月別アーカイブ: 2020年9月

オリンパスOM10のカメラ修理

今日は「CMソングの日」だそうです。
今年もこの日がやってきましたか。。。
今日が「CMソングの日」だとわかってから
「あらピンボケだ♪おやピンボケだ♪みーんなピンボケだ♪」という
恐怖の(笑)フレーズが脳内でリフレインされて止まりません(笑)
1951年(昭和26年)のこの日に
初めてCMソングを使ったラジオCMが流されました。
小西六写真工業(後のコニカ)の「さくらカラーフィルム」のCMで
流されたCMソングが先程のフレーズを含む
「ボクはアマチュアカメラマン」だったのですね。
でもこのCMソング、
歌の中に社名もさくらカラーの商品名も一切出てきません。
出てくるのはこの時代に良くあったであろう
写真撮影の失敗談ばかりなのです(笑)
まぁ時代を感じさせますね。
今のスマホとかの写真と違って
普通に映すだけでもそれなりにスキルが要求された時代の歌です。
1951年だからスプリングカメラが主流だったころですね。
それに加えてその頃のフィルムの性能を考えると
なかなか普通に撮ることもそれなりに難しい時代ですねぇ。。。
一応言っておきますが私はまだ生まれてませんよ(笑)
この「ボクはアマチュアカメラマン」youtubeで簡単に聴けるので
興味のある方はぜひ!意外と耳に残りますよ(笑)

さてさて

今日は「オリンパスOM10」のカメラ修理を行っています。
上記のCMソングから28年後の1979年に発売されたカメラです。
この時代になるとカメラもいわゆる高級な嗜好品ではなく
一般的な家電製品に近いものが主流になっていきます。
そうなってくるとカメラをあまり触ったことがない人でも
簡単に失敗なく撮影できるものが求められてきます。
あ、もちろんお求めやすい価格というのも大前提です。
そうした中、各メーカーから
「絞り優先AE露出専用機でボディ価格が4万円」というカメラが
次々と発売されそれぞれ大ヒットします。
それが今回の「OM10」であり「ミノルタX-7」であり
「ペンタックスMV1]であり「ニコンEM」であるわけです。
いわゆる70年代初期の一眼レフに比べると
軽量コンパクトで使いやすく操作もシンプルになりましたが
それでも、まだ手巻きですし感度設定やピントもマニュアルですし
露出も絞り優先AEなのでそれなりに写真に関する知識がないと
使いこなすことはそれなりに難しかったと思います。
それでもまだ引っ張りますが
上記のCMソングの頃よりは随分失敗が少なくなっていたはずです(笑)
OMシリーズのエントリー機でもある「OM10」ですが
ベースは同社の高級機「OM-2」が基本となっています。
OM-2の機能をいろいろと削り部品点数を少なく仕上げることにより
お求めやすい価格とシンプルな操作性を実現したカメラです。
。。。とはいえ、元が「OM-2」なので
修理する立場からするとかなり厄介なカメラです。
OM-2の最大の特徴であるTTLダイレクト測光を受け継いでおり
この辺りの回路にトラブルが発生するとまず修理不能です。
ちなみに余談ですが当店ではOM-1やOM10の修理は
今回のようにお受けできることもあるのですが
OM-2、3、4の修理は残念ながらお受けできません。

お預かりしているOM10はご依頼者のお父様が
元々お使いになっていたもののようです。
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれていたようで
まずはボディ側の電源が不安定でシャッターが切れたり切れなかったりします。
おそらくメインスイッチたりの接触不良かと思われます。
シャッタスピードもオート制御も少々不安定です。
ファインダー内にはかなりのカビが発生しています。
一緒に50mmレンズと望遠レンズもお預かりしているのですが
レンズにも大量のカビが発生しています。
キレイにリフレッシュさせて
今度はご依頼者のお子さんがお使いなられるのだそうです。
それは安定して動作することはもちろん
ファインダーも清潔な状態にしないといけません。
よくあるのですが接眼レンズにカビが生えたままで
気がつかずに使っている方も結構多いのですが
目を近づける接眼レンズ周りは定期的な清掃で
本当に清潔さを維持しておきましょう

まだ現状チェックを行っただけです。
電子回路的な問題はなさそうなので
一通りの分解整備と調整で快適に津kさえるようになると思います。
ちょっと汚れた外装もできるだけキレイにしていきます。
このタイプのエントリー機は使い勝手も良くて
気軽に持ち歩ける良いカメラが多いのですが
分解整備する立場からいうとなかなか一筋縄ではいかぬものが多いのも事実です、
今回のOM10も慎重に分解整備に取り掛かります。

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コニカオートレフレックスT3のカメラ修理

今日は9月6日ということで「黒の日」だそうです。
それと同様に黒関係の記念日が今日はたくさんあって
「黒い真珠・三次ピオーネの日」とか
(広島県三次市名産のブドウです。お高いけどめちゃ美味いです!)
黒豆の日、黒酢の日、鹿児島黒牛・黒豚の日、
カラスの日、松崎しげるの日(笑)。。。等々
カメラも黒いものとシルバー2色ラインナップされているものが
フィルムカメラ時代は多くて色の選択で悩むことも多いですよねぇ
中古市場的にはやはり黒のほうが人気かな。。。
カメラにもよりますが例えばニコンFやF2あたりだと
黒も良いしシルバーも捨てがたいですものねぇ。。。
まぁ両方手に入れるのが正しい姿かと。。。(笑)
私、昔、クルマのディーラーで働いていたことがあって
そのときの流行にもよるのですが
やはりリセールを意識すると
ボディカラーは白か黒かの2択になるのですよねぇ。。。
でも黒は日頃の手入れを考えるとちょっろ手を出しにくいし
白を選ぶことが多かったかな。。。
そういえば黒いクルマって所有したことないな
昔はブルーとか濃紺が好きだったからそっちのほうが多いかも。。。
まぁ、クルマでもカメラでも
キレイに磨きあげた黒ボディはカッコ良いですね。
カメラの場合は適度にヤレた黒ボディもなかなか渋いですが。。。

さてさて

本日は「コニカオートレフレックスT3」のカメラ修理を行っています。
コニカがレンズ一体型コンパクトカメラ等でお得意としている
露出計指針挟み込み式のシャッタースピード優先AEを搭載した
一眼レフです。シャッター制御そのものは機械制御のまま
AEが搭載されたカメラです。
この構造自体は2世代前の「コニカオートレックス」から
採用されているもので
オートレックスや前身の「FTA」の頃には
指針を挟み込むこともありレリーズボタンのストロークがかなり長く
これが結構不評だったりしたのですが
「オートレフレックスT3」ではそれもt3」はずいぶん解消されています。
(それでもレリーズストロークは少々長めですが
感触はずいぶんよくなりました。
シャッターはコニカ一眼レフと言えばの「コパルスクエア」です。
堅牢世の高さでは非常に評価の高いお馴染みのシャッタユニットです。

お預かりしている「オートレフレックスT3」は
シャッターはさすがコパルスクエアといった感じで
快調に動作しているのですが
露出計が全く動きません。。。というより電源が全く入らない状態です。
こういう場合は一番に疑うのはやはり電池室なのですが
案の定、電池室底部の端子がグラグラです。
コニカのカメラは電池室の端子を樹脂(プラ)のカシメで止める方法を
採用しているものが多いのですが
(オートSシリーズ、オートレックス・FTA、C35等々)
当時の樹脂は強度もそれほどではなくその上経年劣化で脆くなっていることも多く
同じような状態のものは頻繁に見かけます。
修理としては新たに樹脂を成型して以前より頑丈に留めるのですが
それにしてもあまり長期間電池を入れっぱなしにしないほうが
良いかとは思います。(修理を行ったものでも行う前のものでも)
電池室周りの配線も一部傷んでいる部分があったので交換します。

他、シャッタユニット、ミラー駆動部、巻上機構部
ファインダー清掃、露出計・オート調整等々
一通りの整備を行いました。
付属のヘキサノンAR50mmF1.7は随分カビに覆われてしまっていたので
清掃を行い非常にクリアな状態になりました。
今回のオートレフレックスも「黒の日」にふさわしいブラック塗装です。
あまりピカピカな感じではなくちょっとマットな感じの塗装です。
それがまた妙に重厚感を感じさせてなかなか良い感じですね!

お預かり時に比べると操作感も含めて見違える状態になったと思います。
もう少し様子見を行った後で最終チェックを行って完成となります。
こちらも早くご依頼者様に使ってみていただきたいものです。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「ベッドの日(Good Sleep Day)」なのだそうです
ふかふかのベッド(布団)でぐっすりと眠る
これほど気持ちが良いことはないですよねぇ。。。
(なんだかのび太の発言みたいです(笑)
ちなみに今日はドラえもんの誕生日でもあります)
あ、そういえば今も使った「ぐっすり」という言葉ですが
英語の「Good Sleep」に由来するという説もあるようです。
その一方で鎖国中だったころの江戸時代の書物に
「十分に」という意味で「ぐっすり」という言葉が使われており
英語に由来しないという説もあるようです。
話が逸れましたが
私は今は普通に安物の布団を敷いて夏でも毛布にくるまって
寝ているのですが(その代わり冷房は一晩中20度設定です)
でっかいベッド買ってよい布団も欲しいですねぇ
一時期はそんな組み合わせで寝ていて快適だったのですが
引っ越しの時に処分しちゃったのですよねぇ
やっぱり質の良い睡眠を十分にとっていないと
昼間、アグレッシブに行動できないですものねえ。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタの機械制御シャッター機を代表するモデルです。
1966年の発売で約7年間にわたり生産された
大ヒットモデルです。丈夫な上に使用感も良く
非常にミノルタらしいカメラともいえると思います。
このSR-T101がミノルタとしては初のTTL測光モデルで
且つ初の開放測光モデルでもあります。
開放測光に対応するために
レンズ群もMCロッコールにモデルチェンジされました。
さらにSR-Tの測光方式が少々変わっているのが
受光体(CdS)を2個縦方向に感覚をおいて配置し
上下2分割で測光していることです。
現在の多分割測光の源流ともいえる考え方です。
ミノルタではこの測光方法を「CLC」と名付け
採用しているカメラには「CLC」の刻印を入れています。
大雑把に縦に2分割な上に基本的には平均測光なので
これであらゆるシチュエーションに対処するのは
なかなか難しいですが考え方自体は非常に画期的なものでした。

SR-T101はロングセラーモデルですが
いわゆる初期モデルはその後のモデルと異なり
内部部品が異なる部分も多く巻上の感触などもかなり異なります。
ただ、初期のSR-Tは既にシャッター幕やリボンに
ダメージを抱え込んでいるものが多いような気がします。
今回も初期のSR-Tですが後幕を引っ張るリボンが切れてしまったようで
シャッタを切っても後幕が出てこないような状態です。
リボンがそれほど傷んでいるということは
幕自体の劣化も進んでいることが想像されます。
今回は今のところ見えている部分で判断すると幕は平気そうなのですが
リボン交換の際に細かくチェックして問題がありそうであれば
幕交換まで考えないといけないかもしれません。
リボンだけ交換してしばらくして
今度は幕自体でトラブルが起こっているようでは困りますものね。

まだまだ分解途中ですが
相変わらずの連動糸だらけのカメラです。
とはいえ、さすがに頻繁に分解整備を行っているカメラですので
見慣れた光景でさほど神経は使いません。
確かに連動糸は厄介ですが
SR-Tの場合はしっかり手順通りに分解すれば
それほど厄介な存在でもありません。
ただ手順を間違うと糸を切ったりガイドから外れたりで
非常に困難な事態になるのでやはり注意は必要です。
今回も慎重かつ手早く修理・整備を進めていきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は9月2日ということで「くじ」
「宝くじの日」なのだそうです。
ばあさんが晩年によく買ってたなぁ
まぁ10枚ずつくらいなのだけど。。。
ちょっとした娯楽ということでよかったのかな。。。
私自身は一度も買ったことがありません。
いや、だって、当たるわけないし(笑)
まぁでもどんなに小さな確率だったとしても
買わない限りは0%なので果敢に挑む気持ちも
わからんではないですが。。。。
リアルな知り合いからは意外に思われるのですが
宝くじどころかパチンコ、競馬も
いわゆるギャンブルをやったことがほとんどありません(汗)
パチンコだけは10代の頃に友達についていって
何回かはやったことはありますがほんの数回です。
まぁ、人生自体がギャンブルみたいなものだから
もうそれでいっぱいいっぱいです(苦笑)
みすみす丸損する可能性のあるところへ
お金をかけるのなら何か欲しいもの買っちゃいますよねぇ。。。
常にいろんな欲と闘いながらお金を使い続けているので
ギャンブルにまできっとお金も気持ちも回らないのです。
そういうことにしておこう(笑)
さぁ、今日も地道に仕事しなくては。。。(汗)

さてさて

今日も「ニコマートFTN」のカメラ修理です。
ここのところ本当に続きますね。
1日おきにニコマートFTNの修理を行っています(苦笑)
まぁ、それもこの1台が終わると
しばらくはなかったかな。。。

ここのところのニコマートはすべてシルバーでしたが
今回はブラックです。それも非常にキレイな状態です。
詳しくは聞けていないのですが
おそらく新品で買ってからずっと使用しているものと思われます。
それでこの美しさなのですから
非常に大切に扱っていらっしゃることと
ご依頼者様の几帳面さがうかがえるカメラの状態だと思います。
ずいぶん昔かもしれませんが分解整備も行っているのではないかと思われます。
モルトが劣化しておりますが定期的に過去に交換してたものと思われます、
ずいぶん昔のものにしては劣化度合いが少ないので。。。
お約束のファインダー内のモルト屑もありますが
それほど多くはありません。
先日も書きましたがニコマートはニコンのカメラとしては
比較的内部モルト(特に露出計周り)を使用しています。
全くの未整備だとかなりのモルト屑が
ファインダー内に混入していることが多いのですが
このニコマートはそれほど多くのモルト屑は見えないようです。
それよりも不思議なことになっているのは
フィルムカウンターで
通常裏蓋を開けるとリセットされて「S」の位置に戻るのが普通ですが。。。

何故かこの位置にリセットされてしまいます。
それでシャッターを切っていくとこの位置から動き始め
何も表示されないエリアを経由して「S」までたどり着きます。
この状態だと「1」まで行くために
7、8枚シャッターを切ることになってしまいます。
フィルムカウンター盤の位置関係がおかしいようですね。
さらに定番の露出計指針の不安定さとか
高速シャッターの精度不良とか
いつもよくある症状も抱えているので
一通りの整備をきっちり行っていきたいと思います。
まだ現状チェックを行っただけなので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
キレイな外観以上に中身もきちんとスムーズに動作するように
仕上げていきたいと思います。

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