日別アーカイブ: 2020年12月4日

カロフレックスのカメラ修理

今日は「血清療法の日」なのだそうです。
1890(明治23)年のこの日に北里柴三郎と
エミール・ベーリングが連名で
破傷風とジフテリアの血清療法の発見を発表したのだそうです。
血清もワクチンも免疫や抗体を利用したものですよね。
私も細かくは説明できませんが
血清のほうがピンポイントに即座に効果を出すことができて
予防ではなく治療に使える。。。って感じですかね。。。
有名なのはやっぱり毒ヘビに噛まれた時の血清療法ですよね。
そういえば子供の頃にやたらと転んでは
常に膝小僧に擦り傷があるような状態でしたが
擦り傷作って血を出していると
「破傷風になるといけんからすぐに赤チン塗りんさい!」って
よくばあさんに怒られたなぁ。。。(もはや血清療法関係ないですね)
やたら赤チン塗るから膝やら肘やら常に
真っ赤だったなぁ(笑)当時は普通だったけど
今、そんな子供見かけたらちょっとびっくりするかも。。。(笑)
ヨーチンはしみるような気がしてあまり好きじゃなかったなぁ。。。
(なんでどれもこれも「チン」なんだろう(笑))

さてさて

本日は「カロフレックス」のカメラ修理を行っています。
カロフレックスはコーワが作っていた二眼レフです。
中判カメラの分野では存在感のあるコーワですが
二眼レフはこのカロフレックスのシリーズが何種類かあるだけで
意外と作られてないのですね。
やはりコーワシックス系のイメージが強いメーカーですね。
いや、それをいうとイメージが強いのはカメラではなく
コルゲンコーワやキャネジンコーワのお薬のほうが
コーワのイメージですよね。。。
興和自体は本来商社なのでいろんな分野の製品を扱いますが
昔は光学機器部門にもかなり力を入れていて
高性能なカメラやレンズを作り続けていたメーカーです。
今でもスコープや医療用光学機器を製造しています。

カロフレックスは1954年に発売された二眼レフです。
非常にいろいろと操作性に工夫のみえるカメラです。
まずこの時代としては先進的なセミオートマット方式です。
フィルム装填は当時まだ多かった赤窓式に比べると
当然ながら失敗の可能性も少ないですし効率も良いです。
巻上はクランク式でクランクとピントノブが同軸になっています。
さらにシャッターボタンは左手側に配置され
フィルムカウンターは上から確認できるように
ファインダーフードの脇に配置されています。
もちろんSS・絞りも上から確認できるように
ビューレンズ上に表示窓があります。
操作性には相当こだわっているカメラです
ピントを合わせながらシャッターが切れたり
カウンターや露出設定が上から確認できるのは
個人的にも非常に便利だと思います。
シャッターは当時の国産最高級品
セイコーシャMXで最高速は1/500
レンズはプロミナー75mmF3.5を搭載します。
なかなか通好みな二眼レフだと思います。

お預かりしている「カロフレックス」は
レンズシャッター機定番の羽根粘りによる
シャッター動作不良が起きてしまっています。
加えてファインダーの状態がかなり悪く
快適なピント合わせができない状態です。
それでも製造から60年以上経過しているカメラとしては
悪い状態ではないと思います。
何にせよ快適に使うには一通りの整備が必要な状態です。
オートマット機構の付いている中判カメラは
やはり巻き止め機構にトラブルを抱えている場合も多く
今回のカロフレックスはそこは現状では問題なかったのですが
巻上機構は入念にチェックの上、整備を行います。
シャッターユニットは現在トラブルを抱えてしまっているので
これも当然ですが羽根清掃も含めきっちり整備していきます。
ファインダースクリーンは一部劣化のため
シミが取り切れない部分がどうにも残ってしまいましたが
ミラーは新品に交換し、
スクリーンもできる限りの清掃を行った結果
かなり快適にピント合わせを行えるレベルに改善できていると思います。

いつもいいますがこの時代の二眼レフはどのカメラも
非常に高級感というか高い質感に溢れていて
眺めているだけでも楽しくなってきますね。
画像は整備後で外装もできる限り仕上げた後のものですが
元がしっかり作られているのでとても
70年弱経過しているカメラには見えませんね。
もうほんとに50年ちょっとしかたっていない
私自身のほうがよっぽどボロボロのクタクタですねぇ(笑)
清掃・注油等行っているので
もう少し様子見をして動きが落ち着いた頃に
最終的に微調整を行って完成となります。

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