日別アーカイブ: 2020年12月14日

ヤシカエレクトロ35CCのカメラ修理

今日は「南極の日」だそうですよ。
1911(明治44)年のこの日に
ノルウェーの探検家ロアール・アムンセンと
4人の隊員が世界で初めて南極点に到達したことに由来しています。
もう南極どころかここ数日のちょっとした寒さで
毎日震えています(笑)
昔から暑いのには弱かったけど
寒いのには強いつもりだったのですけどねぇ
まぁ、心当たりはあって
7年前の抗がん剤治療で
何だかいろんな体質が変わっちゃったのですよね
それから手足がやたらと冷えるようになってしまいました。
でも今となっては今年の延髄梗塞のせいで
右半身は冷たさをほぼ感じないのですが。。。
それでも寒いものは寒いです。
南極なんて非現実的な世界は想像と映像だけで充分かな(笑)
それよりも今夜もリアルに寒そうなので
鍋に日本酒がいいかなぁ。。。などと
お手軽に温まる方法を思案中です(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
最近やたらと修理依頼の多いエレクトロ35シリーズですが
「CC」はシリーズ中唯一の35mm広角レンズ搭載機種です。
それもエレクトロの他機種同様に大口径で
F1.8の明るさを誇るカラーヤシノンDXレンズです。
35mmF1.8.。。現在のレベルでも高級レンズのスペックですよね
初代から一貫して「ろうそく1本の光でも写る」を目指してきた
エレクトロ35シリーズならではのレンズだと思います。
最近よく同じようなことを書きますが
この時代の大口径レンズは基本的に
「光量の少ない場面で少しでもシャッタスピードを稼ぐ」ことを
目的としています。
今の感覚でいうと大口径レンズの魅力は「開放時の大きなボケ」と
考えがちですがそういうレンズ(カメラ)ではありません。
開放時ならまだ良いのですが絞り羽根が2枚羽根で
かなり変わった形状で絞られていくので
開放以外ではボケを楽しむことは勧められません。
(逆手にとって変わった形を楽しむのは良いかもしれません)
おまけにシャッター羽根も2枚羽根で
そのせいもあるかと思いますが最高速は1/250です。
開放にできるシチュエーションはかなり限られたものになりそうですね。
まぁそんなネガな部分を差し引いても
35mmF1.8レンズというのは十分に魅力的です。
その上、目測ではなくレンジファインダーも搭載です。
他に同じようなスペックを持つカメラがないことも
なおのこと存在を引き立てます。
個人的なことを言えばこれで「B(バルブ)」が
電子制御でもいいので搭載されていればもっと魅力的なのですが。。。

エレクトロ35シリーズでお預かりとなると
最初に気なるのはやはり電池室の腐食です。
「CC」の使用電池は初期エレクトロのようなHM-2Nではなく
4LR44ですがそれでも液漏れや
電池がら出るガスによる腐食は非常に多いです。
ただ、今回のCCはそこは大丈夫でそうです。
新しい電池を入れてみると
バッテリーチェックもまぶしいほどに輝きます。
これなら精度はともかく一通りは動くのかな。。。と思いきや
シャッター制御が全くできてない様子です。
店内のあまり明るくないところでも
普通に早いシャッターが切れたので「あれ?」と思い
レンズにキャップをしてシャッターを切ってみても
同じ速度で切れてしまいスローに制御されることはありません
これでスロー警告灯だけでも出ているのなら
シャッター羽根駆動部の粘りによる動作不良なのですが
警告灯すら点灯しません。
バッテリーチェックはできるのに
制御部には電源が入っていないのか。。。と思って念のため
今度は明るい光(LV15)で絞り開放にしてみると
赤いほうの警告灯は点灯します(光量過多警告)
さらにSSにして1/250~1/60あたりまでを
選定するであろうという場面では一応オートも効いているみたいです。
ただスロー側に全く制御されず警告灯も点かないという症状のようです。
これはまいりますねぇ。。。(汗)
受光体の劣化による不良かとも考えましたが
受光体の抵抗値はさほど悪くないようです。

こうなると基板内電子部品不良ではないとするならば
接点の不良やハンダ付け劣化による不良くらいしか思いつきません。
ひたすらあやしげな接点を清掃し
ハンダを付けなおしてみるしかありません。
終わりの見えない作業になる可能性がありますが
とりあえずこれまでの経験上で心あたりの部分を徹底的に
整備・清掃してきます。
とりあえず仮組みをしてみて受光体を黒い布で隠し
シャッターを押してみると
黄色い警告灯が点灯しスルーでシャッターが切れました。
精度はあとで調整するとして
これで何とかなりそうな目処が立ちました。
まぁ、この類の電子制御機は
やってみないと分からない部分が多いですね。。。

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