日別アーカイブ: 2025年12月28日

ニコンFGのカメラ修理

今日は「身体検査の日」だそうですよ。
1888(明治21)のこの日に
文部省(現:文部科学省)がすべての学校に
毎年4月に生徒の「活力検査」(身体検査)を
実施するよう訓令したことに由来した記念日です。
年末ですが今年はなんとかじわりじわりと
体重を減らすことに成功し
MAX時に比べると10kgほどの減量に成功しました。
それよりもなんとか血糖値(HbA1C)が夏以降
基準値内で安定していることのほうが成果ですかね…
これも油断するとすぐに上がろうとするので
この年末年始は気を付けなければ…(苦笑)
ところで当店の年内営業も今日まででございます。
今年もみなさまのおかげで
なんとかやりくりして乗り切ることができました
ありがとうございます。
年始は1/7(水)からの営業です。
来年もよろしくお願いいたします。

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
絞り優先オート露出専用機だった「ニコンEM」をベースに
マニュアル露出、プログラムオート露出を追加したモデルです。
「EM」の国内販売が思ったほどではなかったため
追加された様々な撮影に対応できる「マルチモード機」とも言われています。
プログラムオート露出は絞りを手動で変えると
プログラムシフトと称してシャッター速度優先AE的に使用できます。
この露出機構のため、自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改善したAi-Sニッコールレンズが投入されました。
ただこの時代のニコンらしいのが従来のAiニッコールレンズでも
オート露出を可能とするため、
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光が
搭載されていることですね。
かなりいたせりつくせりのカメラです。
機械的な駆動部は確かに「EM」をベースとしていますが
制御方法は一気に複雑化したのでもはや別物です。
測光方法の変更のせいもあって
シャッター音(ミラー駆動音)がFGならではの独特な音がします。
個人的には非常に好きな独特なシャッター音です。
愛称は「プログラム・ニコン」
「機能的」には上級モデルである「FE」を一部超えるカメラとなりました。

お預かりしている「FG」はミラーアップしたまま
固着した状態で当店にやってきました。
電池切れのときになる症状なのですが
電池を入れ替えてもメカニカル駆動の「M90」にセットしても
ミラーが復帰せずシャッター切れず巻上できずの状態です。
機械的にどこかでスタックしたものと思われます。
シャッタユニット周りの汚れや油切れが原因と思われます。

画像は取り掛かり始めのモノですが
この後、分解を進めて
とりあえずシャッターが切れる状態にはなりました。
やはりミラー駆動部の動作不良で
固着してしまっていることが原因でした。
「EM」は電子制御機としては比較的整備性の良好なカメラでしたが
さすがに「FG」は制御が一気に複雑化していることもあって
なにをするにもなかなか難儀なカメラです。
一通りの機械的整備を行って仮組してみると
今度はオート露出制御が随分とオーバー目であることが発覚します。
ネガだったとしても写真に影響が出そうなレベルです。
マグネットや接点の清掃整備は並行して行っていて
マニュアル時SSには問題がないようなので
電気的な調整で対応します。
この時代のカメラになると機械的側面と電気的側面と
両方の整備を行わなくてはならずなかなか手間がかかります。
それでもニコン機はこのあたりまではなんとか対応可能です。
とはいえ回路内の部品トラブルがあると
残念ながら修理不可能にはなってしまいます。

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