リコーフレックスⅦのカメラ修理

今日は「漢字の日」だそうですよ。
「いい(1)じ(2)いち(1)じ(2)」(いい字一字)と読む
語呂合わせからですね。
「漢字の日」といえば毎年恒例の
その年の世相を象徴する「今年を表現する漢字」を全国から募集して
一番多かった漢字を、この日に「今年の漢字」として
京都の清水寺で発表しています。
今年は今日が日曜日なので明日の14時30分頃に発表される予定だそうです。
うーん、やっぱりオリンピック開催年ですから「金」ですかね?
(ロンドン五輪、リオ五輪の年はいずれも「金」でした)
何だかもっと他にあるような気がするのですが…(苦笑)
まぁ、「今年の漢字」はともかくとして
紙に書くことが少なくなってきたので
意外と漢字が書けなくなっていますよねぇ…読むことができても…
おまけに私、年賀状も全く書かない人なので
本当にメモくらいしか書かなくなってしまいました…
頭がトラブる前…一昨年あたりに百人一首を覚えようと思って
筆ペンで一生懸命書いていたのですが
それも頭がおかしくなったりで中途半端なとこで挫折してるなぁ
そのうち再開しなくては…(苦笑)
せっかく日本人なのですからキレイな日本語と漢字くらいは
ある程度、正しく使えるようになっておきたいですよね!

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスシリーズは
1950年代の爆発的な二眼レフブームをけん引したカメラです。
プレスボディの軽量コンパクトなボディに
必要最小限の機能を搭載し非常にお求めやすい価格で売り出し
ピーク時には国産カメラ生産の半分以上が
リコーフレックスだったと言われています。
特徴的な前玉回転式ピントギアを搭載して
いわゆる「リコーフレックス」らしい仕様になり大ヒットしたのは
1950年発売の「Ⅲ」からで
そこから「Ⅳ」→「Ⅵ」とモデルチェンジされ
1954年に今回お預かりの「Ⅶ」が発売されます。
フードにアイレベルのコンツールファインダーが組み込まれたりしたのが
変更点ですが基本的にⅢ以降のリコーフレックスは
それほど大きな変更はされておりません。
それよりも同じモデルコードの中でも搭載シャッターユニットが
異なるヴァージョンが存在するものがあり
そちらのほうがスペック的にも大きな違いとなってきます。

お預かりしている「リコフレⅦ」は
シャッターは大きな問題なく動作しているものの
レンズの状態があまりよろしくなく
特に前玉のコーティング傷みが激しい状態です。
清掃ではちょっと厳しいな…という状況でしたが
今回はご依頼者様から
部品取用の個体の提供もあり
そちらからレンズユニットを移植する方法をとりたいと思います。
過去に修復歴が何度かあるようで
ファインダールーペに簡単な加工が行われていたりします
今回はその加工も少々頼りないので元に戻して
別の方法でルーペを安定して固定できるように対処していきます。
リコーフレックスといえば例のピントギアが大きな特徴で
そこにトラブルを抱えていることも多いのですが
今回は回らないとかいうほどの大きな問題はなく
軽く動くように普通に処置すればOKかと思われたのですが
実際に整備に取り掛かってみると
ビューレンズ側のギアにかなりの変形があることが判明し
最短から無限に向かって回していくうちに
テイクレンズ側とビューレンズ側のピントが
ズレてしまうことがわかりました。
これでは話になりません。
今回はレンズ用に部品取りが提供されていたので
その個体からビューレンズ側のピントギアも
移植することで対処します。

他、シャッター、レンズ清掃、ファインダー清掃
ピント調整等々、一通りの整備完了の状態です。
もちろんファインダーミラーは毎度のごとく
劣化が酷いので交換いたしました。
リコフレがヒットした要因は
やはりそのお求めやすさだとは思いますが
コストカットの方法が現在とは全く違って
まだ生産工法に詰める余地がたくさんあった頃の話です。
そのためこのリコフレもコストカットを進めて
お求めやすい価格になってはいますが
その造りや素材に安っぽい部分は全くありません
こうやってみても気品あふれる50年代の立派な高級カメラです。
やはりこの時代の国産レンズシャッター機はいいですね!

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