今日は「植物学の日」だそうです。
植物学者の牧野富太郎さんの誕生日に由来した記念日です。
私も公園で花を撮ることも多いので
ほんの少しは植物についての知識はあるつもりですが
本当に植物やお花の種類の判別は難しいですよね。
特に公園とかに植えられているものは
園芸種だったりで日本固有のものではなかったりもしますから
尚のこと判別が難しいです。
「花だけではなくて葉や茎で判別しなければ
わからないものも多い」ともよく言われますが
それって人間でいえば
顔だけで誰か判断するのではなくて
お尻や足を見て誰か判断しろってことですよね(汗)
いやいや江戸伸介じゃないんだからそれは無理ですよ(苦笑)
すみません、話が少し暴走しました…
ただ今はネットで画像付きでいろいろ調べられるので
随分便利になりました。
よくわからない花を撮ったときには
コンデジで花の形や葉の形がわかる写真をたくさん撮っておいて
帰宅してからPCで調べれば大抵わかりますものね。
でも毎年見ている花や樹木は
できるだけ一目でわかるように覚えたいものです…
さてさて
カメラも古いものでモデル名の刻印とかがないものだったりすると
(特に1950年代、あるいはそれ以前の二眼レフやバルナックコピー)
モデル名の判別が非常に難しいものが多いですね。
それが1960年以降になって一眼レフが市場の中心になってくると
モデル名がボディに大きく刻印されているもがほとんどとなり
とりあえずパッと見にモデル名がわからないというのは少なくなりました。
今日は「キヤノンF-1」のカメラ修理ですが
キヤノンのフラッグシップ機ということもあり
前面に誇らしげに「F-1」の文字が刻印されています。
ただF-1も前期後期でいろいろ部品の変更が行われており
その辺の判別をするにはある程度の知識と慣れが必要ですね。
今回は後期のF-1です。
一番判別にわかりやすいのが製造番号で
50万番台以降は後期のF-1(F-1N)となります。
前期のF-1との違いは内部の細かい部品構成以外にも結構あり
・巻上角の違い
・巻上レバーの形状
・対応できるフィルム感度範囲の高感度側が変更(ASA2000→ASA3200)
・シンクロターミナルがネジ式に変更
・ミラーの反射率の変更
・レリーズボタン受け皿部の形状変更
・ファインダー接眼レンズに多層膜コーティング
・バッテリーチェックボタンが自動復元式に変更
・ボディ背面にメモホルダー追加
・巻き戻しクランク引き上げ時にクリックが追加
細かいことを言うともう少しありそうですが
結構、違いがあるものですね。
もちろん基本的構造や主なスペックに変更はありません。
使っていて一番の違いは巻上角の変更ではないかと思います。
これは巻き上げてみると明らかに
前期と後期の違いがよくわかります。
お預かりしているF-1はご依頼者様が
高校生の頃から40年以上使われている相棒です。
使い込まれてはいますが
丁寧に大切に使われてきたのだということは
よくわかる状態です。
ただ、やはり経年劣化でいろいろなトラブルを抱えてしまっています。
まずはシャッターの先幕後幕の幕速バランスが崩れていて
1/2000は開かない状態です。
1/1000以下は何とか開きますが
やはり後幕が追い付いてしまうような状態で
写真両端でかなり露出差が出てしまう状態です。
1/125以下になるとほとんど気にならなくなります。
露出計は電池入れてSWをonにしてもほとんど反応がありません
いろいろ試しているとたまに動くこともありますが
とても普通に使える状態ではありません。
画像は整備完成後の状態です。
シャッターは幕速バランスの悪さもありましたが
調速カムの設定がかなり狂っていたせいもあり
高速シャッター(特に1/2000)が大きく狂ってしまっていたようです。
露出計不調の原因は露出計本体内部の接触不良が
まず一番の原因でこれはメーター交換で対応しています。
さらにご依頼者様が使用されていた
電圧変換型電池アダプタにも問題があり
上下からある程度押されるとほぼ通電しなくなる状態でした
電圧変換型電池アダプタも
長い間使っているとトラブルを抱えているものも中にはあるので
ご注意いただければと思います。
(その点は無変換タイプの方がトラブルは起こりにくいと思われます)
装着されているレンズはFD55mmF1.2 S.S.C ですが
やはりこのくらいの堂々とした大きさのレンズがF-1には似合いますね。
こちらのレンズはボディとは別に
後から中古で入手されたものらしいのですが
ピントリングがやたらと重く
ヘリコイドが固着気味の状態でした
さらにそれだけでもなくヘリコイドが重い状態で
結構無理して回していた時期があるらしく
一部部品に変形もありました。
もちろんできる限りの修復と整備清掃で
現在は全く問題ない状態に仕上がっています。
ボディもレンズもすっかりリフレッシュされたので
また新たな気持ちで今後も使い続けていただければと思います。
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