ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「国際熱帯デー」だそうですよ。
低緯度の1年中温暖な地域のことですね。
温暖…といえば何だか過ごしやすそうですが
非常に暑い地域のことです。
緯度による定義では赤道を中心に
北回帰線から南回帰線までの間を指します。
上昇気流により低気圧が発生しやすく
豊富な雨量により熱帯雨林を形成する地域や
雨季と乾季が明確でサバナと呼ばれる草原が分布する地域もあります。
イメージ的にはジャングルに覆われていて
とんでもない生き物が多く生息する怖い地域って感じがします(笑
アジアで言えば台湾南部からインドネシアですね。
暑いのは昔から苦手なので暑い地域にはあまり行きたくはないですが
ここ10年くらいで昔は比較的平気だった寒さにも
めっぽう弱くなってしまい、暑さ寒さの我儘さに磨きがかかりました(笑
それにしても空調のいらない快適な季節は年々短くなっている気がしますね。
これから梅雨が明けると強烈に暑い季節が来るので憂鬱です。
若い頃だって「夏最高!」と思うのは
海やプールに行く時だけでしたねぇ(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
AP、K、S2、S3と進化してきたアサヒペンタックスシリーズのカメラです。
前モデルのS3で完全自動絞りとなり
マニュアル一眼レフとしてはかなり近代的なモデルとなっていますが
「SV」となってその名の通りセルフタイマーが装備され
(SVの「V」はセルフタイマーを意味する”Voraufwerk”の頭文字)
フィルムカウンターも自動復元式となりました。
露出計の内蔵となるとさらに後のモデルの「SP」まで待たなくてはいけませんが
何十年前の内臓露出計の安定性や使い勝手を考えると
いさぎよく露出計は内臓されないほうが良いとも思えます。
使い心地も良く、M42マウントで交換レンズも豊富で
適度にレトロなデザインも何とも魅力的なカメラだと思います。

ただし「SV」までのアサヒペンタックスシリーズのカメラは
シャッター幕の経年劣化が進んでいるものが非常に多く
それまで未整備で幕交換等が行われていないと
まず間違いなく普通に使えないほどの幕の劣化が起こっています。
今回お預かりしている「SV」も幕の硬化が激しく
シャッターを切ると波打ってゴワゴワな先幕は何とか走行しますが
同様に波打った上にロールした状態でゴワゴワになっている
後幕は全く走行できません。もちろんシャッターは開いたまま
ミラーアップしたままで固着です。
言うまでもないですがこの状態では全く撮影に使えません。

というわけでまずは何はともあれ幕交換からスタートです。
まだ取りかかかったばかりの状態ですが
手前に置いてあるのが取り除いた先幕です。
まだ本体側には後幕が残っていますが
こちらもかなり劣化しているのが画像でもわかるかと思います。
シャッター幕は素材から切り出して新たに作成するのですが
寸法はもちろんのこと貼り付けの位置も正確に行わないと
その後でいくら調整しようとしても
シャッタースピードが確保できない状態になってしまうので
より慎重に行います。
同時に幕軸や巻上、ミラー駆動部の整備を行い
正しくスムーズに動く状態にしたうえで幕速の設定を行い
シャッタスピードの精度を出していきます。

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