ミノルタXEのカメラ修理

今日は「ナボナの日」だそうですよ。
そう!あの「ナボナはお菓子のホームラン王です!」のナボナです。
王さんが現役時代に出ていたこの名台詞のCMも
もう知らない人のほうが多いのでしょうねぇ…
1963(昭和38)年に発売され
もちろん現在でも人気商品です。
フワフワのクリームにこれまたフワフワのカステラ生地が
最高に美味しいのですが
残念ながらしばらく口にした覚えがないです…
昔ながらのチーズクリームの印象が強いですが
「今はどんな感じ?」と発売元の亀屋万年堂さんのサイトを見てみると
おぉぉぉぉ。。。今はまたいろんな種類が売っているのですねぇ
定番のチーズクリームはもちろん現役で
あんバターナボナとかバニラとかショコラ苺とか。。。
店舗限定の「生ナボナ いちごと小倉」なんて
最高に気になります…(笑
お休みの日に都内の店舗行ってみようかな…
食べ過ぎには注意ですが…(苦笑)
しかしこんなの見てると「甘いものモード」に
なってしまってたまりませんな…

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
ミノルタXシリーズとしては2台目の登場となるカメラで
1974年の発売です。
前年にXシリーズ最初のカメラでフラッグシップでもある
「X-1」が発売になっていて
こちらはこれまでの技術の集大成ともいえる布幕横走り機ですが
「XE」はライツ、コパルと組んで3社で開発した
「ライツコパルシャッター」という金属羽根縦走りシャッターを搭載し
絞り優先オートを装備した意欲作です。
シャッタースピードやらフラッシュ機能やらオート機能とかの
わかりやすいカタログスペックよりも
いわゆる「使い心地」を重視したカメラで
当時としてはめずらしいアプローチだったと思われます。
何と言ってもその魅力は滑らかな巻上フィールです。
感覚的なモノなので主観ですが
個人的にも縦走り機では一番だと思っています。
そしてこの時代なので決してさほど明るくはないのですが
キレの良いファインダーにふわりと動く視認性の良い露出計指針等々
確かに使っていて気持ちの良いカメラです。
ただ、これも時代を考えると当然ではありますが
ボディは少々大柄で重く取り回しはそれなりです。
反対に重厚さは強調されてデザイン的にも威風堂々としています。

電子制御機としては比較的初期のカメラであり
やはり電気関係にトラブルは多いカメラでもあります。
それでも致命的な電子部品不良とかは比較的少ないほうだと思います。
今回お預かりしている「XE」も
精度はともかくシャッターは各速切れているのですが
露出計に不具合を抱えています。
シャッターが切れているので電源はもちろん入って
露出計は明るさには反応していています。
シャッタースピードを変更するとそれに伴って
露出計の指針も変化しますが
レンズ側の絞りを動かしても露出計指針に変化がありません。
先日のOM-1でも同じような症状がありましたが
今回は物理的には絞りリングにボディ側の連動爪もちゃんと連動しています。
連動糸の不具合もなさそうです。
…となると可能性の高いのはその連動糸に組み合わさって動作している
ブラシに接する摺動抵抗の不具合かと思われます。
巻き戻しクランク下に配置されているこの抵抗に関するトラブルが
「XE」は非常に多いです。
よくあるのが明るかろうと暗かろうと露出計が上に振り切ってしまう症状ですが
この場合もこの摺動抵抗が原因であることがほとんどです。
…というより「XE」の露出計に関するトラブルの大部分は
この抵抗が原因となっている場合が多いのです。

他にもシャッタースピードの精度が非常に不安定だったりするので
機械的な部分と制御しているマグネット周りの整備も必要ですが
まずはこの露出計のトラブルの原因を確定するために
摺動抵抗周りのチェックを行っていきます。

ASA感度設定板の下に配置されるこの抵抗は
上面がASA感度設定板に連動していて
裏側(下面)がレンズ側の絞りリングに連動します。
画像左上はASA感度連動面が見えていますが
多少は汚れていますが本来の金色でまぁまぁキレイな状態です。
で、ひっくり返して裏面(絞り連動側)を見てみると(画像右上)
やはりかなり汚れて抵抗面がまっ茶色になってしまっています。
これでは反応しなかったり反応しても正しい抵抗値は出ません。
完全に取り外して清掃を行い
再びセットする前の状態が画像左下です。かなりキレイになりました。
で、動作を確認すると精度はあとで調整しますが
とりあえず絞り値にも連動するようにはなりました。

それから「XE」といえばプリズム腐食が定番ですが
今回はファインダーから見る限りプリズムの腐食は見られませんでした。
原因となるプリズム前面のモルトは以前に交換された形跡がありますが
かなり昔のことと思われ再びモルトが加水分解を起こしている状態でした。
蒸着面にまでは影響ないもののプリズム表面塗装部には
少々影響が出ています。(画像右下)
もちろんモルトは加水分解しない素材のものに貼り直し
腐食がこれ以上進行しないように対策を打っておきます。

巻上機構の整備も行い結果的にはお預かり時よりも
巻上も少しですがより滑らかになっていると思います。
本来の調子を取り戻した「XE」で
ご依頼者様には存分に撮影をお楽しみいただければと思います。

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