カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

リコーハイカラーBTのカメラ修理

今日は「噴水の日」だそうですよ。
1877(明治10)年のこの日に
東京・上野公園で第1回内国勧業博覧会が開催され
会場中央の人工池に日本初の西洋式の噴水が作られたことが
由来となっています。
公園の噴水…いいですよねぇ…この暑い季節に涼を感じます。
子供の頃に比較的近所の大きな公園に
噴水広場があってそこでよく遊びました。
夏場は噴水池に入ってじゃぶじゃぶして喜んでたなぁ…
池や海とかの水場が近くにあると明らかに吹く風の温度が
少し下がって涼しく感じますものねぇ…
先日の夏休みも陽射しが強烈でも水場が近いと
風が吹くと少し涼しくて救われました…(笑
次があれば…ですが…もし大きく移住することなったら
今度は海の近くがいいですねぇ…
夏も少しばかりは涼しくて冬も少しばかり暖かそうで
過ごしやすそうですね。
あ…いつの間にか噴水関係なくなりました…(笑

さてさて

本日は「リコーハイカラーBT」のカメラ修理を行っています。
大ヒットモデルで現在でも人気の高い
「リコーオートハーフ」をそのまま35mm判にしたようなカメラが
「リコーオートショット」で
その露出計を旧来のセレン式からCdSに変更したのが
「リコーハイカラー35」、さらに「ハイカラー35」の外観を
変更したものが今回の「ハイカラーBT」となります。
1971年発売のカメラです。
外観上のデザインも結構変更されていますが
塗装がブラックとなったのでかなり精悍なイメージになりました。
それでもなんともいえずレトロなのはハイカラー譲りですね。
露出計がCdSに変更になっているとはいえ
そのあたりの機構はハーフ判のオートハーフと似通っています。
ただシャッターユニットも異なっていて
オート露出はシャッタースピード優先オートとなり
マニュアル絞りでの撮影も可能です。(露出計非連動)
何もかもカメラ任せにするしかなかったオートハーフよりは
カメラを理解している方なら少し自由度が増した操作ができます。
ただ、オートショットもそうなのですが
大きなセールスポイントのひとつでもあるゼンマイ巻上は
おそらくオートハーフと共通のモノで
35mm判を自動巻上していくとオートハーフほど
枚数は持ちません。少しだけ小まめにゼンマイを巻く必要があります。

お預かりしている「ハイカラーBT」は一見非常にキレイな個体なのですが
過去に落下歴が何度かありそうです。
よく見ると何か所かに小さな凹みが見受けられます。
その落下の影響でピントリングが外れてしまっています。
ちなみにハイカラ-のピントは前玉回転式で目測です。
搭載されるレンズは35mmF2.8でビハインドシャッターです。
実際に整備を行うにあたりいろいろチェックしてみると
やはり長く動かされていない個体なので
ゼンマイの油切れやシャッター羽根の粘り、不安定な露出計
モルトの劣化等々
いろいろ問題は抱えています。
それらは想定内なので予想外の大きなトラブルはなさそうです。

一通りの整備が完了した状態です。
外観も清掃しましたが
なかなかカッコいいカメラですね。
ピントリングが脱落している状態だったので
レンズ清掃はもちろんですが
入念にピントの設定も行っています。
ゼンマイ巻上やシャッターの動作も非常にスムーズになり
気持ちよくシャキシャキ動くカメラに仕上がっています。
少し様子見している時間も終わったので
これから最終的なチェックを行い
問題なければ完成となります。

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コニカⅢのカメラ修理

今日は「蚊の日」だそうですよ。
まさに蚊の季節真っ盛りですものねぇ…と思ったら
季節は関係なく
1897(明治30)年のこの日に
イギリスの細菌学者ロナルド・ロスが
羽斑蚊(ハマダラカ)類の蚊の胃の中から
マラリアの原虫を発見したことに由来しているのだそうです。
蚊に刺されただけでも痒くて本当に困りますが
蚊はマラリアやフィラリア、日本脳炎、デング熱、
黄熱、ジカ熱などの感染症を媒介します。怖いですよねぇ…
蚊が媒介する病気で亡くなる人は
1年間で約80万人以上ともされ
蚊は地球上で人を最も殺している生物でもあるそうです。
先日、山の中にある墓参りに行きましたが
やはり結構刺されました…気をつけなければいけませんね。
仕事場も全く無警戒にしていると
意外とと蚊が出るので夏の間は蚊取り線香は欠かせません…
蚊取り線香の香りは風情があっていいのですが…

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っております。
1956年発売のカメラですね。
前作の「Ⅱ」から「Ⅲ」モデルチェンジされて
鏡胴は完全に固定になりましたが
ついにセルフコッキングが搭載され非常に使いやすくなりました。
フィルムカウンターも自動復元です。
巻上レバーは鏡胴から生えている少し変わったレイアウトです。
これを2回巻上でシャッターチャージとフィルム送りを同時に行います。
現座オンする個体では未整備で巻上が重いものが多いですが
本来は非常に軽やかな動きの巻上レバーです。
これをリズミカルに2回巻上して撮影するのはかなり楽しいと思います。
搭載されるレンズはヘキサノン48mmF2です。
非常に優れた写りをするレンズです。

お預かりしている「Ⅲ」は正確には露出設定にLV設定が導入され
それに伴いシャッターユニットもセイコーシャMXLに変更された
「コニカⅢL1」です(1957年発売)
「Ⅲ」でよく見かけるのはほぼこの「L1」か
さらに露出設定リングが小変更された「L2」で
初期の「Ⅲ」を見かけることはあまりないかと思います。
今回の「Ⅲ」はセルフタイマーがかかった状態で
タイマーが完全に固着していてどうにも動かない状態です。
セルフタイマーのトラブルは比較的「Ⅲ」に多いですね。
セルフタイマー機構はシャッターユニット内ではなく
ボディ側に配置されています。
そしてその整備性が非常に悪いです(苦笑)
その上、セルフタイマー自体が破損していると
その部分の交換は非常に困難です。
かなり強烈に固着していて少々のことでは動かない状態でした。
何とか固着は改善してやっとシャッターが切れるようになったものの
今度はシャッター羽根がいつものごとくかなり粘っていて
話にならない状態でした。ここはまぁ予想通りですが…

既に一通りの整備が完了した状態です。
シャッターは非常にスムーズに高速から低速まで動作します。
ファインダーの二重像ズレも解消され
レンズも非常にクリアになっています。
これから最終チェックを行って問題なければ完成となります。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「米の日」だそうですよ。
「米」の漢字を分解すると「八十八」になることからだそうです。
加えて米は収穫するまでに88の作業を要するとされることなどが
根拠として挙げられているそうです。
白米はやはり食卓から欠かせないですよねぇ…
おかずはシンプルで品数少なくても構わないので
白米に合うものであれば十分に美味しくいただけます。
私、朝は毎日、野沢菜と生卵で米1合食べて
仕事に来るのですがこれで夜までしっかり持ちますものね…
腹持ちも白米は最強です。
一昨日はヒサビサに会う友人と焼き肉に行きましたが
米を食べたい衝動を抑え込むのが大変でした。
(糖質制限的に焼き肉に白米はちょっとマズい…(苦笑))
適正価格が幾らなのかはちょっとよくわかりませんが
不自由なく毎日美味しい白米が食べられる日が続くように祈っています。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
当店にも多く修理依頼のあるカメラなので
何度も紹介しているカメラです。
ミノルタ初のTTL開放測光搭載モデルです。
開放測光に対応するため交換レンズ群も
連動爪が追加されたMCロッコールにモデルチェンジされました。
スペック的に突出する部分があるわけではないのですが
ミノルタらしく使い心地が良く
基本的に非常に丈夫なカメラなのでかなりのヒット商品になりました。
その上、ロングセラーともなり7年間生産が続けられました。
その上、モデルチェンジされたSR101やその前に追加されている
SR-TスーパーやSR505も基本的にはSR-T101をベースとしたカメラです。
それだけ基本設計に優れていて
ミノルタの機械制御シャッター機を代表するカメラだと思います。

お預かりしている「SR-T101」は
非常に外観のキレイな個体です。
現存台数の非常に多いカメラですが
雑な扱いを受けた個体も多く
かなりボロボロなモノを見ることが多いのですが
今回のSR-Tは非常にキレイです。
新品当時から丁寧に使われていたことがわかる個体です。

設定シャッタスピードに関係なくレリーズすると
ミラーアップしたままになってしまう状態です。
そして巻き上げるとミラーが下がってきて
とりあえずはファインダーも確認可能です。
原因はシャッター後幕の走行不良かと思われます。
後幕の走行がスムーズではなく走行完了時に
ミラーダウンレバーを蹴れない状態かと思われます。
そんな状態なので幕測も正常なわけがなく
シャッタースピードの精度も全く出ていない状態です。
かなり丈夫なカメラで
そうそうシャッターが切れなくなることはないですが
本来の動きをさせるためには定期的なメンテナンスはやはり欠かせません。

もうある程度、整備が完了した状態なのですが
分解時の画像を撮るのを忘れました…
シャッターは明らかにスムーズに動作するようになり
巻上も軽やかになっています。
初期のSR-Tは構造上巻上が少しだけ重めです。
電池室はもともとキレイで露出計も動作していたのですが
少しばかり問題があり
底部SWで電源をオフにしても
露出計指針が動いている症状が出ていました。
これはSR-Tで比較的よくあるトラブルで
底部のシンクロ接点や電池室マイナスからの配線がまとめてある部分の
絶縁不良で起こる症状です。
ここも分解してキレイに清掃したところ
問題なくオンオフもできるようなりました。
これから最終テストを行って問題なければ完成です。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「ガンバレの日」だそうですよ。
1936(昭和11)年のこの日に
ベルリンオリンピックの女子200m平泳ぎ決勝で
日本の前畑秀子が地元ドイツのマルタ・ゲネンゲルを
振り切って優勝したことに由来しています。
その様子はNHKラジオで初のオリンピック実況中継が行われ
NHKの河西三省アナウンサーが「前畑ガンバレ!」を23回
「前畑勝った!」を12回連呼。
その実況中継が日本中を沸かせたそうです。
この類いまれな熱い思いのこもった放送を
後世に伝えるべく生まれた記念日だそうです。
前畑選手はこのレースで日本女性初の金メダルを獲得しました。
スポーツの応援以外でも「がんばれ!」って
声かけてしまうことはいろいろあると思うのですが
たいていの場合、本人としては
「もうがんばってるよ!」と言いたい場合が多いでしょうね(苦笑)
私も昔はそう思ったこと多々あったなぁ…
それでも愛情こもった「がんばれ」は嬉しいですけどね。
もうあまり「がんばれ」と言われることもありませんが(笑)
今日もお仕事頑張りますか―――
今日、がんばれば明日(12日)から17日(日)までは
夏季休暇です。
ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願い申し上げます。

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
1968年発売のカメラです。
「じゃーに~コニカ」の愛称で大ヒットしたカメラです。
ハーフカメラ並みに小さなカメラで
露出もプログラムオート専用で簡単に使えるカメラです。
このカメラの大ヒットで
いわゆるレンズ一体型のコンパクトカメラの
小型化が一気に進みました。
そう意味でも歴史上のターニングポイントになったカメラです。
大ヒットカメラだけあって現存数は非常に多いです。
ただ元々がお求めやすいカメラで遮光をモルトに頼っていることや
安価で使いやすいカメラということもあり
扱いや保存状況の良くないものが多く
意外と程度の良いものは少なかったりします。

お預かりしている「C35」は正確には
1971年発売の「C35フラッシュマチック」です。
外部フラッシュ使用時のフラッシュマチック機構以外は
初代「C35」とほぼほぼ共通です。
長らくしまい込まれていたカメラだとは思われますが
保管状況は悪くなかったようで外装もとてもキレイです。
さすがにファインダーやレンズにカビは多少ありますが
それでも通常清掃で十分にクリアになるレベルです。
当然ながらモルトは全滅ですが
劣化した時点で祖勇者さんが処置を行ったのか
フィルム室のモルトはほぼキレイに取り払われており
加水分解したモルトが他に悪さをする状況でありませんでした。
ただしシャッターは動作不良で
シャッターを切ると羽根はゆっくりと開き
全て閉じないまま動きが落ち着いてしまいます。
数十秒経ってやっとすべて閉じるといった状況です。
ビハインドシャッターで羽根がフィルム室側に露出しているため
汚れが付着しやすい構造ではありますが
シャッターユニットからの油滲み等は少ないカメラです。
動作不良の原因のほとんどが羽根の粘りではなく
シャッター駆動部の円盤の動作不良によるものです。
今回もやはりそこが粘っていると思われます。
露出計は一応は動いていますが少々不安定で
電池室頃キレイなのですが
電池室裏のハンダは緑青で覆われいて
やはり配線が導通不良になっているようです。
マイナス端子側からCDSへの配線が特に酷く
CDS側のハンダにも緑青が付着しています。

コンパクトにまとめられたカメラですが
構造はシンプルなので整備性は良好です。
各機構も非常のよく考えられて作られています。
「C35」は頻繁に修理依頼のあるカメラなので
いつもの見慣れた光景ではありますが
そうときこそ気を抜かずに慎重に作業を行っていきます。
あらゆる仕事がそうだと思いますが
油断と焦りは禁物です。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「ながさき平和の日」を始め
いろいろ記念日が制定されていますね…
「8・9」と語呂も良いので
語呂合わせの記念日もたくさん制定されています。
そんな中に「ハンバーグの日」なんてのがありますね。
これも「ハ(8)ンバーグ(9)」と読む語呂合わせからだそうです。
ハンバーグ…子供の大好物ナンバーワンですよねぇ
あ、子供に限ったことではないですね
嫌いな方は本当に少ないと思います。
会社員時代はお昼や晩御飯に
びくドンやビッグボーイにも頻繁に行ってました。
お店でいただくハンバーグはこれがまた美味しいのですよねぇ
ここ数年、レトルトのお手軽ハンバーグや
マックのハンバーガーはたまに口にしますが
お店でハンバーグはずいぶんご無沙汰な気がします。
たまにはお店でじっくり美味しいハンバーグを
堪能したいですねぇ…近いうちに行ってみよう…

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
もはや伝説的な一眼レフですね。
1959年発売のカメラです。
ニコン初の一眼レフであり
ニコンFマウントが初めて採用されたカメラでもありますね。
ファインダー交換式で豊富なニッコールレンズ群
あらゆる撮影に対応するための膨大なアクセサリー群
システムカメラとしても非常に優れていて
報道分野等のプロカメラマンにも多く愛用されたカメラです。
細かいことはここでは触れませんが
「ニコンF」で調べると
いろいろなエピソードやデータが溢れるほど見られると思います。
発売当時から現代においてもやはり特別なカメラだと思います。

お預かりしている「F」はかなりの長い間
使われずに眠っていたものと思われます。
保管環境もあまりよろしくなかったようで
付属するファインダーやレンズにはかなりの
汚れがカビが見受けられ本体外装もかなり汚れてしまっています。
「ニコンF」といえばその堅牢性が語られることも多く
実際に非常に頑丈なカメラではありますが
さすがに今回は状態があまりよろしくなく
あちこちで動作不良が起こっている状態です。
シャッターはチャージ状態ではあるものの
レリーズボタンを押してもうんともすんとも言いません。
最初にアクションが起きるはずのミラーが動作不良で
全く動かない状況です。
ミラーを指で押し込んであげてやると何とかシャッターは切れるようです。
しかしながらとても精度が出ている状態ではありません。
定番のスローガバナ固着もおきています。

分解整備を行うことが大前提になっているカメラなので
整備性は非常に良好で調整箇所もいろいろなところに
組み込まれています。
まずはとにかく機械的に動作する部分をできる限り分解し
キレイに洗浄し最低限の注油を行って組み上げていきます。
ミラー駆動のためのバネは「ここまで必要か?」と思うほど
頑強なバネが使わているのですが
それでも積年の汚れや古い油脂で動かなくなるものです…
ミラー駆動バネだけではなく他のあらゆる部品も
基本的に太く厚く非常に丈夫に作られています。
その多くの頑強な部品が非常に高い精度で組み込まれるようになっています。
汚れをしっかり落として組み上げると
あれほど動かなかったのはなんだったんだというほど
きっちり精密に動くことが確認できます。
まだ仮組ですがおそらくわずかな微調整程度で
高速シャッターも十分な精度が出ると思われます。
さすがですね。
分解整備するたびにその完成度の高さに驚かされます。

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オリンパスペンEE-2のカメラ修理

今日は8月7日で「バナナの日」だそうですよ。
「バ(8)ナナ(7)」と読む語呂合わせですね。
私もバナナは定期的に買って自宅においてありますねぇ…
思いついたときに手軽に食べられるのがいいのですよね
もちろんとっても美味しいですし…
手で皮が簡単に剥けるのが手軽で助かるのです。
栄養価も非常に高く
頻繁に山を歩いていた頃には
行動食としても大活躍でした。
アフリカ諸国の中にはバナナが主食という国もあるそうです。
でもそういう国のバナナは日本でよく見かける
デザート用のバナナではなく煮たり蒸したりして
食べる料理用バナナなのだそうです。
通常イメージするバナナよりも野菜に近いものだそうです。
普通に手で皮をむいて生で食べるデザート用バナナは
そのままでも文句なしに美味しいですが
近頃の暑い夏を過ごしていると
しっかり冷房の効いた快適な喫茶店で
華やかに仕上げられたあまーいバナナサンデーが
食べたくなりますねぇ…

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-2」のカメラ修理を行っています。
ハーフカメラの代名詞的存在の「ペンシリーズ」ですが
その中でもカメラ初心者でも気軽に扱える
「ペンEEシリーズ」を真っ先にイメージされる方も多いと思います。
最初の「ペンEE」は1961年発売で
もちろん大ヒットし、1968年に改良型の「ペンEE-2」にモデルチェンジ
より使いやすくなって大ヒットを計測し
さらに1973年に「EE-3」にモデルちチェンジされます。
このあたりの時代ではめまぐるしくカメラの電子化・多機能化が
一気に進み、その時代の中で昔ながらのシンプルな
「EE-3」はいつのまにか孤高の存在になっていきますが
1986年まで生産が続けられ「ペンシリーズ」の
最終清算モデルとなります。
1986年当時は同じオリンパスから世界初の生活防水機能を実現した
全自動のコンパクトカメラ「AF-1」(ぬれピカ→ぬれてもピカソ)が
発売されています。
同じ時代に生産されていたとは思えないほどの違いですね…

お預かりしている「ペンEE-2」は
かなり長い間使われずにしまい込まれていたものと思われます。
シャッターはとりあえずは動作していますが
露出のオートは全く制御されていないようです。
受光部を覆い隠しても赤ベロは出ずシャッターが切れてしまいます。
反対に明るいところに向けても絞りはほぼ全開のまま
2段速の遅い方のSS(1/30)で切れているようなので
露出計がほぼ動いていないと予想されます。
さらにフィルムカウンターの戻りバネが効かないのか
「72」で固まったまま、裏ブタを開けてもゼロ復帰しません。
とてもこのままでは撮影に使えない状態です。

心配されるのはセレンの状態ですが
あまりよろしくないですね…
全く起電していないわけではないのですが
露出計は光に対してわずかばかりしか反応しないようです。
まだ取り掛かり始めなのでこれからですが
セレン本体が劣化でダメなのか配線かハンダ
あるいは抵抗の劣化で
露出計まで電流がうまく流れないのかを
これから調べていって対応していきます。
シャッターも経年相応の粘りや
レンズ・ファインダーにも汚れカビが見受けられますので
全体的な清掃整備を行っていきます。
シンプルでよく考えられた構造で
小さくても整備性は非常に良好なカメラです。

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オリンパスOMー1のカメラ修理

調べる前からわかっていましたが
今日は「箸の日」ですね。
「は(8)し(4)」(箸)と読む語呂合わせからです。
私も箸の持ち方はちょっとあやしいのですが
日本人たるもの箸は美しく使いこなしたいものですね。
毎年、この日が来ると
「毎日使うものだしちょっと良い塗り箸買おうかな…」と
考えるのですがなんだかんだ見送りになっています。
ちょっと後でいろいろ調べてみます。
気に入るようなものがあれば…

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もありますねぇ…「OM-1」毎月数台は
必ず修理を行っているカメラです。
ちゃんと集計したことはありませんが
おそらく機種別だと
ダントツに修理依頼の多いカメラだと思います。
それだけ現在でも大事に使われていることが
多いカメラなのだと思います。
元祖「軽量コンパクトな一眼レフ」ですね。
1972年発売(発売当初はM-1、翌年OM-1に改名)の
カメラですが
この頃の一眼レフは大柄で重いものしかない中
大幅に小型化され大ヒットしたカメラです。
さらに後になると電子制御機で
軽量な一眼レフは出てくるのですが
小さくてしっかり質感と精密感のあるカメラとしては
唯一無二のカメラかと思います。
ただし、他メーカーがやらなかった小型化を実現するために
独自の工夫や作りがいたるところに使われていて
それが故に多少デリケートな部分も多いカメラです。
それでも現行モデルであった頃は
非常に丈夫なカメラでしたが
生産から50年前後経過した現在では
当時の大柄で頑丈なカメラよりは
多少手がかかるカメラかとは思います。

お預かりしている「OM-1」は精悍なブラックボディです。
おそらく結構な長い間、
使われずに保管されていたカメラかと思われます。
まずは定番のプリズム腐食です。
プリズムと接眼レンズの間の遮光を行うために
貼られている内部モルトが加水分解を起こし
プリズムの蒸着を侵食することで起きる現象です。
何も手を入れられていない「OM-1」だと
ほぼ間違いなく発生するトラブルです。
幸いなことにまだキレイなプリズムは入手可能なので
当店では交換で対処します。
シャッターは一通り切れていて
露出計も一応は動作します。
しかしどちらもやはり精度は出ていません。
巻上のフィーリングも少々重々しい感じです。
積年の内部の汚れにより
動きが妨げられている状態なので
各部の分解整備を行います。

画像はまだ取り掛かり始めの段階ですが
ボロボロになったモルトとプリズムの腐食もしっかり写っていますね。
フィルム室のモルトはもちろんですが
内部に使われているモルトも定期的に交換されることが
前提で使われています。
致し方がないことですが何十年も未整備だと
これに限らず不具合が出てしまうのは当然です。
見慣れた内部の光景ですが
先述したようにデリケートな部分の多いカメラなので
集中して分解整備を行っていきます。

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ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「はちみつの日」だそうです。
「はち(8)みつ(3)」と読む語呂合わせからですね。
花の蜜のことをはちみつと呼ぶと考えられがちですが
花の蜜とミツバチの巣の中で貯蔵されたはちみつには
物理的・化学的な性質の違いがあるそうです。
まず花の蜜ははちみつよりも糖濃度が低いのです。
一般に花の蜜の糖度はミツバチが採集した段階で40%未満ですが
巣に持ち帰られた後で水分の発散が行われる結果
はちみつの糖度は80%前後に上昇します。
また、採集された花の蜜はショ糖液、
つまり水分を含んだスクロース(ショ糖)であり
ミツバチが巣に持ち帰ったはちみつは
ミツバチの唾液に含まれる酵素が蜜に混入し
その作用によって蜜の中のスクロースが
グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)に
分解されるのだそうです。
他にも、はちみつにのみコリンが含まれます。
コリンはミツバチの咽頭腺から分泌される
ロイヤルゼリーに含まれる物質です。
ロイヤルゼリーは女王バチの幼虫に与える食物で
女王バチが長寿で体も大きくなるのは
栄養価の高いロイヤルゼリーのおかげなのだそうです。
私、ほぼ毎日、プレーンのヨーグルトを口にするのですが
そのままだとさすがに食べにくいので
蜂蜜をたっぷり目にかけていただいています。
あの濃厚でねっとりとした甘さがたまらないのですよねぇ…
ただし…要は大部分が糖分なので
摂りすぎには要注意です…

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
大ヒットした「SP」の後継機で
これより2年前に出た電子制御機「ES」と同様に
SMCタクマーレンズを使用することによって
開放測光ができるようになったカメラです。
基本はねじ込みM42マウントのままなのですが
SMCタクマーレンズ用に定点ピンを設置し
絞り情報伝達機構が追加されています。
これまでのタクマーレンズ群(M42マウント)も
もちろん装着可能で
その場合はSP同様に絞り込み測光で測光します。
基本的なシャッターや巻上機構は「SP」と同様ですが
開放測光対応のために露出計回路は一新されています。
その中で「フォトスイッチ」が採用されています。
レンズキャップをしてファインダーに光が入らないようにすると
露出計が自動的にオフになるといったものです。
接眼レンズの上に測光用とは別で特製の異なるCDSを配置し
光が当たらないと抵抗値が最大値になり電流を遮断するという仕組みです。
そのため「SPF」には物理的な露出計SWが存在しません。

お預かりしている「SPF」は
まず定番のプリズム腐食です。
ファインダを覗くと中心部の少し下の
水平方向に黒い帯が見えています。
どうにも邪魔で気持ちよく撮影できない状況です。
加えて古い油脂類や汚れの影響で
シャッターやミラー動きは悪く
シャッターの精度は全く出ていません。
低速SS時にはミラーアップしたままになることもあります。
プリズム交換の上で各駆動部の清掃整備が必要な状況です。

画像にもプリズム腐食が写っていますね。
SP系のプリズム腐食の原因は
プリズムをぐるっと囲むように貼られた
遮光材の加水分解が原因です。
これがプリズムの塗装面に浸食し
さらにその内側の鏡面蒸着まで剥離させてしまいます。
余談ですがSPFはSPとのプリズム互換はありません。
それでもまだキレイなプリズムは入手可能なので
プリズム交換で対応いたします。
その前に分解を進めて各駆動部の清掃整備を行っていきます。

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キヤノンEXEEのカメラ修理

今日は「カフェオーレの日」だそうですよ。
6月1日が「世界牛乳の日」であり
10月1日が「コーヒーの日」であることから
その真ん中の日をコーヒーとミルクを混ぜて作る
「カフェオーレの日」としたとの由来です。
まったり甘いお茶うけと一緒にいただく
ガツンと苦いブラックのコーヒーも美味しいですし
毎日のようにいただく牛乳もそれぞれ美味しいですが
そのミックスともいえるカフェオレは
何とも優しくて口当たりもよく本当に美味しいですね。
私、普段はこれといって昼食をとらないので
お昼と午後3時に糖分補給を兼ねて
少し甘めに仕上げたカフェオレを毎日いただいています。
仕事中のちょっとした気分転換にも最適です。
ただ、甘くし過ぎないように少し気をつけていますが…
(血糖値高いですからね…(苦笑))

さてさて

本日は「キヤノンEXEE」のカメラ修理を行っています。
EXシリーズは「キヤノンFシリーズ」の時代の
エントリー向け一眼レフなのですが
少々変わったカメラです。
フォーカルプレーンシャッタの
一眼レフなのでレンズは交換式ではあるのですが
交換できるのは絞りより先端部分の前玉部分のみです。
絞りはボディ側と一体となっていて
絞りより後ろに2群3枚のレンズが固定されています。
コンパクトカメラにあるコンヴァージョンレンズのようなものです。
標準としてもともとカメラにセットされているのは
50mmF1.8です。
交換用前玉群は他に広角側から35mmF3.5、95mmF3.5
125mmF3.5が発売されています。
なるべくコストを抑えてシャッタースピード優先オート露出を
搭載した一眼レフ…を実現するためにこうなったようです。
他の一眼レフと大きく異なるのはここだけではなく
ボディ側に固定されている絞りをマニュアルで変更する場合は
鏡胴リングではなく巻き戻しクランク部に配置された
オート切り替え兼電源SW部で行います。
ここで絞りを設定してマニュアル撮影も可能ですが
その設定しやすさを考えても
やはり基本はシャッタースピード優先オートで撮るカメラです。
マニュアル時には露出計も使えませんし…
そしてファインダーも空中像式といわれる変わったもので
要はマット面を持ったスクリーンを装備していません。
ほぼ素通し状態なのでファインダーは非常に明るいです。
ただしマット面がないのでピントは中央部のプリズムでしか
合わせることができません。
レンジファインダー機のようなイメージですね。
普通の一眼レフとはいろいろ考え方が異なって
なかなか面白いカメラです。

お預かりしている「EXEE」は
かなり長い間、使われずにしまい込まれていたものと思われます。
各駆動部は明らかに油切れで
シャッターは動作しますが切ってみると
未整備のFシリーズ系にありがちな
ギャインという耳障りな音がしています。
当然ながらシャッタスピードの精度は全く出ていません。
そして電池室端子やその裏の配線腐食のため
露出計が全く動きません。
シャッタースピード優先オートで撮ることが基本のカメラで
露出計が使えないとさすがに困ります。
さらにファインダープリズムは視野の半分以上を見えなくするほど
プリズムが激しく腐食してしまっています。
EXEEはプリズム周りにモルトは使われていませんが
コストの関係かプリズム自体の蒸着劣化による腐食が多い印象です。
これは程度の良い中古品と交換で対処します。

画像でもプリズム腐食がはっきりわかりますね。
基本的なシャッター部や巻上部の構造は
他のFシリーズでも見慣れた光景であまり変わりはありません。
ただしレンズ周りが全く異なるので
多少分解手順が変わってきます。
それでも整備性は悪くないカメラです。
画像に写っているレンズ部分はボディ側と一体となる
後玉+絞り部分です。
ここもそうですが装着されていた50mmF1.8前玉部分にも
カビがそれなりに発生しているのでこちらの清掃も行っていきます。

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リコーオートハーフのカメラ修理

今日は「蓄音機の日」だそうですよ。
1877(明治10)年のこの日に
アメリカの発明家トーマス・エジソンが
「蓄音機」の特許をとったとされていることからだそうです。
現在のレコードプレーヤーのご先祖様ですね。
私もいまだにレコードを聴くことも頻繁にあるので
レコードプレーヤーはちゃんと持っています。
安物ですが真空管アンプもあります。
レコード盤から小さな埃等を飛ばして
針先を簡単に清掃してレコードをセットして
針を落とす一連の動作は新鮮さはないですが
何とも言えず楽しい時間です。
フィルムカメラでの撮影の一連の動作にも
通じる部分がありますね。
…まぁ結局…10代の頃に馴染んだものからは
離れられないってことかもしれません…(笑
話を少し戻しますが…
昔手に入れて散々聴きこんだ
レコードにカセットテープにCD…
そしてそれらから複製したデジタル音源…
使いこなせば便利な上にいろいろ楽しめますが
なかなかややこしいことになってきています。(苦笑)
いや…今、自宅の模様替えをやっているのですが
オーディオ環境の配置や配線が面倒なことになっていて…(汗)
時間を作ってぼちぼちやらなければ…

さてさて

本日は「リコーオートハーフ」のカメラ修理を行っています。
「オートハーフ」もシリーズ化されて
いろいろなモデルが存在しますが
今回は1962年に発売された初代オートハーフです。
四角いボディの前面にレリーズボタンがあるのが特徴です。
ハーフカメラも各メーカーからいろいろ出ていますが
代表格はやはりオリンパスペンシリーズと
このオートハーフシリーズかと思います。
特にオートハーフは
「誰でも簡単にシャッターを押すだけで撮れる」
全自動カメラを目指したカメラです。
後に電池制御満載な「全自動カメラ」は90年代あたりから
いろいろ出てきますがオートハーフは60年代です。
当然、電子技術など確立されておらず
全てが機械仕掛けで制御されます。
自動露出はセレン光電池を使用する
露出計指針をレリーズ時に挟み込むことで露出計を決定し
ピントは固定焦点ですべての撮影をカバーします。
極めつけは巻上をゼンマイ仕掛けで行います。
それでいて幅90mm、高さ71.5mm、奥行き31mmの
気軽に持ち歩けるコンパクトさを実現しています。
反対に現在ではもう作ることができないであろうカメラかと思われます。

お預かりしている「オートハーフ」は
ゼンマイ巻上が固着しているうえに
シャッターも切れない状態でした。
そのうえ露出計もファインダーから確認する限り
動作していないような状況でした。
ほぼすべての機能に問題がある状態です。
内部はよく考えられたカラクリ仕掛けで
繊細な部分も多いため積年の汚れや古い油脂で
いとも簡単に固着します。
今回もトラブルの多くはこういった原因の
固着や粘りが原因でした。
最も心配していたのはやはり交換となると入手の難しい
セレン光電池でしたが若干の劣化はあるものの
起電的には問題がなく調整や抵抗で
問題ない状態に復帰できそうです。
あとは分解して入念に細かい部分まで清掃整備を行い
調整をこれまた念入りに行います。

既に一通りの分解整備は完了し
最終テストを行っている段階です。
動きは非常にスムーズになり
全く問題なく撮影に使うことができます。
外装もできるかぎり磨き上げて見違えるほどになりました。
あくまで当時の普及カメラなので
部品一つ一つを見ていくと華奢な部分も多いですが
それなりに丁寧に使っていけば
まだまだ長く使い続けられるカメラだと思います。
ご依頼者様はまだおそらくこのカメラでの
撮影自体は経験がないと思われますので
存分に当時の撮影スタイルを楽しんでいただければと思います。

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