日別アーカイブ: 2024年3月11日

ミノルタSR-2のカメラ修理

今日は「パンダ発見の日」なのだそうです。
1869(明治2)年のこの日に
中国・四川省の民家で
伝道中のフランス人神父アルマン・ダヴィドが
白と黒の奇妙な熊の毛皮を見せられました。
これが西洋でパンダが知られるきっかけとなったそうです。
中国ではずっと昔から存在は知られていたのですよね
日本に伝わったのはいつなのでしょうね?
動物園や映像で見るパンダはかわいいですねぇ
性格も基本的には温厚で
めったなことで人を襲ったりすることはないそうです。
でもその爪や強大な力を持つ顎には
充分な殺傷能力はあるのですよねぇ
パンダに限ったことではないのですが
動物のかわいらしさばかりが強調されたアイテムが溢れすぎてて
本来の姿を見失いそうでちょっと怖いです…
そう考えていくとたいていの野生動物は丸腰の人間よりは
強いモノばかりなんですよねぇ…
人は何も持っていない状態でそのうえ単独だと
とっても弱い生物なのですね…
少しご無沙汰ですが動物園に行くとそんなことをよく考えます。
でも動物自体は好きですし被写体としても魅力ですね!

さてさて

本日は「ミノルタSR-2」のカメラ修理を行っています。
1958年発売のカメラで
ミノルタ初の一眼レフカメラです。
「初」なのに「1」ではなく「2」です。
ちなみに「SR-1」は「SR-2」の翌年に発売開始され
ポジション的にも「SR-2」から1/1000が省略された
中級機にあたります。
ちょっと不思議なネーミングな気がしますが
数字が大きいほうが上位モデル、といった捉え方ですね。
「SR-2」のシャッターは一軸不回転式ではあるものの
ダイヤルの各SSの間隔は不等間隔で設定も持ち上げ式です。
このあたりはそれまでの主流だった
フォーカルプレーンシャッターのレンジファインダー機の
名残かと思われます。
「SR-2」が開発途中で断念したレンジファインダー機
「ミノルタスカイ」の考え方を引き継いでいることの
表れなのかもしれません。

発売から60年以上経過するカメラでもあり
年々コンディションの良いものが
少なくなっているような気もします。
特にシャッター幕やプリズムの状態の悪いものが多く
幕交換やプリズム交換が必要な個体が多いと思われます。
お預かりしている「SR-2」は
シャッター幕の状態はまだまだしなやかさもあって問題ないのですが
プリズムは周辺に貼られたモルトの加水分解の影響もあって
一部の蒸着が大きく剥離している状態です。
ファインダーを覗いても蒸着が剥がれた部分の
黒い帯がはっきりと確認できます。
写真自体には写りませんがさすがに撮影上にも問題のある状態です。
プリズムは腐食のない中古良品がまだ用意できますので
今回は交換で対処します。
加えて巻上機構やシャッターに動きの悪い部分が多く
いくつか問題を抱えています。
まずは巻き上げるとミラーがあがってしまいます。
当然ファインダーは真っ暗になります。
そしてシャッターを切るとミラーダウンしてくるという状態です。
チャージ時のミラーロックができていない状態です。
そしてシャッター幕軸やスローガバナの動きも非常に悪く
高速シャッターの精度は全く出ておらず
1/1000に設定しても1/250以上の露出になってしまいます。
そして低速時にはガバナが途中で止まってしまい
シャッターが開きっぱなしになってしまう状態です。
どこかに大きな破損等があるわけではないのですが
全体的にスムーズに動くように整備が必要な状態です。

まだまだ取りかかかったばかりの段階です。
これから本格的に分解整備を進めていきます。
内臓露出計を持たないシンプルなカメラなので
整備性は良好です。
ただし各部品の経年劣化が進んでいる部分もあると思われるので
ネジ1本外すところからも慎重に進めていきます。

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