オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「潤滑油の日・オイルの日」だそうですよ。
潤滑油の通称「OIL」(オイル)を反転させると
「710」に見えることからだそうです。
油分は大事ですよねぇ
仕事柄、当然その効果もよくわかっているつもりですが
過剰な油分や古くなって劣化してきた油分は
トラブルの元となります。
当店に修理でやってくるカメラの大半は
「破損」で壊れているのではなく
「動作不良」でのトラブルが多いのですが
その多くが油切れ、あるいは油分は残っているものの
劣化した油脂分が原因だったり
油分があってはならない場所に漏れ出しての動作不良だったりします。
スムーズに動作させるにはなくてはならないものですが
やはり何事も「適材適所」で
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」なんですね。
油脂分は人の体にも必要なもので
上質な油脂分をたっぷりと使った料理は美味しいのですが
これも摂りすぎると間違いなくトラブルの元ですね。
まぁ年取ってくると過剰な油分は
身体が受け付けなくもなりますが…(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらず当店では修理依頼の最も多いカメラだと思います。
1台挟んでその後にも今月もう1台「OM-1」がありますね。
修理依頼が多いということは「壊れやすい」という意味ではなくて
それだけ「現在でも使っている」
あるいは「きっちり整備して使いたい」という方が
それだけ多いカメラだと思われます。
今回のOM-1も致命的なトラブルや破損個所があるわけではありません。
使い方をうまく限定すれば何とかごまかしながら
撮影に使うこともできなくはないかと思います。
それでもそれは本来の姿ではないですし
無理を通していれば新たなもっと大きなトラブルを引き起こすと思います。
発売されて50年以上経過する機械ですから
整備も行ってある程度はいたわりながら長く使っていただきたいと思います。

お預かりしている「OM-1」は
やはり長くしまい込まれていたものと思われます。
それでも保管状態は悪くなく一応はシャッターも切れ
心配されるプリズム腐食は今回はありません。
それでもやはり接触不良や配線・ハンダの劣化で
露出計は動かない状態で
シャッターも精度は出ておらず1/1000はほとんど開きません。
スローガバナも粘っていて1秒で数回切っていると
たまに開いたまま固まってしまうような状態です。
モルトはもちろん全滅です。
やはり一通りの整備を行ってリフレッシュさせ
本来の姿・動作を取りもどしていきたいと思います。

まだ取り掛かり始めの状態で現状を確認している段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
「軽量コンパクトな一眼レフ」の代名詞のようなカメラですが
この大きさそして作動音の小ささを実現するために
様々な工夫と独創的な構造をしています。
画像に少し写っていますが
ミラー下にスローガバナは普通ですが
高速側のSS調速機構が入っているのもOM-1ならではですね。
他にもいろいろと個性的な造りがあって
整備性は良好ですが注意する部分の多いカメラで
デリケートな部分も数多く存在します。
シンプルなようで意外と難しいカメラです。

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