ニコマートELのカメラ修理

今日は4月22日、1996年のこの日にAPS(アドバンスフォトシステム)が
世界同時に発売されました。既に5年ほど前にフィルムの販売も終了し
システムそのものが終焉を迎えました。
ちなみにAPSというネーミングそのものはフィルムの名称ではなく
はIX240フィルムを使用したシステム全体のことを指すのですね。
システム自体は終わりましたがデジカメのセンサーサイズでは
未だに「APS-C」というネーミングだけは残っていますね。

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
当ブログでは同じ「ニコマート」でも「FT系」が登場することが多いのですが
機械制御シャッターの「FT系」に対し
「EL系」は電子制御シャッターです。駆動するシャッターは
いずれも安定して丈夫なコパルスクエアです。
ニコマートFTNから遅れること7年、
1972年に「ニコマートEL」はデビューしました。
電子制御シャッターということで「絞り優先AE」を搭載しますが
ニコンとしては初の「絞り優先AE搭載機」です。
基本的に電池がないと通常の動作はしませんが
電池がない場合は全速1/90で切れるようになっています。
使用電池は6Vの4LR44、電池室はなんとミラーボックスの下部にあります。
何の予備知識もないとまず見つけられないですよね。。。

今回、お預かりしたニコマートELはご依頼者様が
当時、新品で購入され今まで使い続けられているというカメラです。
非常に丁寧に使われてきたことが外観からもわかりますが
一度、フラッシュを付けた状態で落としてしまったらしく
ペンタ部に軽い凹みがあり、現在はフラッシュを付けても光らないようです。
加えて露出計及びオートがかなりアンダーよりに振れてしまっています。

初期の電子制御カメラということもあって
時代を感じさせる基板がペンタ部に鎮座しています。
この頃の電子制御機は電子部品に耐久性が足りないものも多く
基板関係にトラブルを抱えていると修理不能のものも少なくありません。
今回は基板の動作自体は問題なさそうなので
機械部分の点検整備と電子制御部分は調整で何とか対応できそうです。

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