日別アーカイブ: 2020年12月7日

オリンパスペンDのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大雪」であり
(「たいせつ」です。「おおゆき」ではないのです)
「クリスマスツリーの日」でもあるのですのよね。
12月に入ってからこういう話を聞いていると
一気に冬本番といった感じがしますねぇ
実質あと3週間くらいで今年の仕事も終わってしまうのです
ラストスパートでがんばらねば!
うちのお店はクリスマスが近いからと言って
特に何かあるわけでもありませんが
クリスマスツリーの飾りつけってやっぱり楽しいですよねぇ
。。。いや、やっても後で
むなしくなりそうなのでやりませんよ(笑)
ここのところあまりにぎやかなところに近寄っていないので
クリスマス的な雰囲気は全く味わっていなのですが
街中はクリスマス一色なのでしょうねぇ
新宿に現像出しにいったときにでも
少し雰囲気だけでも味わってこようかな。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
昨日のリコー35も「デラックス」でしたが
今日の「ペンD」の「D」もデラックスの意味です。
この時代は「高級グレード=デラックス」ですよね
クルマのグレードなんかでもこの時代には
デラックスが多用されていますよね。
中には「スーパーデラックス」なんて使い方もありました。
ペンDはその名の通り
当時のペンシリーズの最高級機です。
Fズイコー3.2cmF1.9の大口径レンズを搭載し
シャッターユニットもコパルXで最高速は1/500
スローシャッターも1/8まで装備します。
さらに非連動とはいえセレン式の露出計まで搭載します。
ピントこそ目測ですが
当時の高級一眼レフに負けないほどのスペックで
コンパクトなハーフカメラというオリンパスらしい1台です。

お預かりしているペンDは
レンズシャッタ定番のシャッター羽根の固着を発症していて
レリーズしてもシャッターが全く開きません。
それ以外にもいろいろと細かいトラブルを抱えていて
巻上がたまに1枚でロックされず行き過ぎてみたり
フィルムカウンターは動かなかったり。。
分解してみると巻上軸のネジの頭がねじ切れていたり。。。等々
過去に分解された形跡も見受けられるので
慎重に各部を点検し整備を行っていく必要があります。
結果的にはそれほど大きな致命的な問題はなく
一部の部品交換と通常の整備で
全く問題のない状態に復帰させることができました。

ペンDのセレンは劣化して起電しないあるいは起電が弱く
露出計が全く実用できないものも多く
そうなるとセレン交換(中古良品の確保は非常に困難)しか
実質的な手段がないのですが
今回のペンDのセレンはそれほど劣化目立たず
実用上問題精度で露出計を駆動しています。

一通り整備は完了し後は最終チェックを残すのみです。
貼り革がない状態ですがこれはご依頼者様と打ち合わせの結果
この状態で納品することになっています。
もちろん元々貼られていた貼り革は返却いたします。
小さくて高性能なカメラはやはりいいですよね。
堅牢性まで重視するとどうしてもある程度の
大きさと重さも必要になり
少し前までは私もカメラは少々重く大きくても
画質+丈夫さ優先!といった部分も大きかったのですが
最近は軽くて取り回しの良いカメラばかり
持ち出してしまいます。
その点、ペンDあたりはコンパクトさと高性能を
高次元なバランスで両立しているカメラだと思います。

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