カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

コニカC35のカメラ修理

今日は「3.14」ということで
「円周率の日」だそうです。
関連して「数学の日」や
円周率=「π」(パイ)なので
「パイの日」なんかも制定されています。
「パイ」といえば私の出身地呉に
「エーデルワイス」という洋菓子屋さんがあって
そこの「クリームパイ」が昔から大人気で
むちゃくちゃ美味しいのですよ。
私が近年、いつも呉を訪れたときに利用する
ホテルのすぐ近くに店舗があって
いつも通るたびに「クリームパイ」食べたいなぁ…と思うのですが
大行列だったり既に売り切れだったりで
なかなか手に入らないのです。
昔は焼山店とかでふらっと気軽に買えたのですけどねぇ…
今度、呉に帰った時は(GW)
なんとしても口にしたいと思います!

さてさて

今日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
先日も「C35」の修理を行ったばかりですね。
現在も非常に人気のカメラなので
やはり修理依頼も多いです。
今回の「C35」は1971年に発売された
「E&L」というモデルです。
同じ年に発売された「C35」としては2代目にあたり
「フラッシュマチック」をベースとして
距離計を省略しピントは目測式に変更
セルフタイマーと「B(バルブ)」も省略されています。
フラッシュ撮影時も専用フラッシュによる距離固定方式となっています。
通常の「C35」よりもさらに操作を簡略にし
誰にでも扱いやすくシンプルになった普及機です。
搭載されるレンズやシャッターに変更はなく
露出も通常モデルと同じく露出計連動のプログラムオートです。
ファインダー内には距離計二重像がなくなった代わりに
ピントリングの設定を直読できる小窓が右隅に追加されていて
設定されているピントもファインダーから確認可能です。
さらに簡単に使えてアウトプットされる写真は
通常モデルと同様のモノが得られるというモデルになります。

お預かりしている「C35E&L」は
電池を入れても露出計が全く動きません。
「C35」は余計なシャッターロック等が付いていないので
この状態でもシャッターを切ることはできますが
常にF2.8開放1/30シャッターとなってしまいます。
薄暗いところなら写りそうですが
明るい屋外等だと写真は全て真っ白になってしまいます。
電池の入れっぱなし等で電池室が腐食してるパターンが多いのですが
電池室をチェックするとマイナス側プラス側の端子は
一見腐食もなくキレイです。
それではと電池室を外して裏側をチェックしてみると
プラス側の配線が断線してしまっています。
ハンダを見てみるとやはり腐食してしまっています。
加えてその配線の中身も真っ黒に腐食していて
少し強めに引っ張るとプチプチと切れてしまうような状態です。
プラス側の配線はメーター脇の端子に接続されるのですが
その端子も緑青に覆われていて腐食しています。
端子の修復と配線の交換が必要な状態です。

前回も書きましたが小さなスペースに
コンパクトにまとめられてはいますが
機能がシンプルなこともあり
整備性は非常に良好なカメラです。
露出計関連はもちろんですが
シャッターや巻上の整備を行った上で
露出計やオートの精度を調整していきます。

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ミノルタSR505のカメラ修理

今日は「サンドイッチデー」だそうです。
日付は1が3で挟まれている(サンド1=サンドイッチ)ことからだそうです。
最近はパンを口にする機会自体が減ってはいますが
サンドイッチは美味しいですよねぇ
まぁ食べても出先でコンビニのサンドイッチを食べるくらいですが…
そういえばいつもコンビニで見かけて
少し気になる「フルーツサンド」
実は私食べたことないのですよね
以前までは「甘いサンドイッチなんて…」と思っていたのですが
甘い菓子パン大好きだし
ランチパックの「ピーナッツ」とか普通に美味しいし
きっとフルーツサンドも美味しいだろうし
美味しいからあんなに売ってるんでしょ…と思うようになり
見かけると気にはなのですが
いまだに手に取ったことはないのです(笑
今度こそは見かけたら買ってみます!

さてさて

本日は「ミノルタSR505」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラです。
「SR-Tスーパー」の後継機で
同じタイミングで「SR-T101」の後継である「SR101」も発売され
この2機種がSRシリーズの最後のカメラ
つまりはミノルタの機械制御フォーカルプレーンシャッター機の
最後のカメラとなってしまいます。
これ以降は電子制御シャッターの「Xシリーズ」へと移行します。
内部の基本構造はヒット作でロングセラー機でもある
「SR-T101」の設計を引き継いでいて主に使い勝手の点で
細かい改良を行いながら「SR505/101」まで製造が続けられました。
長い期間、安定した販売を達成してきたカメラだけあって
非常に使いやすく丈夫なカメラです。
「SR-T101」や「SRーTスーパー」を含む
「SR-T系列」のカメラはコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
基本構造がしっかりしているのでシャッターは動作しているカメラが多いのですが
やはり積年の汚れや古い油脂等の影響もあって
精度が出ていなかったり本来のスムーズさがない個体が多いです。
でも元がしっかりしているカメラなので
全体的にリフレッシュしてあげるとまだまだ本来の動きを
取り戻すカメラでもあります。

お預かりの「SR505」は比較的良い状態です。
シャッターや巻上はさすがに油切れの兆候があるものの
とりあえずは一通り動作していて
露出計も精度はともかくとしても動作はしています。
外観も若干の凹み等がありますが
それほど悪くない状態です。
ただファインダーの中はモルト屑だらけです。
ミラーの受け部やフィルム室のモルトは比較的近年に
交換した形跡がありそれは問題ないのですが
「SR-T系」はファイダー枠の周りにもモルトが貼られていて
そこが劣化して屑がファインダー内に入り込みます。
ここのモルト交換はある程度文化磯をしないと交換ができません。
そこまでは手を入れられてはいないようです。

とりあえずファインダー枠を降ろした状態での画像です。
ここから枠も分解して清掃を行い遮光材を張り替えます。
そしてボディ側は分解を進めて幕軸やミラー駆動部
巻上機構部等、駆動部分の整備を行っていきます。
「SR-T系」の分解整備言えば連動糸の処理がポイントですが
正しい手順を知っていて慣れてしまえば
難しいものではありません。
それどころか整備性は非常に良好なカメラです。
やはりこの時代のカメラは分解を整備を行うことも
考えられて造られていますね。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「サイフの日」らしいですよ。
買い換え需要の多い時期である3月に
サイフ売り場の活性化を図ることが目的で
日付には「サ(3)イ(1)フ(2)」と読む
語呂合わせの意味もあるそうです。
そっか…何かと年度替わりで環境が変わるから
サイフを一新する季節なのですね。
毎日必ず手にするものですから
使い心地の良いものがいいですよね。
私は高級ブランドの財布等には
もう今は興味ありませんが
会社員時代はいろいろ気を使って選んでいた記憶がありますねぇ…
ちなみに今使っているのは中学校の頃に
憧れて欲しかったけど買えなかった
某ブランドの革財布を使っています。
中学生の頃に欲しかったようなブランドなので
高いモノではないのですが満足感はなかなかです、
そして意外と質感や使い心地が良くてかなり気に入っています。
でも淡い色のモノを選んでしまったので
結構汚れが目立つ…まぁこれも風合いか…
サイフに限らずお気に入りのモノを使い込むのは
やはり気持ち良いですね。

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」の愛称で大ヒットしたカメラです。
その愛称通りに旅行等に持っていくにも
非常に便利なコンパクトなカメラです。
露出もプログラムオート専用で
カメラの知識がさほどなくても簡単に撮れるようになっています。
それでもしっかり距離計は搭載していて
ピント合わせはキチンと合わせることができるところが良いですね。
搭載されるレンズはヘキサノン38mmF2.8で
暗所や光量不足を考慮した大口径ではなく
あくまでもコンパクトさを優先したレンズです。
設計に無理のないレンズなので非常に良い写りをします。
露出は先述したようにプログラムオート専用で
CdS使用の露出計に連動します。
シンプルにシャッターロック等も省略されているので
電池がなくても光量不足でもシャッターは切れます。
個人的にはフィルムの性能に頼って無理やりにでも
切りたい場面等でも切ることができるので
余計なシャッターロックはないほうが好みです。
でも写真の知識がないと電池切れや光量不足に気づかずに
真っ暗だったり真っ白な写真を量産する可能性もあるので
ここは一長一短かもしれません。
いずれにしても使いやすくて非常に良いカメラです。
このカメラの大ヒットに触発されて
各メーカーのレンズ一体型カメラの小型化が一気に進みました。

お預かりしている「C35」はよくある電池室の腐食等はなく
露出計も精度はともかくとしても動作はしています。
シャッターは最初は正常に動作しているかと思ったのですが
若干の粘りがあるようで動作が不安定です。
一番問題なのはファインダーで
距離計二重像が全く見えません。
加えて何かファインダー内に部品が転がっているようで
ファインダーの視野を隠してしまっています。
詳しくは開けてみないとわからない状況です。

ファインダーの中は二重像を反射するミラーと
ブライトフレームを反射するミラー、両方共が
外れてファインダー内に転がっている状況でした。
再接着することもそうですが
その後の調整にも細かい作業が必要です。
それ以外の部分も一通りの整備を行っていきます。
コンスタントに整備を行っているカメラなので
内部の詳細はわかっていますが
非常に整備性の良いカメラです。
コンパクトにまとめられてはいますが
機能もシンプルなので内部には意外と余裕がありますね。

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キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は「レコード針の日」だそうですよ。
ただ調べても由来や制定団体等はわからないのですよね…
レコード針と聞いてそれがどんなものか
すぐにイメージできる方もやはりもう少ないのでしょうねぇ…
実家に幼い頃から大きな当時流行りの家具調ステレオがあって
それのレコードプレーヤーで童謡のレコードから
昭和歌謡、洋楽、ハードロック等々、多感な時期に
散々お世話になりました。
スタイラスクリーナーで針先をキレイにして
レコードの盤面をクリーナーで拭きあげて
レコードに針を落とす…毎度ワクワクする瞬間ですよねぇ…
大人になってからそれをもう一度味わいたくなって
実家に眠らせていた大量のレコードを持ってきて
新たにレコードプレーヤーも手に入れて
今でも頻繁にレコードを聴いています。
昔よく聴いていた音楽は記憶呼び起こすトリガーにもなり
何とも懐かしい気持ちに浸れます。
レコード針の寿命は種類にもよりますが
おおまかに150時間~200時間ほどです。
私のレコードプレーヤーももう少ししたらまった交換時期です。
単に針を交換するだけでなくカートリッジまで含めて
交換を考え出すとこれまたいろいろ楽しく悩めます(笑

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
初代のキャノネットは1961年に発売され
社会現象ともなる大ヒットを記録したカメラです。
その後、モデルチェンジを重ねて小型化も進みましたが
どのモデルもコンスタントにヒット商品となっています。
「G-Ⅲ」はそんなキヤノネットシリーズの最終モデルとなるカメラです。
初代の少し大柄なボディに比べると随分小型化されましたが
相変わらずの大口径レンズを搭載し
(QL17は40mmF1.7、QL19は40mmF1.9)
内臓露出計と機械的に連動した
シャッタースピード優先オート露出を装備
搭載されるシャッターユニットはコパル製で
1/500までカバーし、マニュアル露出も可能
マニュアル露出時には露出計がオフになるところまで
初代からG-Ⅲまで共通した造りになっています。
基本的なスペックはほぼそのままに
使いやすさをひたすらブラッシュアップしてきたようなシリーズです。
最終モデルの「G-Ⅲ」は現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「G-Ⅲ」は
おそらくかなり長い間使われずに眠っていたものと思われます。
シャッターはほぼ問題なく切れているようです。
ただし、電池室には当時の水銀電池が入ったままになっており
電池室を開けると真っ黒に腐食した電池が
ゴロンと出てきました。
当然ながら電池室の端子は両極とも腐食で
全く導通しないような状態です。
当然、露出計は不動です。
この状態だと配線や内部まで緑青が拡がっているものと思われます。
この類のカメラはコストの関係もあり
裏蓋に大量のモルトを使っていることが多いですが
New以降のキャノネットも同様です。
もちろんモルトはボロボロでフィルム室は粉状のモルト屑だらけです。
レンズにもかなりのカビが見受けられファインダーも曇っています。
全体的に入念な清掃整備が必要な状況です。

画像はまだ取り掛かり始めの状態で
ここから本格的に分解整備に取り掛かります。
電池室から伸びたマイナス側の配線は
前板裏側の端子で一度中継されるのですが
ここも緑青で覆われていて接触不良となっている状態です。
電池室に関わる配線及びハンダは全てやり直します。
機械的な駆動部分は大きなトラブルはなさそうですが
積年の汚れや古い油脂は全て除去して清掃整備を行っていきます。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「さかなの日」だそうですよ。
「さ(3)かな(7)」と読む語呂合わせだそうです。
和食の中心となる食材の魚介類をもっとたくさん食べてもらい
魚介類を身近に感じてもらうことが目的だそうです。
私、子供の頃は魚料理、煮魚や焼き魚が苦手だったんですよねぇ…
やはり骨を取ったり除けたりするのが面倒だったのと
うっかり骨を飲みこんでしまったこともあって
それですっかり嫌いになったんですよねぇ…
それも大人になって骨を除けるのが
たいしたことではなくなってきたことと
何といってもお酒を飲むようになってから
焼き魚や煮魚が日本酒のお供に最高だと気付いてからは
魚料理全般が大好きになりました。
特に焼き魚の皮目の香ばしさや
身のほくほく感はたまらないですよねぇ…
お酒だけではなく白飯にも文句ナシに合いますものね!
家で焼くのはなかなか大変ではありますが
出来合いで温めるだけの焼き魚ではなく
たまには焼きたての魚も自宅で楽しみます!
でも一番いいのはちゃんとしたお店で食べる焼き魚ですかね
やはりプロが出す焼き魚は違いますよ
まぁなかなかそれは機会が少ないですが
たまにはちゃんとしたものを口にしたいものです(笑

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1960年代~70年代にかけて展開された
「キヤノンFシリーズ」を代表する中級機です。
同じ時期にキヤノン初のプロ仕様機「F-1」が開発され
並行して「FTb」も開発されたということもあり
「F-1」との共通点も多く見られます。
…というより本来、基本設計に優れた「Fシリーズ系」を
さらにブラッシュアップして耐久性、システム性に
優れたカメラにしたのが「F-1」だと個人的には思っています。
「F-1」や「FTb」の発売に合わせて開放測光に対応するため
レンズシステムもFLレンズ群からFDレンズ群へと
モデルチェンジされました。マウントは共通ですが
ボディへの絞り伝達機構が追加されました。
少し話がそれますが
FDレンズ群は来たるAE化も踏まえてボディ側からも
絞りをコントロールできる機構も追加されています。

お預かりしているFTbは一通り動作はしているのですが
全体的に動きが重い状態です。
巻上もかなり重苦しい感じがします。
シャッターも精度は出ておらず
特に高速シャッターでは測定するたびに
値が不安定な状況です。
駆動部全体的に汚れがたまっていたり
油切れだったりで本来の軽やかな動きができない状態です。
そして定番のプリズム腐食です。
「Fシリーズ」のパターンである
ファインダー内に流れたような線が縦方向に2本見える状態です。
原因はプリズム抑えに貼られている緩衝材に
加水分解が起こりそれがプリズムカバーの隙間から
プリズムの塗装・蒸着に浸食してしまうことです。
やはり定期的に分解整備を行って消耗品を交換しないと
このような状態に陥ってしまいます。

プリズムカバーにはべったりと緩衝材が付着し
プリズムの腐食も画像に写っています。
当店では再蒸着等は行っていないので
プリズムは交換で対応いたします。
FTbに関してはまだ腐食のないキレイなプリズムが
確保できる状況です。
プリズムの交換は後で行いますが
まずはここから分解を進めて
各駆動部の清掃整備から取り掛かります。

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リコーXR500のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「啓蟄」ですね。
大地が温まり、冬眠をしていた地中の虫が
春の陽気に誘われて穴から出てくる頃で
「啓蟄」とされています。
「啓蟄」の「啓」には「ひらく、開放する」の意味があり
「蟄」には「虫が土の中に隠れる、閉じこもる」の意味があるそうです。
都内は寒の戻りで春の陽気どころか
昨日あたりは真冬に戻ったかのような寒さでしたが
また今日から少しずつ暖かくなりそうです。
「啓蟄」の次の節気は「春分」なのですね。
いよいよ長かった冬も終わりですね!

さてさて

本日は「リコーXR500」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
その前年に発売された「XR-1」のの機能を限定したモデルです。
低価格50mmF2レンズとケース込みで39800円を実現し
「サンキュッパ」をセールストークとして
テレビCFを流し大きな話題となったカメラです。
縦走り機械制御シャッターを搭載し
追針式連動露出計を搭載するシンプルなカメラです。
「XR-1」との差別化もありシャッタースピードの最高速は
1/500に抑えられています。
…とはいえ普通の感度のフィルムで普通に撮影する分には
最高速1/500でも全く問題はないかと思います。
外装の質感等は確かに値段なりの部分はありますが
反対に「普通の環境で普通に写真を撮る目的なら
これで充分だよ」という潔さも感じられます。
確かにガンガン使い倒す目的であれば
これほど使いやすくてわかりやすいカメラもないと思います。
個人的にも非常に好きなカメラです。

お預かりしている「XR500」は近年はあまり使われてはないようですが
一通り動作は行えます。
ただフィルム室やファインダー周りのモルトの劣化が進んでいて
光線漏れの心配もありますし
ファインダー内もモルト屑がたくさん入り込んでいます。
測定器を使ってチェックしてみると
ネガフィルムでの撮影には大きな問題はないでしょうが
高速シャッターでの精度が不安定なことと
露出計の精度が多少ズレています。
シャッター羽根や接点の汚れが原因と思われます。
安心して気持ちよく使うためには
やはり全体的なリフレッシュが必要です。

機能的にはシンプルで使いやすいカメラですが
内部構造…特にファインダー周りや露出計連動は
なかなか変わった構造をしていて
単純にファインダー清掃を行うだけでも
意外と手間のかかるカメラです。
シャッター自体はユニットシャッターで
整備性は良いのですが…
「XR500」の整備は少し久しぶりだったので
間違いのないように資料を引っ張り出して
確認しながら慎重に分解を進めていきます。
画像にはありませんが当時組み合わされていた
リケノン50mmF2も一緒にお預かりしていて
こちらにもかなり目立つ大きなカビがど真ん中に
居座っています。ボディのあとで
こちらもしっかり清掃を行っていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「上巳・桃の節句」で「ひな祭り」ですね。
それは今日あちこちで祝われているでしょうから
まずは置いておいて
他にもいろいろな記念日が制定されています。
「ジグソーパズルの日」なんてのがありますねぇ…
数字の「3」を裏表で組み合わせると
ジグソーパズルのピースの形に見えることからだそうです。
子供の頃の一時期、ジグソーパズルにハマった時期がありました。
きっかけは500ピースの風景画だったかな…
最終的には3000ピースの大きなものにもチャレンジしましたが
時間がかかる上に組み上げている最中には
当然ながら広げたままだからめちゃくちゃ場所も取るのですよねぇ…(苦笑)
私が居間で毎日少しずつ組んでいるのが
いい加減邪魔だったのか最後には家族総出で組み上げました(笑
懐かしいですねぇ…
1000ピースくらいのものを短期で一気に組み上げるのが
図柄にも飽きることがなくていいような気がします。
組んだ後に固めて額に入れて飾るまでも
大きなものだと意外と大変だったりします…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
当時の大ヒット作でもあり現在でも人気の高いカメラなので
修理依頼も非常に多いカメラです。
現存数も非常に多いのですが
コンディションの悪い個体もかなり多くて程度は千差万別です。
それでも余程悪い状態でない限りは
M42マウントが故に露出計も絞り込み測光で
シンプルな構造なため
しっかり整備を行うと現在でも全く問題なく撮影に使用できます。
M42マウントで交換レンズがペンタックス純正のモノ以外にも
多くの交換レンズが比較的簡単に手に入れることができるのも
大きな魅力になっていると思います。

お預かりしている「SP」はまず電池室が強烈に固着していて
電池室の蓋がまったく開けることができません。
こういう状態の「SP」もよく見かけるのですが
こうなると固着を溶かすだけでもかなりの時間と手間が必要です。
電池室裏の端子も緑青で覆われていて
まずはある程度導通するようにしないと
露出計の状態も確認できません。
それ以外のコンディションは比較的良い個体で
シャッターはさすがに幕軸が粘っていて
シャッタースピードの精度はさすがに全く出ておらず
高速では開かないことも多々あり
巻上も油切れでかなり重めですが
心配される定番のプリズム腐食はなく
プリズム周りの遮光材の劣化もあまり進んでいません。
今のうちに腐食対策しっかり行って
貴重なプリズムの保護を行っていきます。
各部の動きに問題があるのは通常の清掃整備で
しっかり精度も出せる状態に復帰可能だと思われます。

電池室は裏蓋と一体なので
こちらは潤滑剤も大量に使って別途に時間をかけて対処するとして
それ以外の本体側の整備を並行して行っていきます。
機械的駆動部はさらに分解を進めて
積年の汚れを除去してスムーズに動くように対処していきます。
電池室以外の露出計関連は幸運なことに
大きなダメージはないようです。
コンスタントに月に数台は依頼のある機種なので
見慣れた内部構造ではありますが
油断はせずに慎重に作業を行っていきます。

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リコー500GXのカメラ修理

今日は3月1日ということで
たくさんの記念日が制定されていますね。
そんな中に「豚の日」なんてのがありますね。
米国で制定された記念日だそうです。
最も利口で役に立つ家畜のひとつである豚への感謝を込め
豚の正当な地位を認めることが目的だそうです。
豚肉…美味しいですよねぇ…
シンプルに焼いて食べると豚肉独特のほのかな甘みがあって
あれが何ともいえず美味しいのですよねぇ…
そして比較的お安いですし…(笑
自炊でもかなりの頻度で使いますし
外食で食べるやわらかくて分厚いとんかつも最高ですよねぇ…
そういえば最近お店でとんかつ食べてないですね
以前のようにたっぷり食べられなくなったので
お店のボリューム満点のメニューだと
少ししんどくてちょっともったいないのですよね…
でもたまには食べたいですね…
おなか目いっぱい空かせて和幸にでも行ってみましょうかね。

さてさて

本日は「リコー500GX」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のカメラです。
前身となる1972年発売の「500G」の発展型です。
コニカC35の登場と大ヒット以来
このタイプのコンパクトカメラが各メーカーから
いろいろとリリースされます。
リコーでは「500G」からこのタイプのカメラが始まり
1974年には高度に電子化された「エルニカF」が
発売されます。ハイマチック等でお馴染みの
セイコーESFシャッターを搭載した電子制御機です。
おおむね好評でしたが
海外では入手しづらい電池を使用していたことと
電子制御来が故にその電池がないと全く使えなかったこと
マニュアル露出に対応できないこと…等の不満点を補うということで
今回の「500GX」が発売されています。
シャッタスピード優先オートを搭載しつつも
マニュアル露出可能なのは先代の「500G」と同様です。
「GX」ならではの装備としては
バッテリーチェック、フィルムインジケーター、
シャッターロック機構等が搭載され
さらにこのタイプのカメラでは珍しい多重露光機構も備わります。
レバーが変わった場所についていますが
要はフィルム巻上を行わずにシャッターチャージのみを
レバーで行うためにこの位置なのですね。納得です。

なかなか高機能で何でもできる良いカメラですが
お預かりしている「500GX」は
電池室周りが腐食していて電源が全く入りません。
電源がなくてもマニュアル露出で使うことはできますが
露出オートもそうですがやはり露出計が使えないのは困りますね。
小型でどこにでも持っていけるカメラだけに
気軽に簡単にいろいろな機能が使えてこそだと思います。
ファインダー、レンズにもカビや汚れがそれなりにあります。
そしてこのタイプのコンパクトカメラは
コストの問題もあり裏蓋に大量のモルトを貼って
遮光を行うものが多いのですが
「500GX」もかなり広範囲にモルトを使用しています。
そして当然ながらそのモルトは劣化で全滅です。
露出計周りも含めて全体的にリフレッシュして
快適に使える状態に整備していきます。

本来、構造としては比較的シンプルなカメラなのですが
こまごまと機能委が追加されていることと
リコー独特の造りみたいな部分もあって
少々ややこしいカメラです。
細かいところは全然異なるのですが
少しオートハーフの構造にも似た部分があります。
「500G」系のカメラの分解整備はヒサビサなので
資料を確認しつつより慎重に取り掛かっていきます。

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ヤシカエレクトロ35GSのカメラ修理

今日は「ビスケットの日」だそうですよ。
1855(安政2)年のこの日に
パンの製法を学ぶために長崎に留学していた
水戸藩の蘭医・柴田方庵が、同藩の萩信之助に、
オランダ人から学んだ軍用のパン・ビスケットの製法を書いた
「パン・ビスコイト製法書」の書簡を送った。
これが、ビスケットの製法を記した日本初の文書とされているそうです。
ほのかな優しい甘みが美味しいですよねぇ…ビスケット…
ガツンと強烈に甘いものもいいですが
こういう優しい甘さもなんともいいですね。
お茶でもコーヒーでも合います。
思わず「ポケットの中にはビスケットがひとつ♪」なんて
口づさんでしまいます(笑
あとでスーパーでビスケット買ってきます!

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GS」のカメラ修理を行っています。
1970年発売のカメラです。
このモデルからレンズが新コーティングの
カラーヤシノンDXレンズに変更されています。
コーティング以外のスペック的にはこれまでと同様で
45mmF1.7の大口径レンズです。
レンズ以外も基本的な部分は1966年発売の初代と大きくは変更されていません。
1973年発売の「GSN」までは初代からの流れを汲むモデルです。
そう考えるとこの形のエレクトロは結構なロングセラーモデルです。
途中で派生モデルとしては「CC」や「MC」等が出ていますが
やはりエレクトロと言えばこの形をイメージしてしまいますね。
初代発売当初から「ろうそく1本の光でも写る」を目指して作られたカメラで
そのための大口径レンズであり
スロ-シャッターに強い電子制御シャッターを搭載します。
露出制御は絞り優先オート専用となります。
初期の電子制御カメラなので電子回路のトラブルが心配されますが
意外に丈夫で同じ時代の他電子制御機に比べても
電子回路トラブルは少ないほうだと思います。
ただ時代を反映して配線が非常に煩雑で
そのあたりの処理に少々苦労もあります。

お預かりしている「エレクトロ35GS」はお決まりの
電池室腐食によりバッテリーチェックも含め
電源が全く入りません。
電池室を見ると底部のマイナス側
蓋側のプラス両方とも緑青が確認できます。
当然ながらマイナス側裏の端子や
ハンダも腐食していて断線状態です。

まずは電源を入る状態にしないと
他に電気関連のトラブルを抱えているかどうかも
判断できません。
エレクトロ35シリーズはコンスタントに修理依頼のあるカメラで
扱うことも多いのでよくあるトラブルのパターンもわかってはいますが
レリーズ軸のブッシュ劣化によるオート不良
レリーズ下部接点不良によるオート不良
シャッター駆動部の粘り
汚れによるマグネットの吸着不良
鏡胴内摺動抵抗の接触不良
同じく鏡胴内摺動抵抗裏側のハンダ劣化による
露出制御不良あたりがよくあるトラブルです。
症状の有無に関係なくこの部分はしっかり対策を打っておきます。

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キヤノンデミのカメラ修理

今日は「月光仮面登場の日」だそうですよ。
1958(昭和33)年のこの日に
ラジオ東京(現:TBS)で国産初の連続テレビ映画
『月光仮面』のテレビ放送が始まったことに由来しています。
主題歌は子供の頃からよく耳にしたような気がしますが
さすがに私の生まれる11年前の出来事なので
実際には見たことはありません…まだモノクロですね。
日本のヒーロー番組の元祖でもあり
時代劇と探偵活劇の要素を組み合わせた作風は
その後のヒーロー番組に多大な影響を与えたそうです。
1959(昭和34)年まで、130回が放送されています。
少し気になって当時のカメラの現行機種をざっと調べてみると
1958年にはキヤノンはレンジファインダー機のVL/VL2
同年にⅥT/ⅥLが発売されています。
ペンタックスはKが発売され翌年(1959年)にはS2が発売されています。
ミノルタはミノルタ35やオートコードが現行で発売中
オリンパスは翌年の1959年にペンが発売されます。
ニコンは1959年にFが発売されます。
ちなみに1958年の出来事的には秋には東京タワーが竣工し
東海道本線で国鉄初の電車特急「こだま」が運転開始されます
日頃手に取る機会の多いカメラもその時代背景を合わせて
イメージするとまた新鮮なものがありますね。

さてさて

本日は「キヤノンデミ」のカメラ修理を行っています。
「デミ」という言葉の意味としては
フランス語で「半分」英語でも「半…」「部分的に」となります。
その名の通りキヤノンのハーフカメラです。
ハーフカメラブーム全盛の頃に発売されたカメラです。
セイコーシャ製プログラムシャッターを装備し
SSと絞りの組み合わせはシャッターユニットで決められています。
セレン光電池式の露出計を内蔵し
露出計指針に追針を手動で合致させ露出を決定します。
ピントは目測式ですがファインダーはプリズムを贅沢に使用した
実像式ファインダーを装備します。
ファインダーもハーフカメラとしてはかなり豪華ですが
巻上もダイヤルではなくレバーが装備され
その巻上感も滑らかで相当気持ち良いです。
レンズはSH28mmF2.8を搭載します。
全体的に非常に使い心地の良いカメラです。

お預かりしている「デミ」は正確に言うと
発売同年に追加された「カラーデミ」で
ボディは初期のデミと同じく真鍮製です。
デミのボディは途中からアルミ合金製に変更されています。
シャッターは若干の粘りがあるものの動作はしていますが
露出計が少々不安定なようです。
心配されるセレンは起電力はまだまだ充分で
若干の調整で精度も問題なく出せそうです。

構造としてはシンプルなカメラで
整備性も非常の良好です。
これから一通りの整備を入念に行っていきます。
余談ですがデミのカウンターは
2コマに一度、2目盛りずつカウントアップされます。
知らないとカウンターが動いたり動かなかったりしていると
勘違いしてしまうこともあるようです。

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