カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

コニカC35のカメラ修理

今日は「お風呂の日」だそうですよ。
わかりやすく「ふ(2)ろ(6)」(風呂)と読む語呂合わせからです。
昨日から一段と冷え込みが厳しくなっていますが
お湯を張った湯船にゆっくり浸かるのは
まさに至福のひと時ですよねぇ…
私は5年前の脳梗塞の影響で
右半身に温痛覚麻痺があるので
一時期はお風呂もあまり楽しめなかったのですが
最近はまだ感覚がかなり鈍いとはいえ
以前よりは随分改善したので
昨年あたりから冬場はしっかり湯船に浸かって
楽しむことができています!
すぐ近所に銭湯もあるので
そこにも頻繁に通っています。
大きな湯船に足を延ばしてゆっくり入るのは
本当に癒されます。
遠くの温泉もいいですが気軽にいつでも行ける
近くの銭湯は本当に貴重な存在です。
家風呂は小さな湯船ですが
自宅ならではで好きな入浴剤を存分に楽しむことができて
これもまた癒されるのですよねぇ…
今日もしっかり帰宅したら湯船で温まって
しっかりリフレッシュします!

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「じゃーに~コニカ」の愛称がつけられ
大ヒットしたカメラです。
「C35」登場以前のレンズ固定型のカメラは
比較的大柄でズッシリしたものが多かったのですが
C35はそれまでのコニカEEマチックの機能を
ハーフサイズカメラのコニカアイのサイズに
詰め込むことを目指して作られたカメラです。
このどこにでも持ち出せるコンパクトさと
プログラムオート露出専用として
簡単に撮影できる気軽さが大ヒットの要因となりました。
「C35」登場以降、他各メーカーからも
それまでのレンズ固定型カメラの小型化に一気に追従し
同様のコンパクトなカメラが数多く発売されます。
小型化の一大ブームを起こしたカメラだと言えると思います。

今回、お預かりしてるのは
1971年発売の「C35フラッシュマチック」です。
1968年発売の初代C35にフラッシュマチック機構を搭載したカメラです。
それ以外はそれまでのC35とほぼ変わりまりません。
搭載されるレンズはヘキサノン38mmF2.8
小さいボディながら距離計もしっかり搭載し
厳密なピント合わせも可能です。
露出は先述したようにプログラムオート専用ですが
「B」も装備されます。
今回の個体は人気のブラックボディで
トラブルの比較的多い露出計には大きな問題はないのですが
定番のシャッター羽根粘りが起きていて
シャッターを切るとゆっくりとしか羽根が動作できない状態です。
レンズシャッター機でよくパターンとしては
羽根に付着した油滲み等が原因となることが多いですが
「C35」の場合は大抵の場合、羽根汚れではなく
シャッター駆動円盤の汚れ等による動作不良が原因です。
今回も円盤部が粘ってゆっくりとしか動かない状態でした。

シャッター駆動部も含めて各駆動部の清掃整備
レンズ、ファインダーの清掃調整を行っていきます。
構造としてはシンプルな指針挟み込み式のオート制御で
整備性も非常に良好です。
初心者の方にはデメリットかもしれませんが
個人的には光量不足、あるいは電圧不足の際の
シャッターロック機構等が付いておらず
たとえ真っ暗でもとりあえず切ろうと思えば
シャッターは切れるところが良いところだと思っています。
ただ電池が切れていてもシャッターは切れてしまうので
常にファインダー内指針をしっかり確認ことが必要です。
ちなみに電池は本来はMR44(H-C)の水銀電池ですが
現在のLR44が同じ大きさ形状なので
そのまま代替電池として使われる方も多いと思います。
ただ電圧が1.3V→1.5Vへと変化するため
露出計の精度には注意が必要です。
もちろん今回も1.5Vで露出計は調整します。

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キヤノンPのカメラ修理

今日は「笑顔の日」らしいですよ。
「ニ(2)コ(5)ニコ」と読む語呂合わせからだそうです。
なるべく常に笑顔でいたいものですねぇ
笑顔は心と体を元気にします。
その健康効果は医学的にも証明されていて
笑わない人よりも笑う人のほうが
傷の治りが早いというデータもあるそうです。
寄る年波のせいか傷の治りが最近やたら遅いので
笑顔で何とかカバーしなければ…(笑
自分自身のためにも周りの空気を
優しくするためにも笑顔は大切ですね。
とってつけたような作り笑いではなくて
心から笑顔でいられる毎日になるようにがんばります!
ところで今日は「煮たまごの日」でもあるようです。
おでんでもラーメンでも入っている煮たまごは
めちゃくちゃ美味しいですよねぇ…この季節にもぴったりです。
最強寒波到来のようですし今夜はおでんかな…

さてさて

本日は「キヤノンP」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のフォーカルプレーンシャッターの
レンジファインダー機です。
フランス語の「人気のある」という意味の
「Populaire」から命名されたそうです。
ⅥL型をベースに35/50/100mm固定式フレームを
備えた等倍ファインダーを装備します。
部品点数を大幅に減らすことに成功し
比較的お求めやすい価格で発売されたカメラです。
その価格と商品イメージで大ヒットを記録したモデルです。
ベースはⅥL型ですが内部構造もかなり洗練されていて
これ以前のモデルはまだバルナック時代の名残が
結構目立ちますが「P」以降のモデル(7、7s)は
明らかに内部構造が異なり安定性も向上しています。

お預かりしている「P」は
シャッター動きがかなり悪い状態です。
幕軸動作不良が原因で幕速のバランスが大きく崩れていて
1/1000、1/500はシャッター切れても全く開きません。
スローガバナーも粘ってしまっています。
高速シャッター、低速シャッター共に問題有りの状況です。
巻上にも油切れの兆候があり巻き上げるたびに異音がしています。
全体的に駆動部分を洗浄清掃した上で調整が必要な状態です。

もう既に一通りの整備は完了して
少し馴染んで動きが落ち着くのを様子見している状態です。
最終的に微調整を行って
シャッタスピードの精度も出していきます。
巻上はスムーズに行えるようになり
シャッターも快調に動作しています。
ファインダーも汚れて薄曇りの状態でしたが
かなりクリアに改善されています。
「P」はシンプルで非常に使いやすいカメラです。
部品点数の効率化によるコストダウンは進んでいますが
部品の質を落としているわけではないので
質感も非常に高いカメラです。

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ニコンFのカメラ修理

昨日が「節分」ということで
今日が「立春」ですね。
暦の上では春とはいえ今週は寒波到来で
冷え込む日が続きそうです。
例年は2月3日が「節分」であることが多いことから
今日が「大豆の日」だったりもします。
それから今日は「ジュディ・オングの日」らしいですよ。
アメリカ・ネバダ州が1990(平成2)年に制定しています。
台湾出身の歌手・女優のジュディ・オングさんが
文化の架け橋として活躍したことを記念したものだそうです。
記念日の制定は、1990年にネバダ州ラスベガスにて
ショーを開いたことがきっかけだったそうです。
「魅せられて」の大ヒットの頃(1979年)
布団のシーツやカーテンを手にもって広げて
モノマネしてたなぁ…(笑

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れた名機ですね。
当時としては非常に高価な最高級機でしたが
かなりの台数が発売され現存数もそれなりに多いカメラです。
私のじいさんも長年愛用していましたが
買った際には相当ばあさんと揉めたらしく
家庭崩壊の危機に直面したようです。
(後にばあさんに何度も聞かされた(苦笑))
そんな話はさておき
「F」は非常に丈夫な部品を高い精度で組み上げた
完成度の高いカメラです。
そのため発売から66年が経過しようとしている現在でも
ある程度の整備を施せば当時と同じように動作するカメラです。
整備された個体をじっくりゆっくりと動作させていると
その精度の高さを感じることができるかと思います。

お預かりしている「F」は
ご依頼者様のご自宅でかなり長い間
仕舞い込まれていた個体のようです。
おそらく何十年も動かされず眠っていたものと思われます。
各部の動きはかなり重々しいながらも
とりあえずはシャッターは切れるようです。
ただシャッタスピードの精度は当然出ておらず
スローガバナも固着してしまっています。
加えてミラー駆動部の動きにも粘りが見られ
頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
それでも何かが破損しているという状態ではないので
とにかく各部の動きをスムーズに戻す整備を行うことで
本来の動きとシャッターの精度も出せると思われます。

装着されていたファインダーはアイレベルですが
さすがに多少のプリズム腐食が発生してしまっています。
ただ腐食は大きなものではないのが不幸中の幸いで
実際にはそれほど気になるレベルではありません。
画像には写っていませんがファインダーの内部のモルトは
やはりボロボロに劣化しているので
そのあたりの整備も含めてできる限りの処置を行っていきます。
ボディ側は各部品の洗浄清掃でかなり動きはよくなってきています。
加えて必要最小限の注油を行い
若干の微調整でSS精度もしっかり確保できそうです。
やはりというかさすがですね。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「節分」です。
「立春」の前日で、冬の節が終わり、春の節に移るということです。
この時期だけでなく、本来は「立夏」、「立秋」、「立冬」の前日を
それぞれ「節分」というのだそうです。
ただ、太陰暦(太陰太陽暦)では「立春」を年の初めと定めており
「立春」の前日すなわち「大寒」の最後の日にあたる
この「節分」を特に重視しているのだそうです。
季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられていたため
それを追い払う意味で「豆まき」が行われるのだそうです。
「節分」といえば2月3日のイメージですが
今年は「立春」が2月3日のため、節分は2月2日です。
2021年も「節分」は2月2日でした。
その前に「節分」が2月2日だったのは
124年前の1897年2月2日だったそうです。
ところで、節分に関係なく煎りたての大豆は美味しいですよねぇ
子供の頃にはばあさんがよく豆を煎ってくれて
熱々の豆をおやつ代わりに食べていたものです。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
「ペンFシリーズ」は世界的にも珍しい
ハーフ判の一眼レフカメラです。
ハーフ判の利点を最大限に活かすため
通常の35mm判の一眼レフとは全く異なる構造を採用し
ロータリーシャッター、他で同様のものを見ないファインダー光路等々
機械構造的にも見どころ満載のカメラです。
その特異な構造でデザインも独特のモノとなり
いわゆるペンタプリズム部の出っ張りをもたない
フラットな上カバー面に巻き戻し側に大きくオフセットした
レンズマウント、前面に配置されたシャッターダイヤル等
こちらも特徴的で魅力満載のカメラです。

最初に巻上ダブルストロークの「ペンF」が登場し
その後3年後の1966年に登場したのが今回の「ペンFT」です。
CdS使用の露出計を内蔵とセルフタイマーが追加されて
巻上はシングルストロークとなっています。
その巻上ですが巻上角が非常に大きく
ストラップに引っかけてしまうことも多いので
ストラップ使用時には少々注意も必要です。

お預かりの「ペンFT」は巻上がロックした状態で
お預かりしました。よくあるパターンとしては
ミラーアップしたまま固着してしまっているというパターンですが
今回はミラー云々ではなくレリーズとシャッターとの
連動に問題があるようです。
巻上ロック自体はとりあえずは分解整備時に解除できたのですが
それも含めて今回はなかなか一筋縄ではいかない状況でした。

一通りの修理整備は既に完了していて
テストを行っている段階です。
まずシャッターユニットは相当弄られていて
ロータリーシャッター回転軸にある
逆回転防止の爪が破損していて既に使い物にならない状態でした。
その他にもかなり強引に分解された形跡があり
シャッターユニットは中古良品と交換で対処しました。
ミラーボックスは調整で何とかなりましたが
ミラー角度が大きく狂っていてこちらも調整が大変でした。
ペンFTではCdSに光を送るため第三反射面に
ハーフミラーを使用していてここの劣化が
問題になることが多いのですが
これも今回の個体でははハーフミラーの蒸着を剥がしたうえで
ハーフミラーシールを貼ったようなものが使われていました
ここも中古良品と交換です。
加えて露出計の配線もでたらめでそのために露出計は不動の状態でした。
現在は露出計も普通に動作しています。

「ペンFT」は状態の悪い分解品が多いような気がします。
正しい姿に戻すためにかなり時間と部品と手間がかかりました。

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ニコンFEのカメラ修理

今日から2月です…1月あっという間でしたね(苦笑)
今日は「ニオイの日」なのだそうです。
「に(2)お(0)い(1)」と読む語呂合わせからだそうです。
「香り」だといわゆる良い匂いをイメージしますが
「ニオイ」だと明らかに不快な匂いのイメージになりますね(笑
「ファブリーズ」でもおなじみの「P&G」さんの
制定した記念日で嫌なニオイを消し去る消臭商品の普及が
目的だそうなので、やはりここでいう「ニオイ」は
いわゆる悪臭のことを指すのですね。
イヤな匂いって結構日常に溢れていて
わずかな匂いでも気になり始めるとたまらないものですよね。
匂いを感じるってっことはその匂いの元の成分が
鼻に入ってくることで感じるわけだとイメージすると
それこそ一瞬でも早くその匂いから逃れたくなります(苦笑)
反対にいい香りはリラクゼーション効果もありますし
何とも癒されるので良い香りに常に囲まれて生活したいものです(笑

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
70年代前半に発売された「ニコマートEL系」の後継機で
1978年発馬のカメラです。
機能的にはニコマートELを引き継いでいて
それほど大きな新機能はないのですが
ボディも小型化されあらゆる部分で洗練されており
明らかに次世代のカメラとなって登場しました。
安定性に定評のあるコパル製シャッターを
電子制御で駆動します。
ただし「B」と1/90のみ機械制御で駆動することができ
電池がなくてもこの2速でシャッターが切ることができます。
電子制御の副産物ともいえる「絞り優先オート露出」を搭載し
細かい露出を気にせず枚数を撮ることもできれば
ファインダー内の非常に使いやすい追伸式露出計を使って
マニュアル露出でじっくりと表現を追い詰めていくこともできます。
一通り何でもできる使いやすい万能カメラだと思います。

「FE」は当店でも比較的修理依頼の多いカメラで
コンスタントに修理を行っている気がします。
今回お預かりの「FE」はおそらく長い間
使われずに保管されていたカメラで
普通にストレスな使うには一通りの整備が必要な状況です。
まず電池が入りっぱなしで電池室からは
真っ黒になったLR44電池がゴロンと出てきました。
水銀電池や酸化銀電池ではなかったので
ガスによる腐食はなかったものの
電池室は電池からの汚れで接触不良が起きています。
電池室の清掃で電源は何とか入るものの
やはり電源は少々不安定です。
電池室裏のハンダや状況によっては配線交換が必要かと思われます。
電源さえ入ればシャッター、露出計は動作するものの
今度はシャッターに問題があり
1/1000、1/500は全く開かず、1/250も1/3ほど開きません。
シャッター羽根の汚れ等の影響もあると思われますが
電気的問題も絡んでいると予想されます。
「FE」の問題の出やすい箇所はだいたい把握できているので
一通りの整備に加えてトラブルの起こりやすい部分の
対策を行っておけば快適に使える状態になると思われます。

これから本格的に分解整備に取り掛かる段階です。
当然ながらフィルム室のモルトは全滅で
画像にも写っていますが接眼レンズの下のモルト等の
内部モルトももちろん全滅です。
この加水分解したモルトが
さらにトラブルを呼び込む場合も多々あります。
やはりこの時代のカメラは頻繁にではなくても
長く使うには定期的な分解整備が必要ですね。

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コニカFPのカメラ修理

今日は「人口調査記念日」だそうですよ。
1872(明治5)年のこの日に
明治政府による日本初の全国戸籍調査が行われたそうです。
当時の人口は男1679万6158人
女1631万4667人で合計3311万825人でした。
2015(平成27)年の国勢調査による日本の総人口は
1億2709万4745人で、9000万人以上増えたことになります。
最新の調査では現在の人口は1億2359万人だそうです。
いずれにしても150年ほどでこんなに増えたのですね。
これからは人口は減少傾向に推移するのでしょうが
これから100年後あたりはどんな世の中になっているのでしょうね。
もちろんそれを見ることは無理ですが…(笑

さてさて

本日は「コニカFP」のカメラ修理を行っています。
コニカというとどちらかといえば
レンズ一体型のレンジファインダー機や
C35に代表されるコンパクトカメラのイメージが強いですが
一眼レフにも早い時期から参入しています。
1960年にファインダー交換式の最高級カメラ「コニカF」の
発売に始まり立て続けに一眼レフをリリースしています。
今回の「FP」は1962年発売のカメラで
それまでの中級機「FS」をベースに
CdS使用の外付け露出計を装着できるようになったものです。
レンズマウントはコニカマウントで
後のオートレックス登場以降に採用された
コニカⅡマウント(ARマウント)との互換性はありません。
ボディからの絞り込み連動が鏡胴外側に露出しているところが
特徴的なレンズマウントです。
「コニカF」以降に登場したコニカ中級機は
「FS]「FP」「FM」と存在しますが
いずれも基本的な構造は共通で
シャッターはその後、いろいろなカメラで採用される
コパルスクエア(当時の呼称はコパルスケヤ)シャッターです。

お預かりしている「FP」は一通りは動作しているものの
多少巻上に油切れの兆候が見られます。
シャッター羽根にも汚れがあると思われ
構想シャッターが多少不安定です。
そしてファインダーが妙に曇っています。
プリズムが汚れていることもありますが
おそらく接眼レンズ内側が曇っているものと思われます。
接眼レンズの変質の場合は清掃では対処できませんが
できる限りの清掃である程度はクリアになると思われます。

FS,FP、FMあたりの接眼レンズがよく曇るのは
上の画像にも写っていますが
接眼レンズとプリズムの間にあたる部分に
モルトが貼られており
そのモルトが加水分解してしまうことも
影響していると思われます。
いずれにしてもコニカの一眼レフは
初期の「F系」のみならず
後のオートレックス系(FTAやオートレックスT3も含む)も
接眼レンズが良く曇るのです。
そしてそれが清掃では改善できない場合も多いです。
これからファインダーも含め
シャッター、巻上、ミラー駆動部と
各部の分解整備を行っていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「国旗制定記念日」だそうですよ。
1870(明治3)年のこの日(旧暦)に
明治政府が日の丸を国旗とする商船規則により
国旗のデザインと規格を示したことに由来しています。
新暦だと2月27日となるそうです。
当時の規格は、縦横の比率は7:10で
日の丸が旗の中心から旗ざお側に
横の長さの100分の1ずれた位置とされていたそうです。
現在では多少変更され
国旗の縦横の比率は2:3
日の丸の直径は縦の長さの5分の3
日の丸は旗の中心の位置。色地は白色、日の丸は紅色とされています。
昔は多くの家で国民の祝日には国旗を玄関に掲げていたものです。
祝日は「旗日」と言われていましたものね。
私の実家も私が幼い頃はそうしていました。
だから当時は多くの家にそれなりのサイズの
日の丸の国旗があったと思います。
今はきっとちゃんとした国旗が家にあるほうが少ないですよね。
今では自衛隊やその関連の施設くらいでしか
祝日に国旗を掲げているところありませんものねぇ…
ちょっと寂しい気もします(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
やはり「SP」はコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
現存数が多い上に使いやすく
ユニバーサルマントであるM42マウントで
ペンタックスのレンズ以外にも
非常に多くの交換レンズの選択肢があることも魅力です。
当時も大ヒットした超人気カメラでしたが
現在でも非常に人気の高いカメラだと思います。
シンプルなねじ込み式マウントが故に
レンズ側からの絞り値伝達機構はまったくありません。
そのため内臓露出計は「絞り込み測光」で行います。
実際に使用する絞り値までレンズを絞り込んで
測光を行います。絞り値によっては
相当ファインダーが暗くなります。
使いこなすには多少の慣れが必要かとは思いますが
慣れてしまえばさほど不便と感じないと思います。

お預かりしている「SP」はシャッタ-が切れない状態です。
シャッター幕位置から判断して
シャッターはチャージされた状態のようです。
少し調べてみるとシャッターはチャージされているのに
ミラーはチャージされていないようです。
一般的な一眼レフ機は巻上レバーを巻き上げることで
「フィルムを次のコマに送りカウンターを進める」
「シャッターをチャージする(シャッターが切れる位置にする)」
「ミラーをチャージする(ミラーを動作するバネを引っ張っておく)」
以上3点の動作を主に行うのですが
ミラーのバネを引っ張った際にチャージロックが頻繁に
空振りするようでミラーのみが
チャージされない状態になってしまうようです。
レリーズの際にはまずミラーがバネの力で跳ね上がって
それから連動してシャッタ-が作動する仕組みになっているので
ミラーがチャージされずに動かないと
レリーズしても何もアクションは起こりません。
とりあえず応急処置でシャッターを切れるようにしてみると
シャッター自体は動作するのですが
今度は高速シャッターの精度に問題があるようで
1/1000はほぼ開かず1/500も1/3ほど開きません。
先幕と後幕の幕速バランスが幕軸の汚れ等で
崩れてしまっているようです。
そのあたりの整備も含めて各駆動部を清掃整備していきます。

絞り込み測光でマウント側からの露出計連動がないので
露出計回路はシンプルです。
それもあって整備性は非常に良好なカメラです。
「SP」といえばプリズム腐食も定番のトラブルですが
今回はプリズムは腐食もなく非常に良い状態です。
過去…といっても随分昔だと思われますが
プリズム交換を行っているのではないかと思われます。
これからさらに分解も進めて
一通りの整備を行っていきます。

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ヤシカリンクス14のカメラ修理

今日は「モンチッチの日」だそうですよ。
モンチッチの誕生日である
1974(昭和49)年1月26日が由来となっています。
モンチッチ誕生の年が私が5歳になる年なので
小学生の頃とかはモンチッチのブームの最中で
いたるところに置いてあったり、ぶら下がってたり
なにかにつかまっているモンチッチを見かけたような記憶があります。
私の家はじいさんばあさんとの3人暮らしだったので
それほど縁がなかったですが友達の家や
親戚の家に行くと必ず一つは見かけたような気がします。
懐かしいですし今見てもかわいいですよねぇ…
「モンチッチ」とは、フランス語で「わたしの」を意味する
「モン」と「小さく可愛いもの」を意味する「プチ」で
「わたしのカワイイもの」を意味します。
また、「モンキー」の「モン」と
おしゃぶりをいつも「チュウチュウ」と吸っているので
「モンチッチ」という名前が付けられたのだそうです。
男の子と女の子の双子という設定で
「モンチッチくん」と「モンチッチちゃん」なのですよね。
ちなみに誕生から50年経った現在でも現役で
最新グッズが販売されています。
こういう小中学生の頃に馴染みあるグッズとかを見ると
あまりの懐かしさについつい欲しくなっちゃうのですよねぇ(苦笑)
また余計なものが増えるので自制しなくては…(笑

さてさて

本日は「ヤシカリンクス14」のカメラ修理を行っています。
「リンクスシリーズ」は明るいレンズを搭載する
レンズ固定式の高級機シリーズです。
「リンクス14」はそれまでの「リンクス5000」のレンズを
ヤシノンDX45mmF1.4の大口径レンズに変更したモデルです。
ボディに対してもレンズの大きさがひときわ目立っていて
独特の存在感のあるカメラです。
リンクスシリーズはレンズシャッター機では
珍しいSS最高速が1/1000であることも
セールスポイントの一つでしたが
「リンクス14」ではレンズの大口径化の影響もあり
最高速は1/500に抑えられています。
シャッターユニットはコパルSVEです。
内蔵露出計はCdSを使用したもので
当時の使用電池はMR9水源電池です。

お預かりしている「リンクス14」は
まずシャッターが全く開きません。
レリーズすると作動音は聞こえるのですが
シャッター羽根は全く動かない状況です。
SSを変化させても変わりはありません。
おそらくは油分や汚れによる羽根固着と思われます。
加えてピントリングは比較的スムーズに回るものの
ファインダー内の距離計二重像は全く動きません。
ファインダー下部の連動部が固着しているものと思われます。
さらに電池が長く入れっぱなしだった時期があるらしく
電池室裏のハンダ付け部は緑青で覆われていて
リード線は当然ながら断線しています。
前面の露出計SW部にまで緑青が拡がっている状態です。
全体的に入念な清掃整備が必要な状態です。

全体的な外観もですが鏡胴のデザインも
翌年に出る「エレクトロ35」のデザインに似通っています。
シャッターユニットこそこちらは機械制御で全く異なりますが
巻上部のやレンジファインダー部の構造も
かなりエレクトロに近いものがあります。
これから分解を進めて修理と並行して
一通りの清掃整備を行っていきます。

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オリンパス35EC2のカメラ修理

今日は「日本最低気温の日」だそうですよ。
1902(明治35)年のこの日に
北海道上川地方旭川市で日本の気象観測史上の
最低気温であるマイナス41.0℃を記録しています。
これが公式の日本の最低気温だそうです。
マイナス40℃以下はなかなか想像できませんねぇ…
山登りをしていた頃に
マイナス20℃手前は経験したことがありますが
もう今はあんな寒い場所には
行きたくないと本気で思います(苦笑)
「日本最低気温の日」に関連して(?)
今日は「ホットケーキの日」でもあるみたいです。
特に寒くなるこの時期に美味しいホットケーキを食べて
心も体も暖めてほしいとの願いが込められているのだそうです。
できたての温かいホットケーキ美味しいですよねぇ…
子供の頃に焼く前のまだ白いホットケーキミックスを
やたらとそのまま舐めたがって
「おなか壊すけん!やめんさい!!!」って
ばあさんに起こられた記憶が…(笑

さてさて

本日は「オリンパス35EC2」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のコンパクトカメラです。
電子制御シャッター機で搭載するシャッターユニットは
この時代、いろいろなカメラで使われたセイコーESFシャッターです。
組み合わされるレンズはEズイコー42mmF2.8
ピント合わせは目測式です。
電池が入っていない場合、及び電池の電圧が足らない場合は
レリーズロックがかかってシャッターは切れない構造となっています。
そしてお預かりしている「EC2」は電池室の腐食が原因で
電源が入りません。すなわちシャッターを切ることも全くできません。

このタイプのカメラで電源が全く入らない場合
まずは電池室の修復、配線の交換等で
まずは電源を入るようにしてやらないと
何も始まらないのですが
その際に一通り分解を進めてしまうので
並行してできるシャッターユニットの整備等は
一通り行います。
そして仮組して動かしてみるわけなのですが
その時点で修理不可能な電子回路のトラブルを抱えていることが
発覚する場合がたまにございます。
そうなるとそれまでに行った作業は全部無駄になり
修理不可能ということで作業は中止することになってしまいます。
頻繁にあることではありませんが…
上の画像は取り掛かり始めの段階ですが
この後、電池室の修復・配線交換、各部の整備を一通り行い
まずはある程度普通に動作すr子までは現在確認済みです。
とりあえず一安心です。
ちなみに上画像で写っている電池は元々カメラに入ったままになっていた
「NR52(HM-N)水銀電池」です。
これを見かけることも随分少なくなってきましたね。
セイコーESFシャッター機は相変わらず独特のシャッターフィールです。
「ジャキーン」とシャッターが切れる感じが
何ともいえないですね。個人的にはこの独特さが結構好きです。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「カレーライスの日」だそうですよ。
1982(昭和57)年のこの日に
学校給食創立35周年を記念して
全国学校栄養士協議会が学校給食試食会を実施。
全国の小中学校の児童約800万人に
カレーライスの給食が出されたことに由来しています。
私が中一の頃か…給食は小学校だけでしたが
お米の給食はそれより以前1976(昭和51)年に
米飯給食が正式導入されています。
あれ?私の時はカレーじゃなかったっけ???
ハヤシライスのインパクトが強くて
印象に残っていますが
カレーも既にあったような…地域によるのかな?
もう記憶もおぼろげですが…(苦笑)
何はともあれカレーライスは定期的に食べますよね。
外食でお店ならではの美味しいカレーもいいですし
自宅で気軽に食べられるレトルトカレーも
今は種類がたくさんあって好みのものを見つけられますねぇ
言われてみれば外食で最近カレーを食べた記憶がないです。
気軽に行けるカレースタンドでいいので
今度食べに行ってきます。
やはりお店のカレーは美味しいのですよねぇ…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のモデルです。
「Aシリーズ」の一号機である「AE-1」の後継機で
機能的には「AE-1」にプログラムモードが追加されたカメラですが
使い勝手的にはそれ以上に非常に進化しているカメラです。
ファインダーは明らかに「AE-1」よりも明るくなり
ピントの山もつかみやすくなっています。
ファインダー内露出計表示もLED式となりわかりやすくなっています。
分解して中身も見ても電子制御器とはいえ
まだまだアナログ的な部分が多かった「AE-1」に比べると
リード線による配線は少なく糸連動もなくなり
この時代の電子制御は日進月歩で進んでいるというのが
一目でわかるほどです。
電子制御部分は「AE-1」どころか「A-1」と比べても
明らかに「新しい!」と感じるほどです。
それでも機械的な駆動部分はAE-1をほぼそのまま引き継いでいます。
このあたりは「Aシリーズ」は全て共通ですね。
…なので定番のトラブルシャッター鳴きは「AE-1プログラム」でも起こります。

今回の個体もシャッター鳴きの症状が出ています。
ミラー駆動部分のギアから出る異音です。
定期的に清掃を行いピンポイントで的確に注油を行なう必要があります。
一度処置をしっかり行えばかなり長い間問題なく動作します。
反対にシャッター鳴きを放置していると
ミラーの動作が明らかに緩慢になっていき
シャッターレスポンスに影響が出ます。
そして最終的にはミラーが動かなくなり
シャッターも切れなくなってしまいます。

まだ現状を確認して取り掛かったばかりの状態です。
これから分解を進めて原因の駆動ギアが見える状態にして
清掃注油を行います。
周りに電気接点もあるので注油のし過ぎは厳禁です。
シャッタースピードも精度的に問題があり
「Aシリーズ」ではよくある傾向ですが
露出計が明らかにオーバー側にズレているので
そのあたりの整備も合わせて一通りの整備を行っていきます。

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