ヤシカミニスターのカメラ修理

今日は「フリーランスの日」なのだそうです。
フリーランスとは。。。
「特定の企業や団体、組織に専従しておらず
自らの技能を提供することにより
社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である」
じゃ、私も一応、「フリーランス」ということになるのかな
そんなスマートな感じの仕事じゃないですが。。。(笑)
細かい手間仕事を都度請け負って
細々と何とかやっているという感じです
組織に属してなくて完全な個人プレイなので
仕事を一生懸命やろうがサボろうが
あまり怒られることはありませんが
その結果はダイレクトに跳ね返ってきます。
上手くいっても所詮、個人の手間仕事なので
大儲けにはなりませんが
効率の悪いことをしていたり手を抜いていたりすると
あっという間に窮地に追い込まれます。。。
先日の入院で1ヶ月以上作業を休まざるを得なかったときには
さすがにちょっと青ざめるほどの状況でした(汗)
自分に何かあるとその時点で終わってしまうと考えると
かなりリスキーだなぁ。。。とは思います。
今更、そんなわかりきったことを気にしてもしかたないので
健康にだけは気を付けて毎日を積み重ねるしかないですねぇ。。。
あぁ、今年も何とか年は越せそうです(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカミニスター」のカメラ修理を行っています。
1960年発売のカメラです。
セレン光電池を利用した露出計を搭載し
LV(ライトバリュー)値で適正露出を指示してくれます。
露出計は完全に独立しておりカメラ側との連動はありません。
ただ、ボディ側でもLV値に応じた設定ができ
(LVリングを回すことでLV値を設定する)
露出計と同じLV値にすれば露出設定はOKというカメラです。
それとは別にSS/絞りリングを回すと
LV値は保持したままSS/絞りの組み合わせを変更できるという作りです。
LV値ベースで操作すると使いやすいのですが
個別にマニュアル的にSS・絞りを設定しようとすると
ちょっと操作に戸惑うかもしれません。
でもこの1960年前後はこういうLV値ありきの
操作方法のカメラは比較的多く
特にミニスターのように非連動の露出計搭載機には
同じような露出設定方法のカメラがたくさん存在します。
慣れてしまえば意外に使いやすいのですけどね。
シャッターはコパルSVLで最高速は1/500です。
レンズはヤシノン4.5cmでF2.8搭載機とF1.9搭載機が存在します。
結構多くの台数が販売され現存している台数も多いと思われます。
話が逸れますが同じ名前のタバコが以前存在してて
他の銘柄とほぼ同じ値段なのに30本入っているのですね。
(通常は20本入り)まぁ少し短いのですが
今でも友人の幼馴染が一時期吸ってたなぁ。。。と
このカメラを見るたびに思い出します(笑)

現存するミニスターの多くは何かしら動きの悪い部分があって
要整備なものがほとんどではないかと思います。
今回のミニスターも最も心配されるセレンの状態は良く
露出計にほぼ問題はないのですが
まず先程触れたLVリングやSS/絞りリングが激重で
無理に回すと壊れそうなほどです。
シャッターは何とか切れていますがやはり羽根に粘りがあり
スローガバナはほぼ固着しており
1秒に設定すると開いたままで止まってしまいます。
レンズにはかなりのカビが確認でき
ファインダーも曇っていて二重像も非常に見えにくい状態です。
あともう一つ、ミニスターの場合は必ず先に確認しておくのが
巻き戻しノブです。
スプロケット軸固着で「R」ポジションに回り切らず
巻き戻しができない個体が非常に多いです。
うっかり見逃していて後の動作確認で気づくと
また分解やり直しになる部分なので
必ず確認+正常でも念入りにそこの整備を行います。

巻上部やシャッターユニット内もそうですが
とにかく全体的に動きの悪い部分が
非常に多い状態です。
ただ、レンズのカビやファインダーのクモリも含めて
致命的なものはなくしっかり整備すれば
本来の姿を取り戻せる状態です。
しっかり整備されたミニスターの巻上は
なかなか軽やかで良い感触です。
まだ途中経過ですが今回もミニスターも
非常に気持ちよい巻上になってきました。
完成後には是非ご依頼者様にも味わっていただきたいと思います。

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