オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「書道の日・習字の日」だそうですよ。
私、書くのも左利きなのですが
右に直すために硬筆も習字も行かされましたねぇ。。。
小学校低学年の頃にでしたけど
もうそのタイミングでは遅かったらしく
その習字教室だけでは右で書いているのですが
他では普通に左で書いてしまい直りませんでしたね(笑)
まぁ、本人が直す気がなかったのだからしかたねいですねぇ。。。
筆なんてもう何十年も取った覚えがないので
右だろうが左だろうがまともに書けないと思いますが
筆どころか普通に書くこと自体がめっきり少なくなってしまいましたものね。
今のこれだってキーボードで打っているわけで。。。
筆はともかくペンででも
たまにはゆっくりしっかり書くことがないといけませんね。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
1963年に発売された世界初のハーフ判一眼レフカメラです。
その後、露出計の追加されたFTや
FTから露出計が省略されたFVも発売されますが
個人的にはこの最初のペンFが好みです。
2回巻上で巻上も軽く巻上角も小さく
露出計のためのハーフミラーを備えないファインダーは
ピント合わせもFTより行いやすいと思います。
そういえば、ここのところペンFTの修理はちょくちょくありましたが
ペンFは意外と久しぶりかもしれません。
単に世界初のハーフ判一眼レフというだけではなく
ペンFはそれ以外にも非常に独創的なカメラで
通常の一眼レフでは見られない構造に溢れています。
その構造は素晴らしいのですが
やはりコンパクトさ優先になっているため
さすがに50年以上経過してしまうと
華奢な部分が結構あるのも事実です。

お預かりしているペンFは
シャッターが開いたまま固まってしまっています。
もちろんミラーも上がったままです。
ペンFはロータリーシャッターという
パックマンのような形をした切れ込みのある円盤が
回転することによってシャッターを開閉しています。
最高速の1/500のときのみ
何もブレーキがかからず1回転するような仕組みで
それ以外のシャッタースピードの場合は
ブレーキとガバナーで回転を一旦留め
設定されたシャッタースピードが経過したら
再び回転し1回転するという構造です。
いずれのシャッタースピードでも全開になるので
全速フラッシュシンクロが可能です。
今回はそのガバナとブレーキ周辺が固着してしまっていることが
トラブルの原因です。
このあたりもペンFならではの構造ですね。
ペンFのトラブルはこのガバナ周りと
ミラー駆動部関連が非常に多いです。
逆にそれ以外の動作不良はあまり見かけられません。

シャッターユニット、ミラー駆動部、ファインダー等々の整備を行い
最終チェックを行えば完成といった状態です。
巻上も非常にスムーズになりました。
ミラーを縦に配置し独特の経路を通って
ファインダーに像を導くため
レンズが大きくオフセットした独特のフォルムが
また何ともいいですね。
加えてやはりペンFは花文字が似合います。
ペンFTになるとセルフタイマーが付くため
上カバー正面の花文字は省略されてしまいますが
やはりここに花文字があるとカッコ良いですね。
もちろんレンズキャップの花文字もステキです。
(レンズキャップ、中古で探すと結構高いのです)
ペンFはプリズム腐食を起こしてしまっている個体も
多いのですは今回はプリズムもクリアです。
動きの非常にスムーズになったペンFで
ご依頼者様には存分に撮影を楽しんでいただければと思います。

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