緒に持って出かけていましたねぇ~
さすがに現在はカセットを外で聴きたいとまでは思いませんが
当時のカセットもまだ何とか伸びずに保管で来てますし
自宅にはそれなりのカセットデッキがオーディオシステムに組み込まれているので
たまにテープも聴いています。当時の汚い手書きのインデックス見るたびに
少し懐かしい気持ちになれますね。
ところでこれはウォークマンもウォーキーも同じパターンだと思うのですが
当時の純正で付いてくるヘッドフォン
伸び縮みする部分に髪の毛が挟まって困ったことがある人は
当時たくさんいたのではないかと…(笑
さてさて
本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
最初の「ニコマートFT」の登場から2年後の1967年に
発売されたカメラです。
このモデルから開放F値補正操作(いわゆるガチャガチャ)が
採用されレンズ交換時に絞り環を1往復させるだけで
開放F値をカメラボディ側に伝達できるようになっています。
非Aiカニ爪連動のボディを使っている方にはお馴染みですが
この機構がないとレンズ交換のたびに
装着レンズの開放F値をボディ側にセットしてやらないと
正しく開放測光を行うことができません。
開放F値の伝達が正しく行われているかどうかは
ガチャガチャ後にマウント脇の設定表示で確認することができます。
動作不良を起こしていてガチャガチャを行っても
うまくF値が伝達できない個体もたまにあるので要チェックです。
慣れてくると作動音だけでも正しく動いているかどうかもわかります。
他にも中央重点測光が採用されていたり
ファインダー内にSS表示が追加されたりと使い勝手は向上しています。
反対にシャッターユニットや巻上機構等に変更はなく
機械的な基本設計はFTをそのまま受け継いでいます。
ニコマートFT系の中では最も販売台数の多いモデルだと思われます。
基本的に非常に丈夫なカメラで長年放置されていても
シャッターだけは普通に切れるという個体も多いカメラです。
お預かりしているFTNもシャッターは何とか全速切れますが
ちょっと動きに重苦しさを感じます。
シャッターそのものも汚れ等で精度が出ていないのですが
それ以上にミラー駆動に問題があり
レリーズしても明らかにミラーの上がる動きが遅い状態です。
ミラーが上がりきらないと当然シャッターは切れないので
ミラーの動きが遅いと明らかにシャッターレスポンスが悪くなり
「ここだ!」と思ってシャッターを切っても
実際にシャッターが切れるのはおもったより
随分遅くなってしまうような状況です。
これをそのまま放置しているとミラーが動き間はそれでもまだ良いのですが
いずれはみらーが動かなくなってしまい
連動してシャッターも切れなくなってしまいます。
加えて電池室の中には当時の水銀電池が入ったままになっていて
電池室の蓋も固着してしまっています。
少し時間かけて何とか蓋を開けると
中からは真っ黒に腐食した電池がコロンと出てきました。
電池室の中も緑青で覆われているような状態です。
当然ながら裏の端子や配線にもダメージがあり
電源は露出計に全く供給されない状態です。
画像は取り掛かり始めのモノですが
これにも緑青がしっかり写っています。
電池室は緑青を取り除き磨き上げて
配線を交換した上で露出計のチェックを行っていきます。
もちろん分解を進めてシャッターユニットや
ミラー駆動部、巻上機構、機械的な部分も
一通りの清掃整備を行っていきます。
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