日別アーカイブ: 2021年4月30日

トプコン35ーLのカメラ修理

今日は「図書館記念日」なのだそうです。
1950(昭和25)年のこの日に
「図書館法」が公布されたことが由来となっています。
最近はめっきり図書館に行くこともなくなったけど
いわゆるネット時代になってからも
割と図書館に行っては
「興味はあるけど買うほどではない分野の雑誌」を読んだり
同じ理由で貸出可能のものであれば借りて帰ったりしていました。
その頃は厚木在住だったので本厚木駅前の市立図書館で。。。
それに貸出はできないものがほとんどですが
地元の図書館くらいでしか見ることのできない
その土地の郷土の資料とかもあったりして
興味深く見させていただきました。
今度、呉に帰ったときには呉の図書館も行ってみようかな…
地元の歴史関係の資料がいろいろありそうだし…

さてさて

本日は「トプコン35-L」のカメラ修理を行っています。
トプコンは東京光学株式会社のカメラブランド名です。
残念ながら1981年にはカメラの製造・販売からは完全に撤退しましたが
その後にこのブランド名であった「トプコン」が会社名になり
現在でもトプコンは医療機器や測定機器関連の
光学メーカーとして存在しています。
カメラブランド名が後にメーカー名になるというのは
コニカやミノルタ、ニコンと同様ですね。
ニコンとトプコンといえば
陸軍に照準器等を納入していた東京光学(トプコン)と
その設立に海軍が深くかかわり艦艇用の光学兵器や
狙撃眼鏡を製造していた日本光学(ニコン)を
軍需光学機器製造の双璧として
「陸のトーコー・海のニッコー」とも謳われていました。
個人的にはトプコンといえば
やはり二眼レフの「プリモフレックス」のイメージが強いですかね
後にはエクサクタマウントの一眼レフである
「R」シリーズ(「REスーパー」等が有名)も発売し
現在でも一部で非常に人気がありますが
個人の見解ですが完成度的にあまりお勧めできるものではありません
で、今回の「35ーL」ですが
トプコン35シリーズ本流は
ここでは説明を割愛しますが
これまた少々変わったカメラで
これもあくまで試行錯誤の過程的な機種かと思われます。
そして35シリーズから分岐して発売されたのが
「35S/Lシリーズ」でこれはオーソドックスな
レンズ固定式レンズシャッター搭載レンジファインダー機です。
「L」は「S」をベースに露出設定をライトバリュー式に変更したものです。
ファインダーは等倍で両目を開けてみることができます。
等倍ファインダーを両眼で見た時の
このブライトフレームが視野内に浮かび上がる感じは
何とも気持ち良いですね。
ただ私もそうですがメガネかけていると
うまくフレームが見えないのですよね(苦笑)
レンズは写りの定評の高いトプコール4.4cmF2を搭載します。

スタイリングも非常に良いカメラかと思います。
質感も高くシルバーの鏡胴も非常に高級感あります。
一通り動作してはいるのですが
シャッターに若干の粘りがあり
ファインダー・レンズはそれなりに汚れがある感じです。
ご依頼者様からは距離計二重像の縦ズレを指摘いただいていて
私もその先入観で見てしまったせいか
最初はズレているなと思ったのですが
どうやら覗き方の角度でズレて見えるらしく
まっすぐ正面から覗くとズレていないようです。
レンジファインダーは覗く角度で二重像の見え方が
変わったりするのは構造上、当然なのですが
このカメラはそれが極端に出るような気がします。
トラブルなのか元々の構造的問題なのかは
現時点では何といえないのですが
これから整備を行いながら確認してきたいと思います。

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