日別アーカイブ: 2020年1月23日

ニコンFM2のカメラ修理

今日、1月23日は「ワン・ツー・スリーの日」だそうですよ。
うーん、そのまんまですよね(笑)
人生に対してジャンプする気持ちを持とうとする日だそうです。
。。。もうジャンプするのは無理かなぁ(笑)
足元にたくさんある石や亀裂につまづかないように
そーっと歩いて目の前に険しい壁が出ればトラバースし
渡れない谷が出れば引き返すって感じですね(笑)
それでなくても綱渡りのような人生だから
ジャンプするとどこまでも落ちてしまいます。。。
あ、ネガティブ過ぎですね(汗)
まぁ、慎重に少しずつ確実に進むのがいいですよね。
そういえば子供の頃からいわゆる「ポジティブ」に物事を考えるのが苦手です。
逆に常に最悪の状況をイメージして
何が起こっても動揺しないように身構えておくとか
あまり良い結果じゃなかったとしても
「まぁ、最悪の事態じゃないからいいか。。。」と開き直ります。
人それぞれ合った考え方があるから
何でもかんでも「ポジティブシンキング」にはちょっと疑問符かな
(昔いた会社でかなり強要されましたが。。。)
それでも比較的ストレスフリーで生きていけてますよ(笑)

前置きが長くなりました(汗)
本日は「ニコンFM2」のカメラ修理を行っていきます。
今でも大人気の機械制御シャッターのマニュアルカメラです。
機械制御シャッター機であっても
今となっては修理不能なことは多々ありますが
やはり安心度は高いということでFM系は大人気です。
古くはニコマートFT系をルーツに持つ「ニコンFM」ですが
「FMシリーズ」にバトンタッチされた際に
ボディは適度にコンパクトになり
レンズとの連動はAi連動が基本となりました。
基本的にはニコマートFTの時代から
「コパル縦走りシャッターを機械制御するマニュアルカメラ」といったポジションです。
「FM2」は「FM」をベースに正常進化したモデルで
1982年に発売されました。
何と言っても注目は1/4000のシャッター最高速ですが
これはあくまでも副産物で
シンクロ同調速度が1/200になったことが技術的なハイライトです。
フォーカルプレーンシャッター機での
フラッシュシンクロはシャッター幕が一瞬全開になることが必要ですが
それが満たされる最高速が1/200ということです。
それ以上のSSでは一部分しか開かないスリットとして露光されるわけですね
これを説明し始めると長くなるので割愛しますが
1/200シンクロは報道写真等の分野で相当歓迎されたと思います。
何と言っても幕速を早くしなくてはいけないので
FM2のシャッター幕には軽量化のためハニカム状に肉抜きされた
チタン製のシャッター羽根が使われています。
後のニューFM2途中からは技術的に幕速の問題がクリアされたとのことで
通常のアルミ製シャッター羽根に変更されますが
このチタン製ハニカム加工シャッター羽根が見られるのは
FM2とニューFM2の一部、FE2の一部のみです。
ただし、このシャッター羽根採用モデルは
シャッター羽根のかしめ部分の耐久性に少々問題があるようで
突然シャッター羽根がバラバラになる。。。ということがあるようです。
そのためお預かり時には大変神経を使います。
お預かりしているときにそんなことになったら目も当てられません(汗)

お預かりしているFM2は
ご依頼者様が30年以上愛用されているものだそうです。
適度に使い込まれてなかなかよい感じです。
精度はともかくシャッターは動作しているのですが
露出計の電源が全く入らないようです。
FM系の露出計はLEDで+・〇・-を表示するタイプですが
たまにこれが振り切ったまま明るさに反応しない個体を見かけます。
こうなるとLED制御部のトラブルで残念ながら修理不能なのですが
今回は全く電源が入らないようなので
LED制御部ではなく電池室から露出計制御部への
配線異常あるいは断線ではないかと思われます。
(。。。とはいえ最初の話ではないですが最悪の場合も想定しておきます。。。)
電池室そのものは非常にキレイなのでまずは電池室裏側の
ハンダ部が疑わしいと予想されます。
何にしてもミラーボックスを外して配線をチェックする必要があり
これから本格的に取り掛かります。
もちろんその際にシャッターユニット・ミラー駆動部の整備も並行して行います。
できることならFM系の露出計も
FE系と同じように指針式ならメンテナンス的には容易なのですが。。。
当時は指針式は衝撃に弱いなんて言われていましたから
LED式が持ち上げられていた時代ですね。
そんな部分を少し差し引いても
基本的にFM2はニコンらしく堅牢でしっかり作られた上に
使いやすく非常に魅力的なカメラです。

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