月別アーカイブ: 2017年11月

キヤノンA-1のカメラ修理

今日は11月4日。。。
1979年に日本シリーズで
広島東洋カープが近鉄バファローズを下し
初めて日本一となった日ですね。
忘れもしない3勝3敗で迎えた第7戦
4-3でカープ1点のリード
しかし無視満塁、一打サヨナラ逆転で
日本一は近鉄のものになるという場面
江夏投手が0点で抑えた「江夏の21球」で有名な場面ですね。
テレビ観戦していましたが
子供ながらにあんなに胃が痛くなるような
場面はなかったですね。。。
負けていたらトラウマになっただろうなぁ。。。

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
「カメラロボット」と呼ばれ、
当時最新鋭の電子制御システムを搭載した高級機です。
露出モードも、プログラムAE、絞り優先AE
SS優先AE、実絞りAE、フラッシュAE、と
5モードAE搭載というセールスポイントもありました。
1978年発売開始で
キヤノンAシリーズの頂点に君臨するモデルです。

キャノンAシリーズの全てのモデルは
機械的部分のベースはAE-1です。
ということで機械的トラブルはAシリーズ全モデル
同じようなことが起きます。
その最たるものが「シャッター鳴き」で
今回お預かりのA-1にも発生していました。
シャッターを切ると「ギャイン」という
耳障りな音がなるというものです。
音が鳴るだけならまだいいのですが
症状が進むとミラーがゆっくりとしかアップできなくなります。
酷いものになるとミラーが動かず
シャッターが切れなくなる場合も有ります。
他にAシリーズで多いのは巻上鳴きや
オート絞りレバー動作不良によるオート不良あたりでしょうか

現在、出ているトラブルは当然ですが
懸念されるトラブル原因箇所も一通り対処して
組みあがったところです。
露出計やオート精度も調整しています。
これから最終チェックを行って完成になります。

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キヤノネットQL19のカメラ修理

明日は「文化の日」ですが
(当店も祝日のためお休みです)
11月3日といえば子供の頃、近所の神社で
秋祭りが行われる日だったのですね。
で、その前の日の夜は前夜祭みたいな感じで
「よごろ」と呼ばれるお祭りが行われます。
翌日の本番同様露店も出ます。
夜のお祭りということもあり
子供心に非常に楽しみにしていました。
「よごろ」って呼ぶのは広島あるいは呉だけかなぁ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL19」のカメラ修理を行っています。
1965年に発売されたモデルです。
社会現象にまでなった初代キヤノネットをベースとし
巻上げレバーは底面から一般的な上カバー部へ
受光部はセレン光電池からCDSへ変更されました。
それから忘れてはいけないキヤノンお得意の
「クイックローディング」が搭載されました。
モデル名のQLはその頭文字です。

キヤノネットQL19(17)はその生産時期によって
使用電池が異なります。
どちらにしても1.3Vの水銀電池ですが
まず電池室のフタがバヨネット式のものは
他のカメラでもおなじみのMR9を使用するモデルです。
そして電池室フタがねじ込み式のものは
MR50を使用します。
今回お預かりしているQL19はこちらです。
現在のボタン電池1.5Vで対応できるように
調整いたしますが電池装着には一工夫必要です。

針挟みこみ式のSS優先オートを搭載しますが
これは電池を入れてある程度、露出計の針が振れないと
もちろんシャッターは切れません。
しかしながら今回はマニュアルでも全くシャッターが切れません。
定番のシャッター羽根の粘りも当然ありますが
それよりもシャッターロック機構の動作不良で
レリーズができない状態でした。

写真は整備後です。
露出計も不動でしたがもちろん動くようになりました。
コンパクトカメラと呼ぶにはちょっと大柄ですが
そのぶん余裕を持って作られていると思います。
一般的にはこの後に出てくる
ニューキャノネットやGⅢが人気ですが
初代や「S」、それからこの「QL19」や「QL17」の
余裕のあるしっかりした造りはなかなか魅力的です。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日から11月です。
「1(ワン)1(ワン)・1(ワン)」ということで
「犬の日」だそうですよ。
いつかは私も犬買いたいですねぇ。。。
小型犬もかわいいけど大型犬がいいなぁ。。。
なかなか実現しそうにないのですが。。。

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコンFの時代の中級機で1967年の発売開始です。
ニコマートFTシリーズの中でも
このFTNからいわゆる「ガチャガチャ」(絞りリングを往復させる)で
装着レンズの開放F値が自動でセットされるようになりました。
加えてFTNから露出計が中央部重点測光になりました。
ニコマートシリーズの中では最も見かけるモデルだと思います。
それだけ大ヒットしたわけですね。
シャッターはコパル製でこれも非常に丈夫にできています。
色々な箇所で当時のフラッグシップだった「F」に比べると
コストカットされている部分はありますが
非常にしっかりと造られているカメラです。
ニコンらしい質実剛健さに溢れているカメラだと思います。

今回、お預かりしているニコマートFTNは
ご依頼者のお父様のカメラだそうです。
詳細はお聞きしていないのですが
随分長い間使用されていなかったのではないかと思われます。
付属していたニッコールオート50mmF1.4には
相当のカビが付着しており
一部はレンズ表面を完全に侵食しています。
シャッターは何とか動作しますが
油切れあるいは汚れが原因で高速シャッターは精度がでておらず
露出計は全く動きません。

既に一通りの整備は完了しており
駆動部の油が馴染んだ頃に最終チェックを行い
整備完了となる運びです。
ニコマートFTNはシルバーもブラックもそこそこ見かけ
ブラックも精悍で非常にカッコ良いですが
シルバーが似合うよう気もします。

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