キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「世界禁煙デー」だそうですよ
私も大っぴらに言えない年齢から
タバコを吸い始めて数十年
禁煙して数年といったところですが
喫煙は身体には間違いなく良くはないでしょうね…
朝一発目に吸った時の
あの少し頭がくらくらする感覚。。。
あれだけでも結構ヤバいと今では思いますもの(汗)
でも吸う方の気持ちはわかります
そりゃ吸いなれていると美味いですもの
いまだに「あーなんだっけこの手持無沙汰な感覚。。。
そっか!こういうときはタバコなんだよなぁ」って思い
少し吸いたいなぁ…と思うことがいまだにありますもの。。。
さすがに頭の血管が細くなっていることを
毎年MRIで見せられているので
喫煙再開する気は毛頭ございませんが…
でもタバコ吸える場所って本当に減りましたね
私が子供の頃はまだバスや電車内でどこでも
タバコを吸えるのは普通でしたし
働き始めてからもしばらくは机に灰皿があって
いつでもその場で吸えるのが普通でした
まぁこれは時代の流れでしょうね
しかし、これも最近改めて知りましたが
タバコ…めちゃくちゃ高いですね(苦笑)
私が吸い始めた頃
確かマイルドセブン220円、ハイライト200円でしたが…

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
F-1と同じ年に発売開始になった
機械制御シャッターの中級機です。
F-1もFTbも基本的なシャッターや巻上、ミラー駆動等の構造は
FX以降の当時のFシリーズの構造がベースになっていることは同様で
それの部品レベルの耐久性を上げて
各部の精度も突き詰めたのがF-1で
コストも考慮して通常の中級機レベルとしたのが
FTbということもできると思います
露出計周りはこの2機種が出るタイミングで
開放測光対応のFDレンズになったため
大幅に連動部は変更されています。
それでもコンデンサレンズの背面にCdSを配置する
キヤノン独特の部分測光は旧FTで既に採用されているので
F-1にしてもFTbにしても
いきなり出てきた新しい技術ばかりのカメラではなく
これまでの技術の積み重ねで完成度を高めてきたカメラだと思います。
F-1はルックス的にはそれまでのキヤノンとは一線を画した
スマートでスタイリッシュなデザインですが
FTbのほうはこれまでのFシリーズから引き継がれた
端正なこれまでのキヤノンらしいデザインです。
前身のFTとそれほど大きな違いもありませんが
これはこれで完成度の高い洗練されたデザインだと思います。
FTbはシルバーもブラックも設定があり
どちらも捨てがたい魅力がありますが
今回お預かりしているのは塊感のより強調される
ブラックボディです。

まずはお約束のプリズム腐食が確認できます。
ファインダー内に縦の何か液体が流れた跡のような
腐食が大きく2本確認できます。
これも他のカメラでもよくあるモルトプレーンの
加水分解を原因とするプリズム腐食です。
Fシリーズの場合はプリズム抑えの内側に
緩衝材としてモルトが貼ってあり
プリズムと直接触れないように
1枚カバーが挟まれているのですが
その挟まれているカバーの隙間から腐食するのです。
対策されていないFシリーズのカメラであれば
ほぼ間違いなく起こってしまうトラブルです。
FTbはまだ比較的、交換できるキレイな中古良品のプリズムが
入手可能なので今回も交換で対処いたします。

他もFTb…というかこの時代の一眼レフにありがちな
幕軸の動作不良による異音、精度不良
露出計sw接触不良による露出計やBCの動作不良等々ですが
このあたりは通常の整備の中で改善して
細かな調整でしっかり問題のない状態にしていきます。

まだプリズムを降ろしただけの状態です。
画像ではわかりにくいですが
プリズムの腐食も写っていますね
で、抑え部品の内側とカバー側に
劣化したモルトがべったりと付いているのがよくわかります。
せめてカバーが一体型で隙間がないタイプだと
もう少し持つのでは…とも思いますが
そのあたりはコストの問題等もあるのでしょうね
いずれにしてもモルトは定期的に交換が必要な
消耗部材ですから十数年も放置してはいけないということですね。

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