月別アーカイブ: 2020年5月

ニコンFのカメラ修理

今日は「えんぴつ記念日」だそうです。
修理作業のために「鉛筆の粉」を使うことはありますが
筆記具として鉛筆を使うことはさすがになくなりましたね。。。
小学生低学年の頃はまだ鉛筆が当たり前だったかな。。。
高学年になった頃はシャーペンがずいぶん普及して
ほぼシャーペンで書くようになっていましたねぇ
でもそれなりに鉛筆も使っていたし
教室の後ろの棚には必ずでっかい鉛筆削りがありました
(クランクを手で回すタイプのやつ)
家の学習机には電動鉛筆削りが組み込まれていて
ちょっと先が丸くなったらすぐ削ってたなぁ(笑)
後ろに小さな消しゴムが付いた鉛筆も
よく使っていました。。。鉛筆一つでいろいろ思い出しますね。
そういえば今でもダーマト(芯の太い赤鉛筆)は
フィルムのプリント指示とかを書き込むために使いますが
これ子供の頃にも家のいたるところにあって
(じいさんが使っていた)
不必要に糸を引っ張って芯を出しては怒られたなぁ
(使ったことある人しかわからないネタですみません)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
一眼レフの歴史を語る上で決して外すことのできない
伝説の名機ですね。
何がすごいかいうと「これでもか」といわんばかりの頑丈さです。
分解してみるとよくわかりますが
明らかにオーバークオリティな強度の部品が使われていて
普通に使っている限りは壊れることはないのではないかと考えさせられます。
。。。。とはいえ部品そのものは丈夫でも
定期的メンテを行わないと動きが悪くなってしまうのは避けられません。
それでもやはり「F」致命的な部品破損や変形の非常に少ない
カメラだと思います。
加えてその機械的な精度の高さも同時期の他カメラと比べると
やはり明らかにレベルが違います。
当然それだけ頑丈に作られているため
大きく重いのは当然ですが
どんあシチュエーションでも撮影が中断されることのないように。。。という
明確なメーカーからのメッセージが伝わってくるカメラだと思います。

お預かりしている「ニコンF」はアイレベルファインダーの装着された
精悍なブラックボディです。適度に使い込まれた感もありますが
それはそれでよい味を出していると思います。
お預かり時にとりあえずしゃったーは切れているかな。。。と思いながら
SSチェックも行ったのですが
なんと1/60~1/1000まで高速シャッターが全てまったく開きません。
1/30以上のスローガバナが介入するSSにばってやっと開きます。
SSダイヤル下の調速カム周りの動作不良が原因かと思われます。
何とかシャッターの開く低速側も
スローガバナの粘りがあり問題なしとはいきません。
とにかく動作部分にいろいろ動作不良が起きている状態です。
それでもきちんと清掃・注油の上、再調整を行えば
問題なく動作するようになります。

写真は一通り作業の終わった段階で撮ったものです。
しゃったーは全く問題の精度で1秒~1/1000まで動くようになりました。
「F」の唯一の泣き所といえばプリズム腐食で
今回の「F」も目立つほどではないのですが
やはり中央縦方向にわずかながら腐食があります。
これはもう交換用のプリズムが入手不可なので残念ながら現状のままです。
今回くらいであれば全く問題ないレベルではありますが。。。
装着されているレンズはプリセット絞りの
「PCニッコール35mmF3.5]です。
シフトアオリ機能の付いた特殊レンズです。
外装・レンズ共にカビ汚れが酷かったため
できる限りの清掃とヘリコイドグリスアップ
絞り羽根の清掃を行っています。
ボディ・レンズ共に
非常に気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は5月1日。。。
昨年の今日に「令和」に改元されて丸1年
今年は閏年だから「八十八夜」も今日ですね。
「夏も近づく八十八夜♪」と「茶摘み」でも歌われていますが
外は本当に初夏の陽気です。
お店にいても冷房付けたくなるほどです。。。
さらに今日は語呂合わせの記念日も多くて
「語彙の日」、「恋の始まる日」、「鯉の日」
「コインの日」。。。等々
ちょっと変わったところでは「扇の日」。。。
紫式部の『源氏物語』において
女性が光源氏に扇(おうぎ)を贈っていることから、
「こ(5)い(1)」(恋)の語呂合わせで記念日となっています。
紫式部で思い出したけど
入院騒ぎやそれに続く世の中のコロナ禍で
すっかり忘れ去っていましたが
百人一首を覚えようと思っていろいろ2月に資料を集めているのですよ
そろそろそれも時間を作って取り掛かなければ。。。(汗)

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
ペンFTの修理、コンスタントにありますね。
毎月1、2台はブログに書いているような気が。。。
「ペンF」よりも「ペンFT」の修理依頼のほうが
圧倒的に多いですね。
「F」も「FT」もその独特なミラー駆動部周りや
ロータリーシャッターを制御しているガバナのトラブルは
共通項ですが
「FT」の場合はそれに加えて
何らかの露出計トラブルが加わります
(露出計用のハーフミラー劣化等も含む)
冷静に比べても「FT」のほうが巻上等も含めて
トラブルが多いような気もします。
。。。とはいえ、「ペンFシリーズ」は
他のカメラでは見ることのできない
独特なフォルムや独創的なメカニズム等
非常にたくさんの魅力があるカメラです。
私も昔、個人的に撮影に使っていた時期もありました。
撮影していてもとても楽しいカメラです。

お預かりしている「ペンFT」は
定番の露出計トラブルで非常に指針が不安定です。
電池室~受光体・露出計への配線に接触不良があるようです。
ペンFTの修理で毎回、問題となる
受光体へ光を導くためのハーフミラーですが
今回はめずらしく問題のない状態でした。
ただ、ファインダーは随分曇ってしまっていて
とても快適にピント合わせのできる状態ではありません。
ファインダースクリーンやプリズム、拡大レンズや
ダハプリズム、接眼レンズ、通常の一眼レフに比べると
複雑な経路のファインダー光路にかかわる部分は全て清掃します。

写真は一通り整備を行った後のものです。
今回はシャッターはとりあえず動作はしていましたが
ペンF系はとにかくガバナとミラー駆動部にトラブルの多いカメラなので
予防も含めてその辺りの整備は必ず一通り行います。
今回もその甲斐あってシャッターの動きもスムーズになり
巻上の感触もかなり気持ちの良いものになりました。
そういえば今回、電池室の蓋が妙に締まりにくい症状があり
作業前によくよく調べてみると
おそらく以前に斜めに差し込まれたまま
強引に回して締めてしまったことががあるようで
蓋側も受け側もネジ山が破損してしまっていたので
交換で対応しました。
何事もそうですが力任せで強引なことをすると
たいていがロクなことになりません(笑)
もうひとつ余談ですが
もともとアクセサリーシューが装着されていたのですが
ペンF系のアクセサリーシューは
接眼レンズ枠に引っ掛けて装着するものですが
その接眼レンズ枠がプラスチック製で
経年劣化で脆くなっているものが多く
シューをつけていることによって破損してしまうものが多いのです。
今回も接眼レンズ枠が割れかかっていたので
補修・補強してシューは取り外しておきました。
本当にフラッシュ等を装着するとき以外は
普段から外しておくことをお勧めします。

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