コニカC35フラッシュマチックのカメラ修理

今日は「百円玉記念日」だそうですよ。
1957年(昭和32年)のこの日、日本で初めて百円硬貨が発行されたそうです。
最初の百円玉は大きさこそ現在と同じですが
図柄ももちろん異なり、銀貨だったのですね。
(銀60%・銅30%・亜鉛10%)
その後、1959年に図柄のみ変更され
1967年に現在の百円硬貨が発行されます。
この時に材質も変更され
白銅(銅75%・ニッケル25%)になったのだそうです。
銀貨とか金貨とか聞くと何だかそれだけで
ちょっとワクワクしますよね(笑)
小学校低学年くらいの頃のお小遣いが
週に一度、百円だったなぁ。。。
百円玉握り締めて近所の駄菓子屋によく行ったものです。
駄菓子と銀玉鉄砲の弾とかですぐなくっちゃうのですが。。。(笑)

さてさて

本日は「コニカC35フラッシュマチック」のカメラ修理を行っています。
お馴染みの「じゃーに~コニカ」ですね。
初代C35にフラッシュマチック機構が加えられたものが
今回の「C35フラッシュマチック」です。
発売開始は初代登場の3年後となる1971年です。
フラッシュマチック機構以外のスペックは初代とほぼ同様で
露出はプログラムオートでレンズはヘキサノン38mmF2.8
レンジファインダーを装備します。
ピントだけはレンジファインダーできっちり合わせて
露出はカメラまかせというスタイルですね。
同様のカメラでは目測式ピントのものも多いですが
やはり距離計できっちり合わせたほうが安心感が高いです。
このフラッシュマチックも初代C35同様、大ヒットしたカメラです。
C35の登場以降、各社同じようなタイプの対抗モデルを
次々と発表していきますが
やはりこのジャンルの第一人者といえばC35でしょうね。

お預かりしているC35フラッシュマチックは
まず前玉が落下してしまったらしくありません。。。
通常外れるようなものではないのですが
激しく落下した様子もありません。
めずらしいこともあるなぁ。。。と
まずはレンズ周り以外の部分をチェックしていきます。
C35といえばシャッター羽根粘り
(正確に言うとシャッター羽根駆動部円盤の動作不良)が定番ですが
今回お預かりのC35はシャッターそのものの調子は良いようです。
しかしながらファインダーをチェックすると
通常ではありえないほどに水平方向のズレが確認できました。
垂直方向もズレてはいるのですが
水平方向はどこに合わせても無限遠が出ないというほどのものです。
自然にズレたような感じではないな。。。と思いながら
チェックしていくとヘリコイドに分解歴があるようで
ヘリコイドのねじ込み位置が明らかに異常であることが発覚しました。
おそらく前玉が落下してしまったのも
これが関連していると予想されます。
電池は1.5VのLR44が装着されていたのですが
C35はもともと1.3Vの水銀電池使用です。
そのまま1.5Vの電池を入れると(大きさはぴったり合う)
大抵の場合、大幅にアンダー(振り過ぎ)となってしまいます。
今回も1.5段以上アンダーの値を示していて
実際のオート露出も同様にアンダーです。
今回は1.5Vで調整しなおし適正な値にしていきます。

紛失した前玉部分と留め枠は補充し
ヘリコイド部は一旦取り外し
フィルム面のピントがきっちり合うように組みなおします。
それに合わせて距離計も調節していきます。
CdSや電池室には今回は問題はなさそうですが
一通り通電チェックを行っていきます。
もちろんシャッター駆動部やシャッター羽根洗浄も行います。
基本的にはシンプルな構造のカメラなので
今回は問題ない状態に整備できますが
最近、妙な分解歴のあるカメラが多いですね。
C35のように頻繁に取り扱っているカメラであれば
大抵のことにすぐ気づきますし元々の状態も把握しているので
破損や変形がなければそれほど大きな問題にはなりませんが
ちょっと変わったカメラだと元々の状態を把握するまでに
結構な工数を取られることになります。
開けてみなければわからないことも多いので
難しいところですが。。。

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