日別アーカイブ: 2021年5月20日

キヤノンEXEEのカメラ修理

今日は「森林の日」だそうですよ。
ここでいう「森林」は「もり」と読むのだそうです。
5月20日である由来は「森林」の中に
「木」が5つ入っていることから
20日は「森林」の総画数が20画であることからだそうです。
岐阜県美並村など、村名の頭に「美」の字がつく村
10村で結成した「美し村(うましさと)連邦」が制定した記念日です。
山深い森林っていいですよねぇ
登山で森林限界超えるまでは
鬱蒼とした森林を歩くことが多いのですが
やはり印象深いのは苔むす北八ヶ岳エリアですかね。
薄暗くて湿度も高くて
不快指数は高いはずなのだけど
空気が美味いからか妙に快適なのですよねぇ
あまり気温が高いと参ってしまいますが…
ここ数年、体調が優れないこともあって
あまり人里離れたところに行くのは不安があるのですが
ほんの入り口だけでも森を歩いてみたいですねぇ
あ、ただ色んな生き物が生活しやすい環境なので
秋冬以外は虫はどちゃくそいますよ(苦笑)
そうそう八ヶ岳エリアってなんであんなにアブが多いんでしょうねぇ
立ち止まるとすぐにかならず数匹くっついてくる(苦笑)

さてさて

本日はキヤノンEXEEのカメラ修理を行っています。
EXシリーズはキヤノンFシリーズの一員でもありますが
ちょっと異端児的なモデルです。
シャッターユニット等はFシリーズの基本構造と同じなのですが
レンズの後玉部分をボディと一体化して固定し
前玉を交換するのみでレンズ交換を行います。
標準は50mmF1.8ですが
35mmF3.5、90mmF3.5レンズが用意されていました。
その後、マイナーチェンジが行われ
レンズの開放値設定を行わないでよい「EXオート」になるのですが
そのタイミングで125mmF3.5が発売されます。
モチロンEXEEにも使用可能です。
基本的にシャッタースピード優先AEで撮影するカメラです。
オート機構はこの時代お馴染みの指針挟み込み式で
露出計には電池が必要なもののオート機構そのものは機械的に
露出計指針の位置によって制御されます。
マニュアル時には強制的(機械的)に露出計指針を動かすことによって
指針挟み込み機構を使って絞りを制御します。
そのためマニュアル時にファインダー内に支持される絞り値は
露出計の値ではなくマニュアル設定する絞り値を表します。
これもなかなか他のカメラでは見られない構造です。
さらにそのファインダーも変わっていて
いわゆるマット面を持たない空中像式ファインダーです。
ピント合わせはファインダー中央のマイクロプリズムで行い
それ以外の周辺部はほぼ素通しでピント合わせは行えません。
レンジファインダーの二重像がマイクロプリズムになったようなイメージです。
ほぼ素通しのファインダーなのでとにかく明るいです。
。。。という感じでいろいろと普通ではないカメラですが
なかなかおもしろいカメラです。

お預かりしているEXEEはまず露出計が全く動きません。
電池室にもかなり緑青が発生しており
電源も露出計まできちんと電圧がかかりませんが
それ以前に露出計本体も内部で断線しており不動のようです。
露出計は中古良品と交換で対応いたします。
その上で配線交換、電室端子のさび落とし再ハンダ等々を行い
普通に導通する状態に修理していきます。
シャッターは動作していますが
Fシリーズで油切れが起こっているとき特有の
「ギャイン」といった高周波の音がシャッター音に混じっています。
この音が出ているときは、まずシャッター精度はボロボロですが
今回もまともに精度は出ていない上に非常ぬ不安定です。
幕軸や調速カムの清掃・注油を行っていきます。
そしてファインダー・レンズ内はカビだらけです。
プリズムにも少し腐食が見られますが
FX/EX系のプリズムは既に腐食のないものの入手が非常に困難なため
腐食はそのままで再利用します。
ただ、腐食はわずかでそれほど気になるレベルではありません
それよりもプリズム・接眼レンズ・コンデンサレンズ
撮影レンズ後玉部、50mmレンズ前玉部。。と
あらゆるレンズ部ガラス部にカビが大量に発生しています。

一通りの整備を要する状態ではありますが
致命的なトラブルはありません
経年劣化的なものばかりで物理的に壊れているところは
ないのは不幸中の幸いです。
きちんと整備されたEXEEはその明るいファインダーも武器になり
なかなか軽快に撮れるカメラです。
交換レンズ群は少々使いにくい面もございますので
個人的には50mm固定で使う方がストレスないかな…とも思います。
ちょっと風変わりな一眼レフですが
ご依頼者様には存分にお楽しみいただきたいと思います。

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