日別アーカイブ: 2022年1月10日

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「成人の日」ですねぇ…
未だに成人の日は1月15日というイメージが抜けないのですが
ハッピーマンデー制度で1月第二月曜日に変わったのは
2000年の話でもう20年以上経っているのですねぇ…
まぁ私が成人式(行ってはいないのですが)を迎えたのは
さらにそれより前の33年前の1989年ですから
もうはるか過去の話になってしまいました…(苦笑)
そういえば調べてて初めて知ったのですが
以前は「成人の日」は前年の「成人の日」の翌日から
その年の「成人の日」までに誕生日を迎える人を祝う日だったが
「ハッピーマンデー制度」実施以降では、
前年の4月2日からその年の4月1日に成人する人を
式典参加の対象にする、いわゆる学齢方式になっているのですね
まぁそれが正解ですよねぇ
以前の方式だと同じ学年でも
翌年になってしまう人もいましたもの…
それはちょっと微妙過ぎますものねぇ…

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今年も「OM-1」の修理はコンスタントにありそうですね
まずは今年1台目のOM-1の修理です。
軽量コンパクトな一眼レフのパイオニアですねぇ
その後、電子制御機であれば同じようにコンパクトな
一眼レフが数多く登場しましたが
機械制御シャッター機と限定すれば
その後を含めても
この「OM-1」と「ペンタックスMX」くらいしか
存在しません。
「OM-1」の魅力は単に軽量コンパクトなだけでなく
感触の非常に良い巻上や、非常に上品なシャッター音等
「優れた使い心地」にもあると思います。
しかしながら基本的には登場から50年経過するカメラです。
現存する個体には全く手の入れられていないものや
前回の整備から随分時間が経っていいるものも多いと思います。
「OM-1」そのコンパクトさを実現するために
他のカメラでは見られないような独自の工夫や
独特な構造している部分があります。
その中には現行モデル時には全く問題なかったのですが
今となっては少々華奢でデリケートな部分があるのも事実です。
大きく頑丈に造られている
他メーカーのフラッグシップ機に比べると
より細やかなメンテナンスが必要なカメラだと思います。

お預かりしている「OM-1」はかなり初期モデルで
モデル名は既に「OM-1」となっていますが
いわゆる「M-1ボディ」で上カバーの刻印が
「OM-1」であること以外はほぼ「M-1」と共通の仕様・部品です。
フィルム室のスタッドが4本、
それに合わせてフィルム圧板は短いものとなっています。
巻上レバーの形状や接眼レンズ部の形状も
通常のOM-1とは異なる形状になっています。
プリズム留めも4本バネのタイプです。
ただしマウント部のネジは「+」ですね。
この仕様でブラックボディは少々珍しいかと思われます。

ご依頼者様が長年使い続けてきた個体かと思われますが
おそらく分解整備はこれまでされていないのではないかと思われます。
まず上カバーを開けてみると
お約束のプリズム接眼部をカバーされたモルトプレーンが劣化して
かなり粘着質になった状態で出てきました。
でもプリズムの腐食はほんのわずかです。
よくこの状態でプリズムがそれほど侵食されない状態で
維持されていたものだと思います。
保管状態等いろいろな要素が関係しているのでしょうね。
実用上は気になるほどの腐食ではないのですが
せっかく分解するのでプリズムは交換で対処いたします。
長年、劣化したモルトと隣合わせにいながら
頑張り続けてきたわずかな腐食のプリズムは
ご依頼者様に返却いたします。
さすがに各部の動きは悪い部分が多く
特に幕軸やミラー駆動部は
積年の汚れのため非常に動きが悪く
高速シャッターの精度は出ておらず
ミラーは明らかにレリーズ時にアップする動きがゆっくりです。
さらにレンズ絞り伝達レバーと連動し
露出計に連動する連動爪はほぼ絞り開放の位置で固まったまま
自信のバネの力では戻っていけないようです、
そのためレンズ側で絞り環を動作しても露出計が連動しません。
常に開放値の状態になってしまっています。
OM-1の絞り環、SS環と露出計の連動は連動糸が使われていますが
稀にこの連動糸が絡まってしまうことがあります。
今回もおそらく絞り環連動糸が絡まって
動けなくなっていると思われます。

やはり絞り連動部の問題は連動糸の絡まりが原因でした。
ここもなかなかデリケートな部分で
たまにトラブルを起こすことがありますね。
他は通常の整備を丁寧に行っていけば
本来の動きを取り戻せそうです。
登場から今年で50年になるOM-1(M-1)ですが
まだまだ現役でがんばってもらえそうです。

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