ニッカⅢSのカメラ修理

今日は8月5日ということで「奴(やっこ)の日」らしいですよ。
ここでいう「奴(やっこ)」は「奴豆腐」のことです。
暑い夏になると「冷奴」を食べる機会も多くなりますねぇ。。。
個人的に湯豆腐だと木綿が良いと思いますが
冷奴だと絹豆腐が美味しいかな。。。
ちなみにかけるのは醤油ではなくてポン酢です。
醤油だと辛すぎる(しょっぱすぎる)のですよねぇ。。。
そのかわりたっぷり目にかけていただきます。
冷奴だと日本酒、焼酎がやはり合うと思います。
冷たくてさっぱりした薬味を乗せた冷奴に
適度に冷えた辛口の日本酒。。。あぁ夏ですねぇ。。。

さてさて

本日は「ニッカⅢS」のカメラ修理を行っています。
ニッカカメラは太平洋戦争時にライカの輸入が困難になったため
軍からの命令により生産されたコピーライカ、「ニッポン」が
最初のモデルとなったメーカーです。
戦後もいわゆるバルナックライカコピーを造り続け
その造りの良さで今でも人気のあるメーカーです。
「ⅢS」は1952年に発売されたモデルで
Ⅲ型がベースとなっていますがシンクロ接点がドイツ式に変更され
X接点が追加されたモデルです。
この時代のバルナックタイプのカメラはどれもそうなのですが
シャッター幕が劣化し、ガチガチに硬化しているものや
ゴム引きが溶けて粘着室になっているもの
裂けたり穴が開いていたりするものが非常に多く
発売当時から未整備のものはまず間違いなく
シャッター幕交換が前提となります。

今回お預かりしているニッカⅢSも
シャッター幕がガチガチに硬化しており
まともにシャッターが切れる状態ではありませんでした。
それとは別問題でスローシャッターの動作がおかしく
1/20~1/8ではガバナが全く効かずシャッターが高速で切れてしまい
1/4~1秒では今度はガバナが固着してしまい
シャッターが開いたままになってしまいます。
さらにスプールが空回りしてしまうようで
フィルム未装填だと普通にスプールは回るのですが
フィルム装填すると全くスプールが回らず
巻き上げられない状態です。

ニッカカメラだと純正装着されるのは
ニッコールレンズですが写真で装着しているのは
ライバルメーカーでもあるトプコールです。
(当店所有のテスト用レンズ)
幕張替えを行い、シャッタスピードを調整し
スローガバナの整備も行いました。
ファインダーがカビ等で随分汚れていて
二重像も見え辛い状態だったのですが
非常にキレイに見えるようにもなりました。
スプールの空回りはスプールリンク部分に
不要な油が注されており、
そのために滑ってしまうような状況でした。
幕交換したおかげでもあるのですが
巻上も軽く非常にスムーズに仕上がっています。
この状態であれば快適に撮影に使っていただけると思います。
ニッカのカメラもいろいろ種類がありますが
基本的にどれも造りが良いと感じます。
しっかり整備さえ行えば現在でも気持ちよく使えるカメラだと思います。

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