日別アーカイブ: 2020年9月16日

ヤシカエレクトロ35GTのカメラ修理

今日は「マッチの日」だそうですよ。
1948年(昭和23年)のこの日に
それまで配給制だったマッチの自由販売が認められたのだそうです。
日中戦争以降、いろいろな生活必需品が配給制になっていたのですよねぇ
ちょっと調べてみるとお米なんて
実質的には1960年代に配給は終わっていたのに
1981年まで「米穀配給通帳」が、まだ存在していたのですね
見たことないのですが、きっと実家にはあったのだろうなぁ。。。
マッチの話に戻りますが
今やマッチを擦ったことがないって方もきっと多いですよねぇ
小学校の頃には擦り方をじいさんに教えてもらいました。
仏壇のろうそくや線香に火をつけては喜んでいたような記憶が。。。
中学校の頃にはいわゆる「安全マッチ」ではなくて
どこで擦っても火が付くマッチが欲しくって手に入れたなぁ
(要は靴の裏とかでカッコつけて火をつけたかっただけ(笑))
マッチを擦ったときの匂いが何だか懐かしく感じますね
そのためだけに1箱マッチ置いておこうかな。。。(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GT」のカメラ修理を行っています。
「GT」の発売は1969年ですね。つまり私と同い年です(笑)
1966年に初代エレクトロ35が発売され
電気接点が金メッキにマイナーチェンジされた「エレクトロ35G」が
1968年に発売されます。その「G」のブラックヴァージョンが
今回の「GT」になります。
つまり接点等以外はまだ初代とほぼ共通という内容です。
(ASA感度設定範囲等が実は細かく変更されていたりしますが。。。)
「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指して
長時間露出性能の高い電子制御シャッターを採用した
絞り優先AE専用のレンズ固定式レンジファインダーカメラです。
長時間露光もポイントでしたが
暗所で少しでもシャッタースピードが稼げるように
45mmF1.7という非常に大口径のレンズを搭載しています。
この「GT」までは旧コーティングの「ヤシノンDX」で
次のモデルである「GS」からは
新コーティングの「カラーヤシノンDX」となります。
60年代の電子制御機ということで
電子部品に不安がある部分もあるのですが
エレクトロは比較的電子部品トラブルの少ないカメラです。
とはいえコンデンサ等に何かトラブルが起こると
修理不能になる場合も確かにあります。

エレクトロ35シリーズの特徴のひとつに
巻上レバーを少し回した時に「カツン」と
それまで引っ込んでいたレリーズ軸が戻る音がします。
それがしない個体が特の初期のモデルに多いのですが
今回の「GT」もその音がしません。
レリーズ軸を押し込む部分にゴムブッシュがあり
そこが劣化して厚みがなくなるとこの音がしなくなります。
この音のしない状態のエレクトロは
オート露出がほぼ間違いなくしっちゃかめっちゃかになっています。
今回ももちろん同様です。
レリーズ軸が正しい位置まで押し込まれないため
一部接点に届かないことが原因です。
。。というわけで電源は入るしシャッターは切れるものの
オートは全くまともに動作しない状況です。
オート専用機でこの状態では全く撮影に使えません。
他、レンズ・ファインダーにかなりのカビが発生しており
これも撮影にかなり悪影響を与えそうです。

目印とか入れる余裕がなかったのですが
画像に腐食して用を足さなくなったゴムブッシュが見えています。
ここに腐食しにくい素材の新しいブッシュを入れていきます。
もちろん各接点の清掃やシャッタユニットの整備を行います。
この状態で仮に電源をつなげて動きを見ている感じには
何とか正常な動きを取り戻せそうです。
毎度のことですがリード線の多さと接点や基板に
非常に時代を感じますね。
でも個人的にもちょっと好きなカメラです。
大事に使われていた個体らしく外装は非常にキレイです。
中身もしっかり整備して再び大活躍できるように整備を行っていきます。

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