ミノルタXEのカメラ修理

今日は「春分の日」ですね。
それは当然なのでここでは触れずに…
他にも記念日がたくさん制定されています。
そんな中に「LPレコードの日」なんてものがありますね。
1951(昭和26)年のこの日に
日本初のLPレコードがレコード会社の日本コロムビア株式会社から
「長時間レコード」の名前で発売されたことに由来しています。
LPレコードは、毎分約33回転(33 1/3rpm)、
標準は直径12インチ(30cm)で収録時間は片面最大約30分です。
それまでの材質がシェラック(樹脂)のSP盤(Standard Play)に対し
素材がポリ塩化ビニールとなったことで
丈夫で薄く軽くなり高密度で長時間の録音が可能になりました。
さすがにSP盤には縁がないですね。
私の時代にはシングル用のEP盤(ドーナツ盤)7インチ45回転
そしてアルバム用LP盤でした。
(当時(70年代後半から80年代)の
昭和歌謡やニューミュージック(死語)での話)
通常のシングル盤が当時700円、LPが2800円でした。
お小遣い貯めては買いあさりましたし
まだそのほとんどが再生可能状態で手元に残っています。
再生環境も復活したのでたまに針を落としています。
やはりレコードで聴くのは当時の思い出もプラスされて
何とも良い気分です。

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年にXシリーズ第一号機である「X-1」が発売されていて
「XE」はそれに次ぐ「Xシリーズ」のカメラとなります。
「Xシリーズ」なので当然ながら電子制御シャッターを搭載します。
「X-1」が布幕横橋りなのに対して
「XE」は金属幕縦走りユニットシャッターです。
このシャッターユニットがライツ、コパルと三社で
共同開発した「コパルライツシャッター」です。
「XE」といえば巻上の滑らかさが有名ですが
それもこのシャッターが搭載されていることが大きく関与しています。
シャッター最高速は1/1000で絞り優先オート露出を装備します。
もちろんマニュアル露出も可能です。
中級機としては少々重くて大柄ですが
巻上だけでなく全体的に使い心地の良いカメラです。

お預かりしている「XE」は
定番のトラブルですが電源をオンにすると
露出計指針がほぼ明るさに関係なく
上に振り切ってしまいます。
巻き戻しクランク下の摺動抵抗の汚れが原因と思われます。
精度は調整が必要ですが
シャッターは一通りは動作しています。
「XE」といえば困った問題なのがプリズム腐食ですが
今回の個体はプリズムに問題はないようです。
…と思ったのですが…ファインダーの見えが少々不自然です。
腐食及びスクリーンのキズ等のチェックのため
まずはレンズをつけていない状態で見ていたのですが
レンズをつけて見直してみると
やはり不自然にぼんやりしています。
通常のプリズムや接眼レンズのクモリとも違う感じです。

ちょっとイヤな予感はしたのですが
とりあえずプリズムを降ろしてみるとやはり…
腐食したプリズムの前面の蒸着や塗装はすべて剥がしてあり
その上でミラーが貼り付けてある状態でした。
そのミラーもおせじにも上質なものではなく
粗悪に曇ったモノなので
明らかにファインダーの見えが不自然だったのですね。
現在は既に「XE」の全く腐食のないプリズムは入手困難です。
そのため当店でもプリズムの交換はお断りしている状況です。
さて困りましたね…プリズムの対処は後で考えるとして
まずは露出計のトラブルを含む
通常整備を先に行っていきます。
画像にも写っていますが通常が金ピカに輝く
摺動抵抗が汚れて茶色にくすんでしまっています。
しっかり磨きをかけて通常に反応するようにした上で
調整を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。