日別アーカイブ: 2025年4月9日

ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「フォークソングの日」だそうですよ。
「フォー(four=4)ク(9)」と読む語呂合わせからだそうです。
ここでいう「フォークソング」とは
国内で1960年~1970年代にブームとなったものを
指しているようです。
私も世代的にギリギリかすっているかな…
あまり古いものは馴染みがないですが…
私の世代になると昭和アイドル全盛期に加えて
ニューミュージック(死語?)全盛期ですね。
当時に手に入れたレコードやカセットもいまだに持っていますが
カセットでしか持っていないものは
やはりちゃんとした音源が欲しいので
大人になってから
レコードや再発CDとかで買い集めました。
当時の思い出とセットになってしまっていますから
やはり10代の頃によく聴いた音楽は思い入れが強いですよねぇ…

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
1979年末に発売されたカメラです。
「Mシリーズ」は異端児的な「MX」を覗いて
全ての機種が元々エントリー機である「ME」をベースに
開発されています。
「ME」は絞り優先オート専用機でしたが
それに1/2000シャッターを追加し
マニュアル露出も可能にしたのが
「MEスーパー」です。これにより
撮影に幅が一気に広がるハイスペック機へと生まれ変わりました。
さらにファインダースクリーンに新規開発された
「クリアーブライトマットスクリーン」を搭載し
ファインダーは非常に明るくなりピントのキレも向上しています。
元々オート専用が前提の「ME」がベースになtっていることもありますが
マニュアル時のSS設定はこの時代あたりまえのダイヤル式ではなく
「アップ」「ダウン」の二つのボタンで行います。
おそらく当時はかなり賛否両論あったとは思いますが
慣れるとこれはこれで使いやすいと思います。
後のペンタックスAシリーズや中判の「645」にも搭載されますので
それなりに支持は合ったのだと思います。

お預かりしている「MEスーパー」は
巻上が無限にできてしまいます。
でもどれだけ巻き上げてもシャッターは切れません。
レリーズボタンは押せますがシャッターはうんともすんとも言いません。
巻き上げてもシャッター幕は動いておらず
チャージ状態にあると思われます。
「ME系」といえばミラーアップのトラブルが有名ですが
今回の症状も原因は同じようなものです。
ミラー自体は下りたまま正常な位置ですが
ミラーチャージをロックする部分が固着して
チャージロックができず巻き上げを行うために
ミラーチャージのバネは引っ張るのですが
ロックされないためにそのまま戻ってしまいます。
ミラーチャージができていないために
巻き上げロックもかからず無限に巻上ができてしまいます。
シャッターはチャージされているものの
ミラーがチャージされていないため
レリーズしても何も起こりません。
チャージロック部分固着の原因は
ミラーアップトラブル時と同じく
ミラー駆動部に使われているゴムブッシュの溶解による固着です。
溶解したゴムをすべて取り除き
代用品に交換する作業が必要です。

「ME系」のカメラは電子制御機ですが
電子回路関係のトラブルは少ないカメラです。
今回も電池室もキレイですし
調整こそ必要ですが回路やシャッター・オート制御に
大きな問題はないようです。
この時代のペンタックス機は全機種、内部モルトも多く使われており
今回のゴムブッシュもそうですが
経年劣化に弱い消耗品が内部に多く
いろいろなトラブルを引き起こします。
ただしこの類のカメラとしては整備性は非常に良好で
手をしっかり入れれば一部の機種を覗き
大抵の場合は正しい動きに戻せるものが多いです。
使い心地も良いですしスペック的にも高いので
非常に使い勝手の良いカメラだと思います。

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