日別アーカイブ: 2020年1月22日

ミノルタXEのカメラ修理

今日は「飛行船の日」だそうですよ。
1916年(大正5年)のこの日に
初の国産飛行船である「雄飛号」が実験飛行を行ったそうです。
少し昔に無人の広告用の飛行船を
たまに見かけることがあったと思いますが最近は見ませんね
ゆっくりフワフワと移動する飛行船は
何とも優雅で見ていても楽しいと思います。
そういえばその広告用の飛行船で
「富士フイルム」のロゴが大きく入ったものを見た覚えが。。。
その頃はフィルム全盛期ですからね。
少し前だと思っていますがもう随分昔なのか。。。(汗)

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
前年に発売された「X-1」に続く
Xシリーズ第二弾のカメラです。(1974年発売)
この頃はまだ機械制御シャッターのSR系も製造していましたが
X-1、XEの登場により
ミノルタは電子制御シャッターがメインに変化していきます。
他メーカーに比べてもかなり早い段階で
機械制御シャッターからは撤退したわけですね。
。。。とはいえ後でも書きますが
この時代の電子制御機は修理する立場としてはかなり厄介です。
それでも今回のXEや後に出るXDは
カメラとして非常に魅力的であり
直せる間は何とか対応していきたいと思います。
(ただし修理不能な場合も現時点で多々あります)
XEの特徴は何と言っても
コパル・ライツ・ミノルタの三社で共同開発した
コパルライツシャッターだと思います。
XEの最大の魅力である巻上の滑らかさは
このシャッターユニットによる部分も非常に大きいです。
巻上だけでなく上品なシャッター音、ミラー駆動音、
ピントの山の掴み易いファインダー、
ふわりと動く露出計指針等々、
使い心地の部分で非常に優れた1台だと思います。
ただし、この時代の一眼レフなので大きくて重いですね。。。
スペック時代は最高速1/1000のシャッターと絞り優先AEと
この時代の標準的なものですが
同時期の他のカメラにない魅力があると思います。

XEといえば何はともあれ、プリズム腐食が一番の心配点です。
今回、お預かりのXEは過去に内部のモルト交換もされているようで
(。。。といってもおそらく随分昔)
そこは心配がないようです。
余談ですが当店も腐食の全くないXEのプリズムは在庫がなくなりました。
どこかでプリズムのキレイな部品取りを確保したいと思っているのですが
XEの場合、難しいのがファインダーを覗いたときは
一見、腐食もなくキレイに見えているようでも
実際にプリズムを降ろすときに
加水分解したモルトと一緒に
プリズムの蒸着が剥げてしまうことがよくあります。
本当に劣化したモルトは厄介です。。。

お預かりしてるXEの話に戻ります。
動作自体は一通り動いていはいるのですが
若干、露出計が振り切り気味(アンダー気味)なことと
レリーズロック機構の動きが悪いようで
巻き上げているのにレリーズが異様に押しづらいときがあります。
露出計の件はXEでよくある巻戻しクランク下の
摺動抵抗の汚れが原因で
これをこのまま放置しておくとどんあ明るさでも
1/1000以上に指針が振り切ってしまうトラブルに発展します。
加えて現状チェック時に発覚したのですが
まれにミラーアップしたままになってしまうようです。
これもXEでよくあるトラブルで
ミラーアップしたままになるだけならまだしも
この症状が出るときはシャッターは開いていないというがパターンです。
原因は接点の不良やハンダの劣化や基板不良等々
幾つかの原因が考えられるのですが
整備しながら探っていきたいと思います。

写真の手前は同じご依頼者の方からお預かりしているXDです。
こちらは一足早く整備は完了して様子見の段階です。
奥が今回のXEですがまだ上カバーを外しただけの状態です。
XEもXDは両方ともXシリーズを代表するカメラだと思いますが
ミノルタらしく使い心地が気持ちよいカメラです。
私も両方とも個人的にも持っています。
(最近、出番があまりないのですが。。。(汗))

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