オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「世界亀の日」だそうですよ。
亀について知り、亀に敬意を払い、
亀の生存と繁栄のための人間の手助けをする日だそうです。
公園の池とかに行くと都内でも
比較的よくみかけますよね。
天気の良い日にのんびり甲羅干ししている姿には
何ともこちらものんびりした気分になりますね。
調べていて知ったのですが
「tortoise(トータス)」は主に陸上に生息する「リクガメ」を
「turtle(タートル)」は海または水中に生息する
「ウミガメ」を意味するのだそうです。
よたよたと陸上を歩いているリクガメも
優雅に海を泳ぐウミガメもどちらも魅力的ですね。
そんなことを調べて読んでいると
ひさしぶりに動物園や水族館に行ってみたくなってきました。

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
つい数日前にもペンSの修理を行いましたね。
初代ペンの高品位モデルという位置づけで
マニュアルで撮れるペンとして今でも非常に人気の高いモデルです。
ペンシリーズはオリンパスのこだわりで
ハーフサイズでフィルム面積が小さいからこそ
レンズは性能の良いものを積み35mm判に迫る画質を得る…という
考えで開発されており
その小さなボディやレンズから想像する以上に写りの良いカメラです。
初代ペンやペンS3.5に搭載される2.8cmF3.5も
今回のペンSに搭載される3cmF2.8も非常に評価の高いレンズです。

…とはいえ、さすがに登場から50年以上経過するカメラです。
状態は個体ごとに千差万別で
評価の高いそのレンズの状態もカビだらけになっているものも多いです。
それ以上にやはり小さなバネの力で駆動する
シャッターユニットにトラブルが集中している場合が多いと思います。

お預かりしているペンSはわかりやすくシャッター羽根の動きが粘っており
SSに関係なくシャッターを切ると「よっこらしょ」といった感じで
重そうにゆっくり羽根が開きます。
いったん開き切ると閉じるときはそれなりの動きで閉まるようです
しかしながら目に見えてゆっくり開いているような状態だと
ほぼ間違いなく写真は露光過多で真っ白になってしまいます。
このままの状態では全く使えない状態です。
シャッター羽根動作不良の原因は羽根自体に付着した汚れや
油滲みが原因です。
レンズシャッター機はその構造上、
機械制御部にはいくらかの潤滑油を必要としますが
その油分が機械制御部に隣接している羽根に染み出してしまうと
それこそ簡単に粘りや固着を生み出します。
いつも書きますがレンズシャッターは小さなバネの力で
動く繊細な機械です。わずかな油分でも余計なところに付着すれば
簡単に動作不良を起こします。

シャッターユニットはできる限り分解して一通りの整備を行い
シャッター羽根はもちろんのことユニット内の古い油もいったん洗い流して
清掃を行った後で最小限の注油を行います。
今回はレンズもそれなりにカビも発生していましたが
そちらもできる限りの清掃を行い
非常にクリアな状態になっています。
そうして組みあがった状態が上の画像ですが
非常に快調に気もちよくしゃったーは動作しています。
ファインダーも非常にクリアです。
これで本来のペンの実力を
存分に楽しんでいただける状態になったと思います。

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