今日はこれといった記念日のない日ですねぇ(苦笑)
いろいろ調べていると国内ではないのですが
ハワイでは8/23が「ウクレレの日」だそうです。
あの独特の音色は何とも癒されますよねぇ…
さすがにウクレレは弾いたことはありませんが
何かしらの楽器が弾けるっていうのはいいですよね
私も去年から十数年すっかり離れていた
ギターをまた少し手にするようになったのですが
適度に弾いている分には最高の気分転換です。
まぁ昔に比べたらめちゃくちゃ下手だし
(昔だって対して弾けていたわけではないですが)
完全な自己満足の世界ですが
誰かに聴かせるとかではないから
本人が気持ちよければいいのです(笑
巧さを求めていくとまた莫大な時間と
かなりの精神的ストレスも抱え込むことになるので
適度に楽しみ程度がもういいのだと思います。
そんな感じで緩く楽器と付き合うのも
気持ちよくて趣味としてはいいと思います。
さてさて
本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
「FTb」も依頼の多いカメラですね。
1971年に発売されたキヤノンの中級機です。
フラッグシップであるF-1とほぼ同時期に開発され
内部機構にF-1と共通する部分も多く見られるカメラです。
F-1と同じく新レンズシステムであるFDマウントに対応し
開放測光を実現しています。
内部的にはF-1との共通部もみられますが
F-1も含めて主要な機械駆動部は
従来のFシリーズをより熟成させて進化させたものです。
F-1がフラッグシップらしくデザイン的にも
スタイリッシュな新デザインであるのに対し
FTbは従来のFシリーズのデザインを引き継いだ
当時の一眼レフらしい落ち着いたデザインです。
パッと見には前身のFTとほぼ同じに見えてしまいますが
この時代らしいデザインは何とも親しみが湧いてしまいます。
FTbは登場から2年後の1973年に
マイナーチェンジが行われて
巻上レバー、レリーズボタン周り
セルイフタイマーレバー等のデザインが変更され
ファインダー内に設定SSが表示されるようになりました。
FTbーNと呼ばれることもあります。
今回、お預かりしている個体も「FTbーN」です。
一通りの動作は一応行えるのですが
やはり各部に油切れの兆候が見られ
シャッター音は少し濁った「ギャン」といった感じの音が混じっています。
昨日のAE-1Pの修理でも少し触れましたが
Fシリーズのシャッター音の異音はミラー駆動部等ではなく
シャッター駆動部の油切れが主な原因です。
そしてこの音が出ている場合はほぼ間違いなく
幕速のバランスは崩れている上に不安定です。
今回も全速動作はしていますが
高速シャッターの精度は全く出ていません。
写真の両端でかなり露光差が出てしまうような状態です。
露出計も動作はしますが値は全くダメで
基本的にSWオンにすると明るさに関係なく
指針が上に振り切ってしまうような状態です。
そして定番のプリズム腐食が発生しています。
まだ取り掛かり始めの段階での画像です。
Fシリーズのカメラはプリズム腐食が定番のトラブルですが
その原因のほとんどはプリズム抑えの裏に貼られている
モルトが加水分解を起こしそこから
プリズムの蒸着へ浸食してしまうパターンです。
ファインダー内から見ると縦の線が2本出たり
酷くなると水が上から下へ流れたように見えるようになります。
プリズム抑えとプリズム本体の間には
カバーも設置されているのですが
長い年月の間にそのカバーの切れ目から浸食してしまいます。
上画像でもカバーに劣化したモルトがべったり付いてしまっています。
プリズムは交換で対処し
機械起動部は入念に清掃の上に注油調整を行っていきます。
露出計周りは接点・SW部の清掃の上で調整を行っていきます。
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