日別アーカイブ: 2020年9月26日

キヤノンデミのカメラ修理

今日は「くつろぎの日」なのだそうですよ。
「く(9)つ(2)ろ(6)ぎ」という語呂合わせだそうです。
制定したのは「コメダ珈琲店」で有名な株式会社コメダです。
なるほど雑誌でもめくりながら
くつろいでコーヒーでも飲みましょうってことですね。
忙しく感じるときほど、いったん落ち着くためにも
短い時間でもいいのでくつろぐのは大事かもしれませんね。
タバコ吸っていた頃はそれがわかりやすく一服だったのでしょうねぇ
それはそれでそれを言い訳に
やたらと一服ばかりになってしまっていましたが。。。(笑)
今は吸わないのでタバコで一服はないですが
作業が煮詰まってちょっとイライラしてくるようなときは
積極的に休憩を取るようにはしています。
でもまとまった時間でくつろぐことは少ないかな。。。
何だか毎日バタバタしているような気もしますし。。。
あ、晩酌の時間はくつろいでいますねぇ
普段の定休日は週に一度しかないせいもありますが
雑用やプライベートでやりたいことも溜まっていて
逆に時間が足りなくて忙しいことのほうが多いですねぇ
でも先日のお盆休みとか年末年始とかは
できるだけ余裕もってゆっくりするようにしています。
やはりたまには大きくくつろがないとダメですね
もう少し寒くなったら2、3日温泉とかで
ゆっくりくつろぎたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「キヤノンデミ」のカメラ修理を行っています。
「デミ」は英語・フランス語で「半分」という意味で
その名の通り「キヤノンデミ」はハーフ判カメラです。
シリーズ化されておりいろいろな種類のデミが存在するのですが
今回は一番最初に発売された無印の「デミ」です。
1963年に発売されたモデルです。
ハーフ判カメラは既に「オリンパスペンシリーズ」が先行していて
キヤノンは後発になるのですが
その分、ペンとは全く異なる趣のカメラになっています。
個人的に一番デミの魅力だと思っているのは
ちゃんとした巻上レバーが装備されていることで
多くのハーフ判カメラに採用されてているダイヤル巻き上げに比べると
楽な上に気持ち良いです。
さらにデミの巻上はハーフ判に限らず他のカメラと比べても
非常に質感の高い巻上で妙に気持ち良いのです。
フィルム1本で72回巻き上げることもあるわけですから
巻上が気持ち良いのは本当にクセになります。
ピントは他のハーフカメラの多くと同じく
目測式ですがファインダーは高価なプリズムをぜいたくに使ったもので
本来の見え方は非常にクリアです。
ただ残念なのは接眼レンズの劣化で曇っているものが多く
これは清掃でも解消されないのです。
そのファインダーの対物レンズは撮影レンズの真上に配置され
正確なフレーミングを手助けしてくれます。
このあたりのこだわりも初代デミならではの部分だと思います。
シャッターはいわゆるプログラムシャッターで
絞りとシャッターの組み合わせは決まってしまって
変更ができませんが露出計の指針に合わせて設定するタイプなので
露出のコントロールはある程度できる構造です。
その露出計はセレン光電池で駆動するタイプです。

お預かりしているデミは
おそらくかなり長い間、仕舞い込まれたままになっていたようです。
このタイプのカメラは
裏蓋の遮光をかなりモルトに頼った構造になっているものが多く
デミも大量のモルトが使われているのですが
相当ボロボロになっていたとみられ
ご依頼者様のほうで取り除かれたそうです。
デミの場合、大量にモルトが使われているせいもあって
劣化したまま放置するとフィルム室内の塗装まで剥がれてしまいます。
問題はそんなものどころではなく
シャッターは巻き上げてレリーズしても全く動かず固着してしまっています。
さらに露出計はLV15の光源の前に持って行っても
全くピクリとも動きません。
まぁ、ひととおり全機能を見直していかないと駄目な状態ですね。

作業自体は既に完了していて少し様子見の段階です。
全機能、問題なく動作する状態になりました。
露出計不動はセレン光電池の劣化が原因で
どうにも全く起電しない状態でした。
今回は中古良品のセレンを移植して対応しています。
露出計の調整も行って精度も問題ないレベルになりました。
シャッター、絞りに関しては羽根清掃はもちろん
一通りの整備を行い全く問題なく動作するようになりました。
ファインダーは今回、お約束の改善不能な接眼レンズのクモリが
非常に少なくデミ本来のクリアなファインダーを
存分に楽しめる状態です。
巻上ももちろん整備を行いデミらしい気持ちのよい巻上です。
全体的に非常に良い状態に仕上がっていると思います。
ご依頼者様にもぜひこの気持ちよい操作感を
味わっていただきたいと思います。

ところで、今回のデミは初期型でボディが真鍮製です。
最近あまりみなくなったような気がします。
途中からアルミ製になり少し軽いのと
ボディ色がほんの少し黄色っぽくなりました。
いいですね。真鍮製の初期型デミ、私も個人的に欲しくなってきました(笑)

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