キヤノンFTbのカメラ修理

今日は都内は朝から冷たい雨です。
せっかくのお休みの日に雨でがっかりしている方も多いでしょうね。
ちなみに。。。
私のお店の定休日でもある火曜日は
ここのところ2週続けて雨なのです。。。(苦笑)
今度の火曜日は晴れてほしいですね!

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
キヤノンの機械制御シャッターの一眼レフとして
根強い人気のあるカメラです。
クイックローディングも採用され
フィルムの装填も随分簡単にできてしまいます。
ほぼ同時期に登場した「F-1」とも機械的部分での
共通項は多く、歯切れの良いシャッター音も
F-1と同様の音でなかなか気持ちよいカメラです。

今回、お預かりしているFTbは
押入れの中で30年は眠っていたとのことです。
外装はそんなに汚れも酷くないのですが
それだけ眠っていたということになれば
問題なのはその動作状況です。

まず、バッテリーチェック、露出計ともに
電池を入れてもピクリとも動きません。
電池室トラブルはFTbは比較的少ないカメラなので
ON/OFFスイッチ部分の接触不良が疑われます。
シャッターは1/1000はほとんど開かず
1/500で1/1000程度は開きますがかなりムラがあります。
スローガバナは固着気味で1秒だとたまに開いたままで
固着してしまいます。
もちろんモルトは全滅です。
付属のFD50mmF1.4はカビが多く見られ
ピントリングもかなり重い状況です。

典型的な長期保管による油切れ等の症状が
一通り見受けられます。
個人的な見解ですがいわゆる「壊れている」という状態ではなく
油切れ・汚れ等で動きが悪くなっている。。。という状態ですね。
この時代のカメラはどこかが「壊れている」ということは意外に少なく
「動かなくなってしまっている」という状態がほとんどだと思います。
もちろん、このままでは満足に使えませんので
きっちりとした整備が必要です。
これから分解を進めてシャッター周りから
各部点検整備一式を行います。

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