カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

コニカSⅢのカメラ修理

今日は「春一番名付けの日」だそうですよ。
そろそろ春一番お知らせが届いてもいい頃合いですが
まだまだ吹いているのは冷たい北風ですねぇ
特に日没後はかなり冷たい風が毎晩強く吹いています。
春一番と言えば暖かい南風で
なんとなく穏やかなものを想像しますが
由来はそうでもないようです。
もともと「春一番」または「春一」という言葉は
長崎の漁師の間で使用されていたものとする説があるそうです。
1859(安政6)年2月13日、長崎県壱岐郡郷ノ浦町(現:壱岐市)の
漁師が漁に出た際、強風で船が転覆し
53人の死者を出す事故があったそうです。
この事故で「春一番」という言葉は全国に広まったということです。
暖かいのは良いですが強風や暴風だと怖いですね。
何にしても早くもっと春らしい気候になってほしいものです。

さてさて

本日は「コニカSⅢ」のカメラ修理を行っています。
「コニカSシリーズ」はそれまでの
コニカⅠ・Ⅱ・Ⅲと続いたレンズシャッター機の後継となる
カメラですがそれまでのイメージを一新し
直線基調のデザインとなったシリーズです。
最初のモデルとなる「コニカS」が1959年に発売され
今回の「SⅢ」は1963年発売となります。
同年にシャッタースピード優先オートを搭載した
「コニカオートS」が発売されており
多くの部品が共通化されています。
搭載されるレンズはヘキサノン47mmF1.9です。
セレン光電池を使用する内臓露出計が装備されます。
露出計指針は上カバー上に表示されますが
SⅡ・SⅢではファインダー内にも表示されます。
Sシリーズを通して搭載されるシャッターユニットは
コパルSVEです。B・1s~1/500をカバーします。

お預かりしている「SⅢ」は非常にキレイな個体です。
レンズもなかなかクリアな状態で
保管状態が良かったことが伺えます。
心配されるセレン式露出計も
細かい精度はともかくとしても
セレン自体は元気に起電しています。
ただ、レンズシャッター機によくあるトラブルで
シャッター羽根が固着していて
シャッターが全く切れません。
巻上げてレリーズボタンを押してもうんともすんとも言いません。
ただレリーズボタンを押すと巻上ロックは正常に解除され
再び巻上は可能となります。
シャッター羽根に油滲み等があると予想されます。
絞り羽根の動きも少し重いのでこちらも粘りがあると思われます。

まだ取り掛かり始めの段階です。
これからシャッターユニットを降ろして
シャッター羽根及び絞り羽根の分解と洗浄を行っていきます。
「Sシリーズ」となって露出計が内蔵となりましたが
それでもまだボディが少々大柄で余裕もあるので
整備性は非常に良いカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタコードのカメラ修理

今日は「煮干しの日」で「ふんどしの日」ですね…
いや、やはり「バレンタインデー」に
触れないわけにはいかないですか…(笑
この日は世界各地でカップルの愛の誓いの日とされています。
ヨーロッパやアメリカでは男性から女性に花やギフトを贈ったり
大切な友達にカードを贈ったり
夫から妻へアクセサリーを贈ったり
子供同士でキャンデーの交換をしたりすることが習慣になっています。
世界的に見ると日本とは異なり
男性から女性に贈り物をする日として広まっているようですね。
さすがに今の私には縁遠い日ですねぇ(苦笑)
関連する記念日もいろいろ制定されていて
簡単に調べても「チョコレートの日」「ネクタイの日」
「イケメンの日」「恋の神様の日」「日本酒女子会の日」
なんてものが出てきます。
バレンタイン関係なく私は甘いモノ大好きなので
いろいろ品ぞろえも良いでしょうから
あとでスーパーででもチョコレート買ってきて
おやつにしたいと思います。

さてさて

本日は「ミノルタコード」のカメラ修理を行っています。
1953年発売の二眼レフです。
ミノルタの二眼レフと言えば「オートコード」が有名ですが
その前の世代にあたるモデルです。
ミノルタの本流としては「ミノルタフレックスシリーズ」が存在し
「ミノルタコード」は当時の現行モデル
「ミノルタフレックスⅡB」の普及版として発売されました。
ただ、この「ミノルタコード」でその後のミノルタ二眼レフの
大きな特徴ともなる「ハラキリ型」の
ピントレバーが装備されピント合わせが
より迅速に行えるようになりました。
テイクレンズは3群3枚プロマーSⅢ75mmF3.5で
ビューレンズはビュープロマー75mmF3.2です。
シャッターはシチズン搭載のモデルと
セイコーシャラピッドが搭載されたものが併売されていました。
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマットです。
ただセルフコッキングは装備されておらず
シャッターチャージはフィルム巻上とは別途に
チャージレバーでチャージする必要があります。
このタイプは意図しない多重露光に注意が必要です。

お預かりしているミノルタコードは
かなり長い間使われずにしまい込まれていた個体のようです。
外装もかなりボロボロですが
問題なのは各部の動きがかなり重くなっていることです。
シャッターは何とか動作しますがやはり羽根の動きに粘りがあります。
絞り設定レバーも妙に重いので絞り羽根にも粘りがあるようです。
絞り羽根に粘りがある場合は無理に動かし続けていると
羽根を破損させる恐れもあるので早急な清掃整備が必要です。
そしてこのモデルの大きな特徴でもあるボディ下部に設置された
「ハラキリ型」のピントレバーも動きが重いです。
「オートコード」もそうですが
このピントレバーは経年劣化の影響もあって
重い状態で動かしていると比較的折れやすいモノが多いのです。
折れてしまうともはや交換部品はありません。
軽くスムーズな状態で普通に動作させる分には
全く問題ない場合が多いのでここも早急に清掃整備が必要です。
他、ファインダーはやはり汚れ等で非常に見えにくく
スクリーンの清掃はもちろんですがミラーの交換が必要です。
レンズは比較的状態が良いのですが
こちらもできる限りの清掃を行っていきます。

まだ現状の問題点を洗い出しただけの状態です。
これから本格的に分解整備取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

リコーフレックスⅦMのカメラ修理

今日は「苗字制定記念日」だそうですよ。
苗字を名乗ることが義務づけられた日だそうです。
これも当時はなかなか浸透せずに結構大変だったようです。
江戸時代、苗字を使っていたのは貴族と武士だけでしたが
1870(明治3)年9月19日、平民が苗字を名乗ることを許可する
「平民苗字許可令」という太政官布告がまずは出されました。
しかしながら、当時はまだ読み書きが不得手の人が多く
また、当時国民は明治新政府を信用しておらず
苗字を付けたらそれだけ税金を課せられるのではないかと警戒し
なかなか広まらなかったのだそうです。
そこで、1875(明治8)年2月13日、
「平民も必ず姓を称し、不詳のものは新たにつけるように」と
苗字を名乗ることを義務づける「平民苗字必称義務令」という
太政官布告が出されたのだそうです。
それでもなかなか当時は簡単にはいかなかったようです。
ちなみに先述の「平民苗字許可令」が出された9月19日は
「苗字の日」となっています。

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦM」の
カメラ修理を行っています。
1950年代の二眼レフブームの火付け役でもある
リコーフレックスシリーズです。
大ヒットとなったのは1950年発売の「Ⅲ」からで
このモデルから歯車を使った前玉回転式ピント調整となります。
これもオリジナルではなくコダックフレックスに倣ったものですが
リコーフレックスの大きな特徴の一つです。
軽量なプレスボディ、中板を外してのフィルム装填等
いろいろな独自の特徴を備えたカメラです。
生産の合理化の恩恵もあり
なんといっても当時としては破格の
お求めやすい価格で発売され
空前の大ヒットとなったカメラです。
まだまだ当時は高級品だったカメラを
一般に普及させる役割を担ったカメラです。
その後、リコーフレックスは「Ⅳ」「Ⅵ」「Ⅶ」
「ホリディ」「ミリオン」とモデルチェンジを行い
1950年代を駆け抜けていきました。
その間にダイキャストボディの「ダイヤ」
「ニューダイヤ」も発売されています。

今回お預かりしているのは
1956年発売の「ⅦM」です。
歴代のリコーフレックスの中では
生産数も少なくあまり見かけることのないモデルです。
基本的には「Ⅶ」でシャッターユニットが
セイコーシャ製のものに変更されたモデルです。
セイコーシャ製と言っても
当時の最高級シャッター「セイコーシャラピッド」ではなく
簡易的なユニットを搭載されたものです。
(「Ⅶ」には「セイコーシャラピッド」搭載モデルもあります)
シャッター速度はB・1/10・1/25・1/50・1/100・1/300となります。
それ以外の部分は「Ⅶ」の後期モデルと同一です。
現存するリコーフレックスの多くがそうであるように
今回もピントギアが非常に重い状態になっていました。
ガッチリ固着してしまっているよりは全然良いのですが…
他、レンズ・ファインダーにはカビ・クモリで
とても現状ではまともに使えない状態でした。

画像は既に一通りの整備が完了した状態です。
少しシャッター等の動きが落ち着くまで
様子見をしている段階です。
これから最終チェックして問題なければ完成です。
現存するリコーフレックスの大半が未整備で
それではさすがにまともに撮影に使えないものが
ほとんどだと思われます。
しかしながらリコーフレックスは造りがシンプルなこともあり
しっかり整備すれば見違えるほど良い状態になるカメラです。
今回の個体もピントギアは非常に滑らかに動作し
ファインダーもとてもクリアになっています。
ファインダーと言えば…
今回少々びっくりしたことがありました
もともとスクリーンの汚れが酷くてファインダーは
あまり見えない状態だったのですが
開けてみるとスクリーン下のミラーが変えられていて
それがミラーと同じ形状のプラ板に
ミラーシールが貼り付けられたものでした。(苦笑)
そのミラーシールも貼り付けが上手くいっておらず
写る像はぐにゃぐにゃに曲がって写ってしまいます(笑)
これではたとえスクリーンがキレイになっても
ファインダーとしての役目は果たせません。
いずれにしてもミラー劣化を予想していたので
ミラーを交換するつもりだったので
作業上の問題はありませんでしたが…
最近は開けてみて驚くパターンがいろいろ多いですね…

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「ボンカレーの日」だそうですよ。
1968(昭和43)年のこの日に
日本初のレトルト食品である
「ボンカレー」が発売されたことに由来しています。
今年で57年なのですね。
現在のパッケージもだいぶ見慣れてきましたが
やはりボンカレーといえば松山容子さんの
パッケージのイメージがいまだに強いですね…
「ボンカレー(Bon Curry)」の名前の
「ボン」はフランス語の形容詞「bon」
(よい、おいしいの意味)に由来するそうです。
一人暮らしの独身男性でも温めるだけで簡単に食べられることから
「独身男性のカレー」という意味で
「チョンガーカレー」という案もあったそうです。
仮にもし「チョンガーカレー」になっていたら
間違いなく現在まで続く
ロングセラー商品とはなっていなかったでしょうね(笑

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
1967年発売のカメラです。ボンカレー発売の前年ですね。
それまでの「ニコマートFT/FS」の後継機で
ニコマートシリーズでは初めて開放F値補正操作を取り入れ
レンズの絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了します。
いわゆるニコンのガチャガチャです。
それまではレンズ交換の際には装着するレンズの開放F値を
手動でセットしてやらないといけなかったのです。
開放F値をボディ側に伝えてやらないと
TTL内蔵露出計が正しく動作できません。
ニコマートFTNでは加えて測光方式がそれまでの平均測光から
中央部重点測光へと変更が行われています。
さらにファインダー内に設定SSが表示されるようになりました。
使い勝手の面で格段に進歩したというわけですね。
ニコマートシリーズの中では最も生産されたカメラではないかと思います。
現存台数も非常に多く加えて非常に丈夫なカメラでもあるため
現在でもつかわれている方が多いカメラだと思います。
搭載されるコパルシャッターは耐久性安定性共に優れていて
未整備の個体でもシャッターだけは切れる…というものも多いですが
多くの個体はやはり本来の動きをしていないものが多いようです。

お預かりしている「ニコマートFTN」も
おそらく何十年も使われないまま
仕舞い込まれていたものと思われます。
シャッターは何とか切れているものの
シャッターの精度は出ておらず
加えてミラーの動きが明らかに悪く
シャッターが切れるときもミラーの動作はかなりゆっくり目です。
何度かシャッターを切っていると
たまにミラーが動かずそのままシャッターも
切れなくなってしまうこともあります。
露出計も入ったままの酸化銀電池のガスの影響か
端子や配線に腐食が起きてしまっていて
何とか断線直前で繋がってい入るものの
接触不良が起きてしまっています。

まだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
外像もかなり汚れてしまっているので
できる限り磨き上げてキレイに仕上げていきます。
画像には写っていないのですが
装着されていたオート50mmF1.4レンズの
状態がかなり悪く盛大なカビと汚れ曇りで
まともにレンズを通して対象が見えないような状態です。
曇りの完全除去は難しいかもしれませんが
そちらもできる限り清掃を行って
通常使用に問題のない状態に仕上げていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「左利きグッズの日」だそうですよ。
由来は「レ(0)フ(2)ト(10)」と読む語呂合わせからだそうです。
本来は世界的に8月13日が「左利きの日」とされているそうですが
日本ではお盆の時期でイベントが開催しづらいとの理由で
2月10日となったそうです。
私も生粋の左利きで書くのもお箸も左ですが…
左利きグッズって例えば何なのよ?と思ったら
ハサミやカッター、定規、鉛筆削り、扇子、急須、
フライ返し、コルク抜き、スライサー、缶切り、
ギター、草刈り機、マウス、キーボードなどの商品があるそうです。
いや、ここにあがったものほとんどここにあるけど
全て右利き用を左で普通に使ってるな…(笑
あ、ギターだけは右利き用を右利きとして使ってるか…
まぁ小さい頃から周りには右利き用しかなかったし
慣れてしまえば大抵のものが左でそのまま使えますねぇ
今更左利き用を入手しても逆に使いづらいような…
スマホなんかも右利き用にできてますが
もう右手に持つのが慣れましたね…
スマホと言えば自動改札も右利き用にできてますね
意外と無意識に右で慣れてしまっているものも結構ありますね。
左利きの人の割合は世界的に見て約10%なのだそうです。

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のキャノンの中級機です。
前モデルのFTまでは絞り込み測光でしたが
F-1の発売と合わせて開放測光対応のFDレンズが登場し
それに合わせて「Fシリーズ」の主力機種である「FT」も
開放測光対応の「FTb」にモデルチェンジされました。
「F-1」とほぼ同時開発だっただけに
F-1との共通項も多いですが
そもそも「F-1」が機械的な基本構造は「Fシリーズ」の強化版で
主に耐久性と拡張性を格段にグレードアップしているカメラなので
通常の「Fシリーズ」と「F-1」の共通項は元々多いですね。
シャッターや巻上の基本構造もそうですし
コンデンサレンズ裏にCdSを配置する
独特の中央部分測光も共通です。
お得意の「QL」クイックローディングだけは
裏ブタ交換の必要のない通常の「Fシリーズ」のみの装備です。
これがあるとやはりフィルムの争点が簡単で失敗がありません。
その機構もまずトラブルが起こることもありません。
よく考えられたいい機能だと思います。
それでもデータバックの普及等で
裏ブタが取り外しできないといけなくなるので
「Fシリーズ」や「キャノネット」までの機能となってしまいますが…

お預かりしている「FTb」はまずは見かけ上
一通りは動作しています。
ただやはり各部の動きは本来のものとは程遠く
1/1000、1/500の高速シャッターは開いていない状況で
1/250、1/125も開いてはいるものの精度的には問題のある状態です。
低速シャッターはスローガバナの粘りにより
やはり不安定な動きになってしまっています。
巻上等にも油切れの兆候もありますので
やはり全体的な整備が必要な状態です。

そしていつものことですがプリズム抑えのモルトは
ボロボロでかなり分解されてしまっています。
プリズムカバーにも随分付着しています。
その隙間から画像では見えにくいのですが
プリズム表面にも隙間にあたる部分に白いシミができてしまっています。
これが内部まで浸食すると「Fシリーズ」定番の縦に流れたような
プリズム腐食が発生してしまいます。
今回はプリズムの塗装面の影響のみにとどまっていて
鏡蒸着にはまだ影響が出ていません。
あと数年放置していればプリズムもダメになっていたと思われます。
そのあたりの処置も含め
全体的な整備をこれから行っていきます。
ちなみに今回の「FTb」は正確に言うと1973年発売の
マイナーチェンジ版「FTb-N」ですね。
ファインダー内にSS表示がされるようになり
セルフタイマーレバー部やレリーズボタン、巻上レバーのデザインが
変更されたモデルです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は語呂合わせでわかりやすく
「肉の日」ですね。
毎月29日を「肉の日」として
都道府県食肉消費者対策協議会が制定していて
同協議会は2月9日を「肉の日」に制定していないのですが
一般的に2月9日も「肉の日」となっているそうです。
また、全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)では
2月9日と毎月29日を「肉の日」または「お肉の日」として
キャンペーンを実施しているそうです。
「肉」といえばやはり「牛肉」をイメージしてしまいますが
豚や鶏、魚…どのお肉も美味しいですよねぇ
そういえば昨年年末に焼肉行って以来
今年はまだ焼肉屋さんにも行ってないですね…
昔ほど大量に食べることはできなくなりましたが
たまにはがっつり焼肉も味わいたいものです。
で、焼肉にはやっぱり苦みの効いたビールですよねぇ…
なんであんなに合うんでしょうね。
普段は思いっきりビールを流し込むなんて飲み方はしないのに
焼肉だと一気に飲み干したくなってしまいます。
で、後で後悔すると…(苦笑)
食べるのも飲むのもほどほどにしないといけませんね。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
SR-TスーパーやSR505/101を含む
SR-T系のカメラはコンスタントに修理依頼のあるカメラですが
今回は少しヒサビサのような気がします。
「SR-T101」は1966年発売のカメラで
ミノルタ初のTTL測光方式を採用した一眼レフカメラです。
同時にミノルタ初の開放測光対応機種でもあります。
開放測光に対応するためにTTL露出計に絞り値が連動する
MCロッコールレンズ群も発売されています。
使いやすく丈夫なカメラで当時も大ヒット作となりました。
基本設計に優れたカメラで後に登場する
「SRTスーパー」や「SR505/101」も基本的な内部構造は同一です。
「SR-T101」自体も7年に渡って生産されるロングセラー機となりました。
そのおかげもあり現存する個体数も多く
現在でも見かけることの多いカメラです。
シャッターや巻上は基本的に丈夫にできていて
精度云々はともかくとしても
未整備でもシャッターは動作する個体が多いかと思います。
しかしながらさすがに本来の使用感や精度の出ている個体は
当然ながら少なく何らかの整備が必要になってくるカメラでもあります。

お預かりしている「SR-T101」は
ご依頼者さまが新品で手に入れて以来
ずっと頻度はともかくとしても使い続けられている個体です。
50年以上同じものを大切に使い続けるのは
本当にステキなことですね。
元々丈夫なカメラなのでシャッターは動作していますが
さすがに油切れや積年の内部の汚れの影響もあり
高速シャッターの精度は出ていません。
1/1000はほぼ開かないような状態になっています。
幕軸の動作不良が原因と思われますので
幕軸の清掃整備を行った上で調整が必要です。
接点等にも劣化が多少見られ
露出計も少々不安定な動きを見せています。
モルトはさすがに全滅です。
それでもコンディションとしては悪くない状態です。
しっかり整備の上で調整を行えば
当時に近い動きを取り戻せると思います。

まだ取り掛かり始めの状態です。
SR-T系といえばやはり連動糸ですね。
分解時にある程度糸の取り外しや段取りが必要で
ここを知らずに安易に分解すると糸を切ってしまいますが
慣れてしまえば難しいことはありません。
よく考えられた構造で整備性も非常に良好です。
ファインダー周辺を中心に内部モルトも多く使われているので
そのあたりの整備も定期的に必要になってきます。
見られた光景ではありますが
ひとつひとつ慎重に作業を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカC35のカメラ修理

今日は「お風呂の日」だそうですよ。
わかりやすく「ふ(2)ろ(6)」(風呂)と読む語呂合わせからです。
昨日から一段と冷え込みが厳しくなっていますが
お湯を張った湯船にゆっくり浸かるのは
まさに至福のひと時ですよねぇ…
私は5年前の脳梗塞の影響で
右半身に温痛覚麻痺があるので
一時期はお風呂もあまり楽しめなかったのですが
最近はまだ感覚がかなり鈍いとはいえ
以前よりは随分改善したので
昨年あたりから冬場はしっかり湯船に浸かって
楽しむことができています!
すぐ近所に銭湯もあるので
そこにも頻繁に通っています。
大きな湯船に足を延ばしてゆっくり入るのは
本当に癒されます。
遠くの温泉もいいですが気軽にいつでも行ける
近くの銭湯は本当に貴重な存在です。
家風呂は小さな湯船ですが
自宅ならではで好きな入浴剤を存分に楽しむことができて
これもまた癒されるのですよねぇ…
今日もしっかり帰宅したら湯船で温まって
しっかりリフレッシュします!

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」の愛称がつけられ
大ヒットしたカメラです。
「C35」登場以前のレンズ固定型のカメラは
比較的大柄でズッシリしたものが多かったのですが
C35はそれまでのコニカEEマチックの機能を
ハーフサイズカメラのコニカアイのサイズに
詰め込むことを目指して作られたカメラです。
このどこにでも持ち出せるコンパクトさと
プログラムオート露出専用として
簡単に撮影できる気軽さが大ヒットの要因となりました。
「C35」登場以降、他各メーカーからも
それまでのレンズ固定型カメラの小型化に一気に追従し
同様のコンパクトなカメラが数多く発売されます。
小型化の一大ブームを起こしたカメラだと言えると思います。

今回、お預かりしてるのは
1971年発売の「C35フラッシュマチック」です。
1968年発売の初代C35にフラッシュマチック機構を搭載したカメラです。
それ以外はそれまでのC35とほぼ変わりまりません。
搭載されるレンズはヘキサノン38mmF2.8
小さいボディながら距離計もしっかり搭載し
厳密なピント合わせも可能です。
露出は先述したようにプログラムオート専用ですが
「B」も装備されます。
今回の個体は人気のブラックボディで
トラブルの比較的多い露出計には大きな問題はないのですが
定番のシャッター羽根粘りが起きていて
シャッターを切るとゆっくりとしか羽根が動作できない状態です。
レンズシャッター機でよくパターンとしては
羽根に付着した油滲み等が原因となることが多いですが
「C35」の場合は大抵の場合、羽根汚れではなく
シャッター駆動円盤の汚れ等による動作不良が原因です。
今回も円盤部が粘ってゆっくりとしか動かない状態でした。

シャッター駆動部も含めて各駆動部の清掃整備
レンズ、ファインダーの清掃調整を行っていきます。
構造としてはシンプルな指針挟み込み式のオート制御で
整備性も非常に良好です。
初心者の方にはデメリットかもしれませんが
個人的には光量不足、あるいは電圧不足の際の
シャッターロック機構等が付いておらず
たとえ真っ暗でもとりあえず切ろうと思えば
シャッターは切れるところが良いところだと思っています。
ただ電池が切れていてもシャッターは切れてしまうので
常にファインダー内指針をしっかり確認ことが必要です。
ちなみに電池は本来はMR44(H-C)の水銀電池ですが
現在のLR44が同じ大きさ形状なので
そのまま代替電池として使われる方も多いと思います。
ただ電圧が1.3V→1.5Vへと変化するため
露出計の精度には注意が必要です。
もちろん今回も1.5Vで露出計は調整します。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンPのカメラ修理

今日は「笑顔の日」らしいですよ。
「ニ(2)コ(5)ニコ」と読む語呂合わせからだそうです。
なるべく常に笑顔でいたいものですねぇ
笑顔は心と体を元気にします。
その健康効果は医学的にも証明されていて
笑わない人よりも笑う人のほうが
傷の治りが早いというデータもあるそうです。
寄る年波のせいか傷の治りが最近やたら遅いので
笑顔で何とかカバーしなければ…(笑
自分自身のためにも周りの空気を
優しくするためにも笑顔は大切ですね。
とってつけたような作り笑いではなくて
心から笑顔でいられる毎日になるようにがんばります!
ところで今日は「煮たまごの日」でもあるようです。
おでんでもラーメンでも入っている煮たまごは
めちゃくちゃ美味しいですよねぇ…この季節にもぴったりです。
最強寒波到来のようですし今夜はおでんかな…

さてさて

本日は「キヤノンP」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のフォーカルプレーンシャッターの
レンジファインダー機です。
フランス語の「人気のある」という意味の
「Populaire」から命名されたそうです。
ⅥL型をベースに35/50/100mm固定式フレームを
備えた等倍ファインダーを装備します。
部品点数を大幅に減らすことに成功し
比較的お求めやすい価格で発売されたカメラです。
その価格と商品イメージで大ヒットを記録したモデルです。
ベースはⅥL型ですが内部構造もかなり洗練されていて
これ以前のモデルはまだバルナック時代の名残が
結構目立ちますが「P」以降のモデル(7、7s)は
明らかに内部構造が異なり安定性も向上しています。

お預かりしている「P」は
シャッター動きがかなり悪い状態です。
幕軸動作不良が原因で幕速のバランスが大きく崩れていて
1/1000、1/500はシャッター切れても全く開きません。
スローガバナーも粘ってしまっています。
高速シャッター、低速シャッター共に問題有りの状況です。
巻上にも油切れの兆候があり巻き上げるたびに異音がしています。
全体的に駆動部分を洗浄清掃した上で調整が必要な状態です。

もう既に一通りの整備は完了して
少し馴染んで動きが落ち着くのを様子見している状態です。
最終的に微調整を行って
シャッタスピードの精度も出していきます。
巻上はスムーズに行えるようになり
シャッターも快調に動作しています。
ファインダーも汚れて薄曇りの状態でしたが
かなりクリアに改善されています。
「P」はシンプルで非常に使いやすいカメラです。
部品点数の効率化によるコストダウンは進んでいますが
部品の質を落としているわけではないので
質感も非常に高いカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

 

ニコンFのカメラ修理

昨日が「節分」ということで
今日が「立春」ですね。
暦の上では春とはいえ今週は寒波到来で
冷え込む日が続きそうです。
例年は2月3日が「節分」であることが多いことから
今日が「大豆の日」だったりもします。
それから今日は「ジュディ・オングの日」らしいですよ。
アメリカ・ネバダ州が1990(平成2)年に制定しています。
台湾出身の歌手・女優のジュディ・オングさんが
文化の架け橋として活躍したことを記念したものだそうです。
記念日の制定は、1990年にネバダ州ラスベガスにて
ショーを開いたことがきっかけだったそうです。
「魅せられて」の大ヒットの頃(1979年)
布団のシーツやカーテンを手にもって広げて
モノマネしてたなぁ…(笑

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れた名機ですね。
当時としては非常に高価な最高級機でしたが
かなりの台数が発売され現存数もそれなりに多いカメラです。
私のじいさんも長年愛用していましたが
買った際には相当ばあさんと揉めたらしく
家庭崩壊の危機に直面したようです。
(後にばあさんに何度も聞かされた(苦笑))
そんな話はさておき
「F」は非常に丈夫な部品を高い精度で組み上げた
完成度の高いカメラです。
そのため発売から66年が経過しようとしている現在でも
ある程度の整備を施せば当時と同じように動作するカメラです。
整備された個体をじっくりゆっくりと動作させていると
その精度の高さを感じることができるかと思います。

お預かりしている「F」は
ご依頼者様のご自宅でかなり長い間
仕舞い込まれていた個体のようです。
おそらく何十年も動かされず眠っていたものと思われます。
各部の動きはかなり重々しいながらも
とりあえずはシャッターは切れるようです。
ただシャッタスピードの精度は当然出ておらず
スローガバナも固着してしまっています。
加えてミラー駆動部の動きにも粘りが見られ
頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
それでも何かが破損しているという状態ではないので
とにかく各部の動きをスムーズに戻す整備を行うことで
本来の動きとシャッターの精度も出せると思われます。

装着されていたファインダーはアイレベルですが
さすがに多少のプリズム腐食が発生してしまっています。
ただ腐食は大きなものではないのが不幸中の幸いで
実際にはそれほど気になるレベルではありません。
画像には写っていませんがファインダーの内部のモルトは
やはりボロボロに劣化しているので
そのあたりの整備も含めてできる限りの処置を行っていきます。
ボディ側は各部品の洗浄清掃でかなり動きはよくなってきています。
加えて必要最小限の注油を行い
若干の微調整でSS精度もしっかり確保できそうです。
やはりというかさすがですね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「節分」です。
「立春」の前日で、冬の節が終わり、春の節に移るということです。
この時期だけでなく、本来は「立夏」、「立秋」、「立冬」の前日を
それぞれ「節分」というのだそうです。
ただ、太陰暦(太陰太陽暦)では「立春」を年の初めと定めており
「立春」の前日すなわち「大寒」の最後の日にあたる
この「節分」を特に重視しているのだそうです。
季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられていたため
それを追い払う意味で「豆まき」が行われるのだそうです。
「節分」といえば2月3日のイメージですが
今年は「立春」が2月3日のため、節分は2月2日です。
2021年も「節分」は2月2日でした。
その前に「節分」が2月2日だったのは
124年前の1897年2月2日だったそうです。
ところで、節分に関係なく煎りたての大豆は美味しいですよねぇ
子供の頃にはばあさんがよく豆を煎ってくれて
熱々の豆をおやつ代わりに食べていたものです。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
「ペンFシリーズ」は世界的にも珍しい
ハーフ判の一眼レフカメラです。
ハーフ判の利点を最大限に活かすため
通常の35mm判の一眼レフとは全く異なる構造を採用し
ロータリーシャッター、他で同様のものを見ないファインダー光路等々
機械構造的にも見どころ満載のカメラです。
その特異な構造でデザインも独特のモノとなり
いわゆるペンタプリズム部の出っ張りをもたない
フラットな上カバー面に巻き戻し側に大きくオフセットした
レンズマウント、前面に配置されたシャッターダイヤル等
こちらも特徴的で魅力満載のカメラです。

最初に巻上ダブルストロークの「ペンF」が登場し
その後3年後の1966年に登場したのが今回の「ペンFT」です。
CdS使用の露出計を内蔵とセルフタイマーが追加されて
巻上はシングルストロークとなっています。
その巻上ですが巻上角が非常に大きく
ストラップに引っかけてしまうことも多いので
ストラップ使用時には少々注意も必要です。

お預かりの「ペンFT」は巻上がロックした状態で
お預かりしました。よくあるパターンとしては
ミラーアップしたまま固着してしまっているというパターンですが
今回はミラー云々ではなくレリーズとシャッターとの
連動に問題があるようです。
巻上ロック自体はとりあえずは分解整備時に解除できたのですが
それも含めて今回はなかなか一筋縄ではいかない状況でした。

一通りの修理整備は既に完了していて
テストを行っている段階です。
まずシャッターユニットは相当弄られていて
ロータリーシャッター回転軸にある
逆回転防止の爪が破損していて既に使い物にならない状態でした。
その他にもかなり強引に分解された形跡があり
シャッターユニットは中古良品と交換で対処しました。
ミラーボックスは調整で何とかなりましたが
ミラー角度が大きく狂っていてこちらも調整が大変でした。
ペンFTではCdSに光を送るため第三反射面に
ハーフミラーを使用していてここの劣化が
問題になることが多いのですが
これも今回の個体でははハーフミラーの蒸着を剥がしたうえで
ハーフミラーシールを貼ったようなものが使われていました
ここも中古良品と交換です。
加えて露出計の配線もでたらめでそのために露出計は不動の状態でした。
現在は露出計も普通に動作しています。

「ペンFT」は状態の悪い分解品が多いような気がします。
正しい姿に戻すためにかなり時間と部品と手間がかかりました。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。