ミノルタX-7のカメラ修理

9月15日というと。。。
「敬老の日」のイメージが強いのですが
今は9月第三月曜日で今年は17日ですね。
でも現在でも15日は「老人の日」と制定されています。
1964年までは「としよりの日」だったそうです。
「としより」という言い方がひどいとのことで
「敬老の日」に改められたそうです。
それにしても今の時代、幾つから「老人」なんでしょうね。
もちろん個人差も大いにあるでしょうが。。。

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
X-7はちょっと久しぶりですね。
宮崎美子さんのCMでお馴染みのカメラです。
(これをリアルタイムで見ているのは
もう結構なおじさんです。。。私もですが。。。(笑))
CMソングで使われた「いまのキミはピカピカに光って」は
最初はCM用でサビの部分しかなかったのですが
このCMがあまりにもヒットしたため
急遽、シングル化してレコードリリースされたそうです。
オリコン最高位9位で20万枚のヒットだったそうです。
志村けんさんがパロディで真似ていたのも強烈に覚えています(笑)

この時代は各メーカー、エントリーモデルとして
軽量コンパクトな絞り優先AE専用機を用意していました。
(ニコンEM、ペンタックスMV1、オリンパスOM10等々。。。)
そんな中、上記のCMのヒットもあり、X-7は大ヒットしたカメラです。
先行販売していたXGシリーズを基本として作られています。
機械的な部分はXGーEと共通する部分も多いですね。
ミノルタ機らしく使い心地の良さが魅力的な1台です。

お預かりしているX-7は長い間使われていないようで
まず電源が全く入りません。
全速電子制御シャッターなので電源が入らないと
シャッターを切ることができません。
電池室周りの接触不良が原因だと思われます。
取り急ぎ応急処置をして電源が入るようにしたのですが
今度はオート時の露出計もシャッタースピードも
非常に不安定です。
電池室だけではなく基板周りの接点で接触不良が起きているようです。
古い電子制御機だとよくあるトラブルです。

80年代のカメラですからフレキで覆われています。
底部分からフレキが繋がっているので
基板を外すのは結構な重作業です。
電池室へのアクセスはいいので
とりあえず電源を入れることは何とかできたのですが。。。(汗)
今回のX-7は大丈夫だったのですが
X系といえば定番なのがプリズム腐食です。
プリズム前面に貼ってあるモルトの加水分解が原因ですが
今回のX-7も
「よくこの状態でプリズム腐食が起こらなかったなぁ」と思うほどに
モルトは酷い状態でした。もちろん予防策を打っておきます。

余談ですが
巻き戻しクランク部にあるメインスイッチを留めてあるカニ目は
受け側がプラスチックです。
劣化して脆くなっているものも多く
締めすぎると簡単に破損します。
破損するとSWがグラグラになり接触不良を起こします。
ジャンク箱に入っているX-7に結構この症状の個体を見かけます。
これからX-7を手に入れようとお考えの方は
要チェック箇所です。ここを交換するには
フレキをめくらなければならないので結構面倒なことになります。

このX-7はご依頼者のお父さまからいただいたものだとのことです。
きっといろいろな思い出を写してきたカメラですね。
当時と同じように軽快に写真が撮れるように
これから本格的に分解整備を行っていきます。

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