キヤノネットのカメラ修理

今日は「靴の日・靴の記念日」なのだそうですよ。
1870(明治3)年のこの日に
東京・築地入船町に
日本初の西洋靴の工場「伊勢勝造靴場」が開設されたことに
由来しているそうです。
そうか…それまでは草履か足袋ですものね。
ヨーロッパの洋靴「西洋草履」が日本に入って来たのは
幕末だったそうですが
それは日本人の足には合いにくいものだったそうです。
そうなんですよね…靴って単純にサイズがあっていれば
良いものではなくて足の形にしっかり合うものじゃないと
しっかり歩けないんですよね。
少し前まで山を頻繁に歩いていた頃は
登山靴にかなりこだわりました。
靴が原因で足が痛くなると特に下りで歩けなくなるのですよね…
頭やらかして以来、もう本格的な山歩きをすることはないでしょうが
当時使っていた登山靴はたまに履いて歩いています。
街中だとなんだかオーバースペック気味で持て余すのですが…(笑
いずれにしても靴はちょっと良いものでしっかり合うものを
長く使いたいですよね。

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
「キヤノネット」なのですがお預かりしているのは
正確に言うと「Bell&Howell/Canon」銘の「Canonet19」です。
1961年から1976年にかけて提携していた
米Bell&Howell社向けの輸出用モデルです。
機能やスペックは国内初代キヤノネットと全く同じですが
モデル名刻印だけでなく細かい部分のデザインが少しだけ
異なっていてちょっと新鮮な感じです。
初代キヤノネットはその高機能と低価格で
社会現象となるほどの大ヒット作となったカメラです。
キヤノンは時代の節目節目でこういうブレイクスルー的な
大ヒット商品を生み出すメーカーですね。
当時の家庭用カメラとしてほぼ最高の性能を持っていますが
キヤノンの社員たちが自分たちの月給で買えるカメラを望んだことから
18,800円という性能に比して非常に安価なカメラに仕上がっています。
カメラ業界からはダンピングだと批判を受けるほどでした。
でもこの低価格化は生産効率や部品効率を上げて
実現したもので安易な安っぽいコストダウンではありません
実際に中身を見ても非常によくできているカメラで
部品ひとつひとつにはしっかりしたものが使われていて
精度も耐久性もしっかりできているカメラです。

お預かりしている「キヤノネット(Canonet19)」は
シャッター羽根が汚れ等により固着してしまっていて
巻き上げてレリーズしてもシャッターは動きません。
でもレリーズすると再び巻上可能なので
単に羽根が張り付いてしまっているものと思われます。
古いレンズシャッター機では定番のトラブルです。
シャッター羽根がこの状態ということは
絞り羽根もやはり固着してしまっています。
シャッタースピード優先オート機構があって
絞りを制御する機構上、
絞り羽根はシャッター羽根以上に小さな力で駆動します。
ということはシャッター以上に絞りの方が固着しやすい構造です。

でもシャッターや絞り羽根の動作不良は
整備でしっかり直るので問題ないのですが
やはり気になるのはセレン光電池の状態です。
まずは上カバーを開けて
一定の光の強さで正しく露出計が
振れているかどうかを確認します。
結果は今回はセレンは劣化も少なくしっかり起電できているようです。
これだけ振れていれば調整で
しっかりオートの精度も確保できそうです。
何はともあれ安心しました。
現状をある程度、確認できたので
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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