ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は5月18日、五、十、八ということで
「ことばの日」だそうです。
言葉ってとても大事なものですけど
ついつい言い間違えちゃったり
使い方が悪くて微妙なニュアンスが伝わらなかったり
時には思ってもみない誤解を招いたり
本当に難しいですよね。
50年近く生きていて日本語しか使っていないのに
言葉の難しさを痛感する毎日です(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒット作SPに開放測光機能を追加したモデルです。
マウントはM42ですが開放測光はペンタックス独自の機能のため
開放測光を行うには同時期に発売された
「SMCタクマーレンズ」を使用する必要があります。
他のM42レンズを使用の際は従来通りの
絞込み測光です。
露出計機能以外の部分は基本的にSPと同様ですが
露出計関連の電気回路部分はSPとは全く別物で
まだまだシンプルな部類ではありますが
SPに比べると随分複雑になってきています。

お預かりしているSPFは
低速シャッター時にミラーアップしたままに
なってしまうということでお預かりしています。
今回もシャッター幕(後幕)の動きが悪いためと思われます。
測定機でシャッタースピードを測ってみると
1/1000の場合で走り始めは1/800、画面中央で1/500
走り終わり近くでは1/300の露光量になっています。
後幕の動きが遅いため
シャッターが走っている間にどんどんスリットが
開いていき露光量が最初と最後で1段くらい異なる状態です。
加えて露出計は+側にほぼ振り切った状態です。
SPFの露出計はちょっと変わっていて
電源が入っていない状態で指針は真ん中にきます。
この真ん中にいる指針をCDS(受光体)からの電流と
絞り・シャッタースピード情報からの電流で引っ張り合い
指針が真ん中でバランスが取れるときが適正露出という仕組みです。
調整する上で少々、注意が必要なのは
開放測光時の調整と、絞込み測光時の調整は
それぞれ異なる可変抵抗で調整します。

まずは現状チェックを行っただけの状態です。

これから本格的に分解整備に取り掛かり
各部点検整備一式を行います。

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